2023年09月11日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(9月1日)]
韓国漁船による自国EEZでの2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)の2023年7月1日から同年9月1日までのスルメイカの漁獲量は9,390トンで、前年度同期比77%、TAC設定7万9,000トン(実証試験枠を除く)に対する開発率は12%にとどまっている。
主要漁業沖合イカ釣りの漁獲量は報告日までに1,040トン、前年度同期比46%、TAC開発率は4%にとどまっている。
2020年度漁期から近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。
近海網漁業は、2023年度漁期開始から報告日までに、前年度同期と同水準の3,020トンを生産している。
大型トロールと二艘引き西海トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域において、当該EEZで報告日までに約5,140トンを漁獲、報告日において、韓国スルメイカ漁業の半分以上の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向が、ほぼ論議の対象外となってきた経緯を見たとき、3年連続で問題点として指摘される実態となっている。
*日本の自国EEZの2022年-2024年のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値とした上で、7万9,200トンの設定となっている。