「戦慄!!人類絶滅のウンコ文字」
前書き:
私は見た!この話は私の記憶の中では、あますところなく絶対的に真実であるが記憶が間違っている、あるいは記憶というものが変形を避けられぬものであるならば、これは、デタラメである。
これが真実であるという証拠は何もないのだ。あらゆるものに証拠などというものは無い。私たちは記憶と、瞬間に知覚したものだけに頼って生きているのだ。
私は、私の記憶を信じるしかないし、他人の同意を得て、記憶を確認するしかないのだ。 まあ、この話を、どうやって私が知り又、目撃したのかは秘密だが・・間違いなく私だけの記憶だ。
私たちは、とても不確かな世界に生きている。しかし、避ける事は、デ・キ・ナ・イ。
再度、繰り返すが、この話は全て実際に起こった事であり、私は、この目で見た!出来事の因果関係を、今さら探る事は不可能だし、無意味なのだ。すでに過ぎてしまった事だ。
話は三人称形式を用いた。
前書き:終わり。
中型の旅客船だった。その船はホルムズ海峡付近で行方不明になった。
乗客の一人にイギリス人のカメラマンがいた。
惨劇は出航から一週間目の夜に起きた。秘密裏に搭載していたアメリカ軍の開発した細菌兵器の漏洩事故のせいで、次々と乗客が死んでいった。菌は人間と通信機器に浸食した。まず 、船員が全滅し、無線系統が機能しなくなり、燃料も無くなり、彼は広い船内で、たった一人生き残った。
何故、彼だけが生き残ったのか分からない。しかし、細菌漏れの夜、彼だけがグテングテンに酔っぱらっていた事と関係していたのかも知れない。とにかく死肉の発する腐臭の中で彼は唯一人、生き残った。
それから暫くの間、電気と食料はあったので、彼は生き延びている事ができたが、船は航行能力を失い、大洋を無目的に漂うばかりだった。
数ヶ月が過ぎて、食料や水もつきてきた頃、船は、ある気味の悪い島に乗り上げた。無人島だった。
彼は下船し、島を歩き回った。当座の食料はあった。しかし島には食料となるべきものもなく、海には一匹の魚もおらず、鳥や動物も全くいなかった。
しかたなく彼は何とか船から車を降ろして、固形燃料と数週間分の食料類を持って、島の奥地に探索に向かった。
島は、それほど広くはなかったが、草木の類もいっさい無く、荒涼とした大地を薄い紫色の煙が覆い尽くしていた。きつい硫黄の臭いがした。
車で寝泊まりしながら島を回っていると、数日後にちょうど船が乗り上げた辺りの正反対にある岬の突端に、不思議な物体が地中から突き出しているのを発見した。
それは細長い3角錘の建造物で、斜めに傾いで、砂から地上に牙の様に突き出していた。
彼は、これは人造物に間違いないと思った。
しかし、その考えは次第に変わっていった。これは人間以外の何者かが作ったモノだ・・と ・・。
彼は、ソレを入念に調べているうちに、その3角錘の裏側の砂に埋もれたあたりに、かろうじて人が一人分入れる位の穴を見つけた。
そして彼は何かに引き寄せられるかの様に、恐怖に身体を打ち振るわせながらも、その穴に入っていった。
胎道のような、細い穴を、どんどん降りてゆくと、彼は今だかつて見たこともない、人間の想像を遙かに凌駕するヌメヌメした異空間に行き当たった。
そして、その空間を取り囲む壁には、ぎっしりと何やら文字らしきものが刻まれていた。
よく見ると、それはあらゆる形態、形状のウンコの形をしていた。ぎっしりとウンコ文字が描かれていた!びちゃびちゃのウンコ、小さいコロコロ・ウンコ、とぐろ巻いた巨大なウンコ、黒や緑のウンコ・・無数のウンコ。象形文字だ。ウンコ文字だ。
彼は、カメラを向けた。
そして徹底的に写真を撮った。どんなウンコも逃すまいと全てのウンコ文字を、がむしゃらに撮りまくった。
何時間過ぎただろう。我を忘れてウンコを撮りつくし、気づいたときには何だか恐ろしくなってきた。彼は次第に何かの気配を感じだした。
じっと耳を澄ますと、その空間のさらに奥の闇の中から、ビチャビチャいう気持ちの悪い音が聞こえてきた!
何かが!何かが!近づいてくる!
びちゃっ!ぶちゃっ!ずぅるるるぅぅぅう!ずるぅううずるぅぅ~~!
遊星からの物体ウンコだろうか?音は、どんどん近づいてくる!
彼は迫りくる絶対的恐怖に小便を漏らし、悲鳴を上げ、大急ぎで、今来た穴を逆行し、昇って行き、その不気味な建造物から這い出した。
地上に出た後も、まだ、あの気持ちの悪い音が追っかけて来るような気がして、彼は一目散に車を飛ばして、もとの船の場所に帰った。
彼は、もう、この島に、これ以上、滞在していたくなかった。
死んだ方がましだ、と思って緊急用の小型ボートを船からはずして乗り込み、脱出した。
何週間か後、日焼けで、ぶくぶくになった瀕死の彼を乗せたボートが大洋に浮いているのを、イランの軍艦が発見し、手荒く、救助された。
そして、彼は、そのイラン船の中で絶叫と共に死んだ。
「ぎゃ~!!ウンコが追ってくるぅううううぅうううう!!!」
と!
彼の撮影したフィルムは、それでもちゃんと遺族に遺品として送られ、彼の妻(やはり写真家だった)が現像し、その異様なウンコ文字に驚愕し、大学に調査を依頼した。
まず、その島は、いくら探しても、どこにあるのか分からなかった。
さらに撮影された壁の文字らしき無数の「ウンコ図形」は、最先端の言語学者に興味深く扱われ、スーパーAIコンピュータによる翻訳作業が開始された。
その結果、ウンコ文字は未知の言語であるばかりではなく、さらに暗号化されているという事が分かった。
世界中の言語学者とスーパーコンピュータが総掛かりで、そのウンコ文字の解析に3年間を費やし、やっと英語に翻訳された。
そのウンコ文字は、今だかつて存在したどこの言語にも似ていなかった。地球上の言語の概念を越えていた。
全く新しい画期的な言語の発見、という事で学者たちの間で、かなり熱狂的に話題になったが、何故か絶対極秘扱いにされ、厳重に幾重ものプロテクトをかけられてCIAの最高機密のデータバンクに保存され、封印された。
というのは、その内容である。恐るべき内容だった。最初に、その内容を読解した学者は、のちに発狂し、自殺した。
今では、そのウンコ文字が、どんな内容なのか誰も知らない。読んだ者は、ことごとく、、、死んだ。とてもおぞましい死に方だった。
自分の身体をズタズタに切り裂いて硫酸で溶かしたり、幼児を切り刻んで貪り喰い、自分の肉体まで喰らい、友人の目玉をコレクションしたりして死んでいった。
噂によると、そのウンコ文字の内容の一部は双子に関することと、二重身をもとに人類の真実の姿と、その起源を暴露し、目に見えぬ魑魅魍魎の存在と死体蘇生に触れているらしい。
しかし、世界が徹底的な電脳管理社会になった、ある日、電波系コギャル超天才ハッカー・ぴっぷるちゃんが、その封印された絶対不可侵のはずのデータバンクに侵入し、全てのウンコ文字をダウンロードして、読み込んでしまうという大事件が発生した。
電波系ハッカー・ぴっぷるちゃんは、あらかじめ大バカの外道だったので一読しても何ともなかった。むしろ大喜びしてしまった。
「きゃ~!何てイケてるセレブなウンコ文字なの~!なの~!ちょ~ちょ~ちょ~イケてる感じ~!きゃ~!あったしの頭の中と超フィットな感じ~!よぉっし!ぴっぷるちゃんは、がんばるんだからぁ~!これを毒電波にしてぇ~、お空の上から世界中に飛ばしてやるんだからぁ~!ホログ ラムを、お空に投影して、そこから内容を毒電波にして、み~んなに教えてあげるわっっ!ディスクロ~ズよっ!情報は開示されなきゃ~!あったし、何て良いことしてるのかしらぁ~!ちょ~!ちょ~!ちょ~~~っ!」
ある日、地球上全ての空を巨大なウンコのホログラムが覆い尽くした。そして世界中の人々の目に否が応でも、それは目に入った。
そして、その巨大なホログラム・ウンコからは、ウンコ文字の恐るべき内容を、全ての人間の脳に直接伝える毒電波が発せられていた。もちろん、ぴっぷるちゃんの電波系トランスミ ッターによって、それは飛ばされていた。
「きゃ~!届け~、届けぇ~!毒電波~!きゃ~!!」
かくして、人類は全滅した。
ぴっぷるちゃんは、レティクルの彼方に行ってしまったらしい。
最後に、全国のTV画面に、こんな文字が映しだされていた。
見上げてごらん!ウンコだよ!
終
This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)
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