「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ロシア軍の作戦計画に変更はないように見えますが?<ウクライナ紛争2023年8月

2023-08-24 17:59:34 | ウクライナ紛争

ロシア軍のやることですから他人の私が気にしても仕方ないんですが?
今は、多分拘束軟禁されていると思われるスロビキン上級大将の立案した作戦計画は、南部は徹底的に要塞化して専守防衛し、東部で攻勢をとるのが基本計画で今も、その通りにロシア軍は軍事行動をしています。冬の大攻勢の時から同じで変化は、見られません。

現在、ロシア軍はハルキウ州クピャンスク方面とドネツク州リマン方面でかなりの部隊を投入して攻め続けています。ウクライナ軍は、もっぱら専守防衛に徹しています。ロシア軍は、予備部隊の大部分を東部戦線に振り向けていると思います。

ロシア軍からは、東部のどこで何km進んだという話しか聞こえてきません。ウクライナ軍も南部戦線でどうした・と言う景気のいい話は、ないですね?

実際には・・
ザポリージャ戦線では、ロボティネ村Robotyneを完全に制圧して新規の強力な旅団を投入したようです。
ロシア側のトクマクТокмакを中心とする防御網は、外郭防衛ラインを突破され、ウクライナ軍は外側の第1次防衛ラインを総攻撃する構えに見えます。

ロボティネ村Robotyneは、外郭防衛ラインの最大拠点だったようですから、この地点を制圧された以上、ロシア側には相当な犠牲が出ていると思います。

外側(北側)の第1次防衛ラインまで突破されると、トクマクТокмакを守る防衛ラインは、第2次防衛ラインだけになり、かなり危機的な状況が生まれます。

トクマクТокмак方面の防御網が難攻不落であったのは、外郭の防衛ライン、第1次防衛ライン、第2次防衛ラインが有機的に機能して相互補完しながら防御していたからです。そのうちの外側2列の防衛ラインを突破されると、ほぼトクマクТокмакの防衛は、不可能になると思います。

トクマクТокмакの分厚い防御網は、機能しなくなりなくなると言う意味です。

目標であるメリトポリМелітопольへの進撃路が開けます。

南ドネツク戦線でも、第1次防衛ラインを形成していたスタロマイオルスケStaromaiors'keとそのすぐ東のドネツク州ウロジャイネUrozhaineをウクライナ軍が制圧しました。ここがロシア軍の第1次防衛ラインの拠点だったようです。ここが指揮所になり補給の中心だったようです。ここが制圧されると第1次防衛ラインには補給が出来なくなり否応なくロシア軍は、第2次防衛ラインに移動しなければなりません。
その第2次防衛ラインが、南4kmくらい離れた位置にあるスタロムリニフカStaromlynivkaを中心とする横に広域のエリアです。
アゾフ海側の湾岸都市のマリウポリМаріупольやベルジャンシクБердянськを目標にする攻撃ルートです。

ロシア軍にとっては、こちらの方が危機的だと言えます。ここには、南北にモクリヤリ川MokriYaly riverが流れていてその川の両岸をウクライナ軍は南に進撃しています。

ザポリージャ戦線は広大な畑地帯ですからロシア軍は地雷を海のように埋めてウクライナ軍の進撃を阻んできました。ところが、こちらは河川敷や渓谷の地形です。地雷を埋めて守ることは出来ません。地形を利用して人数を多くして守るしかありません。簡単に言うと頭数を集中しないと守れないと言うことです。

タロマイオルスケStaromaiors'keとそのすぐ東のドネツク州ウロジャイネUrozhaineをウクライナ軍に突破されたと言うことは、ここでは甚大と言えるロシア軍の人的被害が出ているはずです。

ウクライナ軍が静かなわけは、ロシア軍(が南部戦線の部隊増強をしないように)を刺激しないような配慮だと思います。どうもロシア軍の参謀本部は南部戦線の戦いはロシア軍が防御に成功していると考えているみたいです。そうであれば、増援部隊を送る必要はありません。

だから、せっせと東部戦線でウクライナ軍を攻撃しています。人員を増やしてです。それはウクライナ軍にはすごく都合の良いことです。東部戦線にロシアの大軍をおびき寄せて?

南部戦線で静かに密かに削るのがウクライナ軍の作戦計画のようです。ロシア軍の参謀本部には頭(スロビキン)がいません。去年の負け戦の部分を主導したのが、ゲラシモフ参謀長です。

ロシア軍内部の権力闘争は、こんなところにも大きな悪影響があります。ゲラシモフ参謀長はロシア軍が勝っても負けてもほぼ気にしません。自分の身が安泰であれば、それでいいのです。ショイグ国防相も同じ考えです。だから、部下は勝ち戦とごまかし報告します。

ロシア軍の参謀本部では、ロシア軍が勝っているのだろうと思います。東部戦線での攻撃を大勝利にして、南部戦線の方は少し負けたようにしか報告していないと思います。

嘘だと思うかもしれませんが、そんな調子で去年はハルキウ州で大敗走しましたし、ヘルソン州ドニプロ川西岸では負け続けていました。スロビキン上級大将が方面軍司令官になって最初にやった作戦が、ドニプロ川西岸からのロシア軍の撤退作戦です。これは見事に成功しました。そのスロビキン上級大将はロシア軍の参謀本部にいません。

どうも見ていると、南部戦線は去年と同じ流れになりそうです。秋になり地面がぬかるむのが11月半ばくらいだと思います。あと3か月弱ですね?
それまでにウクライナ軍が、南部戦線でどれだけ進撃できるか?

進撃が深ければ、冬の戦いはウクライナ軍に有利になると思います。
マリウポリМаріупольやベルジャンシクБердянськ方面。
あるいは、マリウポリМаріуполь方面にウクライナ軍が接近するほど南部のロシア軍の補給が細ります。ロシア領~ドネツク州~ヘルソン州の陸路の輸送ルートが細れば、あとはクリミアからの補給しか出来なくなります。

そのクリミアも結構、ウクライナ軍に攻撃されています。つまり、このような状況を作り出すのが今年のウクライナ軍の最大の軍事目的だと思います。

それは、成功しつつあるように見えます。ロシア軍が東部戦線で頑張るほど成功するでしょう・・・

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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