ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

#53 洋上風力発電と漁業 海外の経験 デンマーク事業者 米国でのプロジェクト相次ぐ頓挫 株価急落

2023-09-02 20:25:25 | 日記

 

2023年09月02日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[#53 洋上風力発電と漁業 海外の経験 デンマーク事業者 米国でのプロジェクト相次ぐ頓挫 株価急落]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

デンマークの世界最大クラス洋上風力発電開発事業者“オーステッド” (Ørsted)社は、米国でのプロジェクトの頓挫が相次ぎ、コペンハーゲンに上場している同社株が急速に下落した。

2023年8月30日、決算会見で、米国で計画している洋上風力発電プロジェクトの価値を20億ドル減額せざるを得なくなる可能性があると発表され、同社株価は25%下落した。

世界の洋上風力発電プロジェクトは、タービンやその他のコンポーネントの購入コストの急激な増加に悩まされている。

この1ケ月前の2023年7月、スウェーデンの“ヴァッテンフォール”(Vattenfall)社は、英国イングランド東部ノーフォーク州沿岸沖合“ボレアス”洋上風力発電プロジェクトの開発を中止すると発表した。

これらの背景にも、原材料の鉄鋼、風力タービン自体に加え、タービンを取り付ける特殊な船舶費用など、あらゆるものの価格の急激な上昇と、融資条件のコスト上昇が存在している。

オーステッド社の財政難の情報は、米国ニュージャージー州沿岸地域の洋上風力エネルギー批判に拍車をかけることになる。

最近のモンマス大学の世論調査では、風力発電プロジェクトをめぐる議論において、市民の賛成支持が失われ、現在では民主党と共和党の党派によって賛否が大きく二分されていることが示されている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“復活の日”が近づく ロシア南極オキアミ漁業のCCAMLRオブザーバ11名準備

2023-09-01 10:26:28 | 日記

 

2023年08月30日

北海道機船漁業協同組合連合会

[“復活の日”が近づく ロシア南極オキアミ漁業のCCAMLRオブザーバ11名準備]

全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ大西洋支部アトラント・ニロは、再開が近づく南極オキアミ操業のためCCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)の科学漁業オブザーバらを対象とした作業会合を開催した。

作業会合には、当該科学研究機関のほか漁業団体から26名の専門家が参加した。

2023年-2024年漁期、CCAMLR条約海域で操業を行う国内外漁船の科学漁業オブザーバ資格を11名の専門家が取得している。

アトラント・ニロは、2023年-2024年漁期、操業計画を権限機関に提出済で、南極オキアミ操業の再開にこれまで以上に近づいていると指摘した。

ロシア漁業庁長官シェスタコフは、今年2023年6月初め、同年末にもロシア漁業の1社が既存漁船(中古専業漁船買収)で南極オキアミ操業を開始する可能性があると発表している。

ロシア漁業はCCAMLR(南極海洋生物資源の保存に関する委員会)海域に2隻の投入を計画しており、1隻は着工済となっているが、舶用機器の調達問題等から建造プロジェクトが遅れ気味で、2025年からの操業開始の見込みとなっていた。

ロシア政府は、2021年6月30日付No.1767により、2030年までの同国漁業発展戦略に基づく、南極漁業に関する計画を承認し、南極オキアミ漁業への復活を目標に掲げ、世界の大洋でのプレゼンスの向上と、当該資源の加工による新たなハイテク産業の創出に向かって行動している。

オキアミ漁業は年間7ケ月-9ケ月間操業で、母港との往来頻度は少なく、最大限に漁業時間を利用できることから、船団組織は経済面からも実現可能と評価されている。

オキアミは地球上で最大量の水棲生物資源であり、その漁獲可能量は数百万トンレヴェルと推定されている。

オキアミについては、優れた栄養特性が確認されており、缶詰製品から養殖の餌等、幅広い産業用途があり、特に高品質なオイルについては、世界の経験が示すように健康食品業界でも需要がある。

先に全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、オキアミ漁業支援のためデータベースも作成している。

現在、当該資源を最も利用しているのはノルウエーで、中国も近代的漁船を投入し努力量を上げている。

最近の調査研究結果では、南極オキアミのバイオマスは1億2,500万トンと算定されている。

両国による年間漁獲量は60万トンだが、これを200万トンまで拡大する計画とも伝えられている。

一方、ロシアは当該漁業に適した漁船を失ってしまったことから、ここで操業を行っていない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする