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一般社団法人北洋開発協会

ロシア 第7回東方経済フォーラム 漁業庁長官が投資目的漁獲割当第2弾設定に言及

2022-09-07 04:55:57 | 日記

 

2022年09月06日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア 第7回東方経済フォーラム 漁業庁長官が投資目的漁獲割当第2弾設定に言及]

2022年9月5日から同8日までの間、ロシア沿海地方で第7回東方経済フォーラムが開催されており、漁業分野のビジネス・プログラムにおいて、ロシア漁業庁長官シェスタコフが、下院に関連法案を提出済の投資目的漁獲割当第2弾の設定に言及、改めてこれを推進する所存であることを表明した。

シェスタコフは、制裁措置の中、北部地方と比較して極東地方は漁業分野のサプライチェーンが安定して効率的に機能していると語った。

また、業界の大多数が反対している、投資目的の漁獲割当の第2弾の設定について、これを達成することで、世界の漁業分野のリーダーになることが出来る旨を言及した。

一方で、シェスタコフは、パンデミックと新しい制裁のために、建造計画が大幅に遅れていることを認め、現在の状況で最も重要なことは、舶用部品等の輸入代替であることを指摘し、すべての問題を解決するために、ロシア漁業庁が産業貿易省や造船業界と連携を強化していると加えた。

ロシア農業省は、2021年11月、水棲生物資源の漁獲割当手続きの改善を目的とする”水棲生物資源保護に関する連邦法の改正案“を明らかにした。

法案では、新たな漁獲割当として、“投資クオータ”第2弾、カニ漁獲割当オークション第2弾、そして投資目的の市場価値の高い魚種のオークションが設定されることになる。

“投資クオータ”の第2弾では、スケトウダラ、ニシンのTACの20%以内で、漁船建造と水産加工場建設にそれぞれ10%ずつ、利用目的に応じ漁獲割当が配分される。

また、漁船建造義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、TACの更に50%部分が対象となり、第1弾の50%を合わせると、対象資源のTACの計100%がオークションで配分される。

これに加え、漁業インフラ整備等、投資プロジェクトの実施を義務付けし、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当が100%オークションで配分されることになる。

この法案に対し、大多数の業界関係者は、“投資クオータ”の第2弾の造船プロジェクトの開始を、現状のロシア国内の造船能力を考慮し、延期するべきであることで意見の一致をみている。

また“投資クオータ”の第2弾の実施で、スケトウダラとニシンのロット・パッケージの内容が違う”投資クオータ”第1弾の参加者の漁獲割当が削減されてしまう可能性があることから、更に4%がこの補償調整向けとして配分されることとなっているが、第1弾の申請受付が開始された2018年当時よりTACは増加し、アクチュアルな配分数量も連動して2021年に7%増加しており、過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”の配分と比較しても、その補償を行うことの根拠が乏しいことから、業界の圧倒的多数はこれを不要とする判断をしている。

カニの漁獲割当配分については、2018年に向う15年間の資源利用契約を漁業者と政府が締結したにもかかわらず、それに反し、漁獲割当オークションの第1弾が行われた経緯があり、更に2弾を設定することは、不合理で、これについては2033年の契約の満了後にすべきであることで意見の一致をみている。

加えて、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当を100%オークションで配分することについては、社会的、経済的影響を考慮し、これを支持しないことで業界の圧倒的多数は意見の一致をみている。

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