「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

日本製鉄のUSスチール買収が難航する理由と韓国の現代重工業などが米国進出を要請される理由<2024.3.17

2024-03-17 09:30:40 | アメリカ合衆国

コラム:USスチール買収に「待った」、バイデン氏の危険な変節
Jonathan Guilford
2024年3月15日午前 11:51 GMT+914時間前更新
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/Z2SWJVOOWZJCTE23KPUCIBCJHI-2024-03-15/

2024.03.3
造船への投資、米海軍長官がハンファオーシャンと現代重工業に米国進出を促す
https://grandfleet.info/us-related/us-navy-secretary-urges-hanwha-ocean-and-hyundai-heavy-industries-to-expand-into-the-us/

日本の武器禁輸三原則は、理想論としては正しいです。
しかし現実論としては疑問があります。
兵器輸出には政府が関与する必要がありますし、相手国に対する特有の根回しも必要です。

『韓国を訪問したデル・トロ米海軍長官が「ハンファオーシャンと現代重工業に米国進出を働きかけた」と報じられており、現代重工業も「韓国海軍やフィリピン海軍だけでなく米海軍の発展にも貢献する造船企業になるだろう」と声明を出した。』
わざわざデル・トロ米海軍長官が韓国を訪問した時に出されたコメントです。

一方で日本製鉄のUSスチール買収は難航しています。
トランプは反対していますし、選挙目的でバイデンさんも反対のようです。

韓国の場合は、これまでの武器輸出の実績からアメリカ軍とも大きなコネクションがあります。その経緯から造船会社の大手のアメリカ進出を要請された・と言えます。

日本製鉄の場合は、今回単独の案件です。
アメリカの基幹産業を買収するのは、単にお金だけの問題でないことを理解していません。
当然ながらアメリカの国防族や有力政治家への事前の根回しが必要です。これを怠っているから大統領と大統領候補の両方から、待った!がかかりました。

この辺りは日本企業と日本政府の欠点ですね。
オーストラリアへの潜水艦輸出では、フランスに負けました。フランスの潜水艦はボロです。政治力で負けました。フランス製はボロだから断られ、結局アメリカの潜水艦の導入が決まりました。
日本政府に武器輸出のノウハウがあれば、日本製の潜水艦が輸出されていたと思います。
武器輸出や基幹産業の買収は、金があるとか優れた製品である他に「ノウハウ」があります。
そういうものが、ないですね❓

ジェット旅客機です。
ホンダのビジネスジェットは、大成功しました。
https://www.honda.co.jp/jet/
ホンダは、元は2輪メーカーです。
それが4輪自動車メーカーとして成功して、全然畑違いのビジネスジェットに進出して成功しました。

三菱の国産ジェット機が撤退に追い込まれた必然 政府も含めたビジネス感覚、当事者意識の欠如
2023/02/15 6:20
https://toyokeizai.net/articles/-/652353

どうして、違いが生まれたのでしょう❓
ホンダは、4輪自動車を最初に販売したのがカリフォルニア州です。当時、一番環境基準が厳しい州で敢えて挑戦しました。日本市場には、逆輸入のような形で進出しました。
ビジネスジェットも同じ方式です。
アメリカの技術者を集めてアメリカで開発しました。
最初からアメリカ基準でやっています。
4輪自動車の時の経験が役に立っていると言えます。

三菱重工の場合は、日本の技術者で日本で開発しようとしました。これでは全部遅れます。どんどん開発が遅れて投資金が雪だるま式に増えていき、結局断念しました。
ホンダ方式でアメリカに開発拠点を置きアメリカの技術者を雇い、日本の技術者はそれを学ぶような方式でやれば成功したと思います。
国産にこだわらず、アメリカの現地法人が開発して製造・販売を行うようにしていたら成功した可能性が大きいと思います。
自分の身の丈を理解していないのが失敗の一番の原因だと思います。

日本製鉄、ホンダ、三菱重工を見ると世界での新ビジネスや外国の巨大企業の買収には何が必要か❓分かると思います。


※関連記事目次
項目「アメリカ合衆国」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/213c96513504dc77bce3a248112c2b72



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