黄色い拍子木

たまのをよたえなばたえねながらへば しのぶることのよわりもぞする

輝く鞄

2004-09-22 21:58:15 | Weblog
恋仲の人と、少しおしゃれなお店ばかり入る奇妙な漢字が名前のビルへ。

すこし硬めで薄手のコート。
アンゴラなんかが使ってある紺のカーディガン。
解けるほどに甘い茶色の革靴。

ああ、ここにあるものなんでも惹かれてしまう。
その中でも特に私を惹きつけた物が一軒の鞄屋にありました。

最初に目を奪われたのが黒い皮の鞄。やや小ぶりのボストンバックの
ような形で、丁寧になめされた皮が自然な光沢をオレンヂ灯の下、
輝かせていました。縫製もきっちりとされていて、金具なども変に
凝ったものでなく、シンプルだけど上品な真鍮製でした。

まさに一生もの。お値段も結構するのでは?と思い、タグをひっくり返す。
びっくりしました、その安さに。

ああ、夏にダナキャランの鞄を買うのを我慢すればよかった。

しかし、こんな事でめげていてはいけません。まだまだ魅惑的な
商品であふれるこの店内。

私は見たのです。今まで見たこともないものを。

キラキラと光る皮。皮にラインストーンでも埋め込まれているかの
ような輝き。夜空をぎゅっと濃縮して鞄にしたかのようでした。
触ってみると今まで触ったことのない感触、牛でも豚でもない何か。

正体を聞いて驚きました。なんとそれはエイの皮だったのです。

海底をすべるように泳ぐエイはこのような素晴らしいものを隠して
いました。もしご覧になる機会がある方はぜひ、ご自身でその美しさを
ご覧ください。
コメント
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