真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

漢字が書けない中国人

2013年08月31日 | Weblog
中国人はよく「一生のうちに全部はできない三つのこと」という話をするそうだ。「全部の食べ物を食べることはできない」「全国すべてを旅行することはできない」「文字を全部覚えることはできない」の三つだ。

中国の漢字は8万5000字を上回るという。あまりにも多くて複雑なため、国の発展を妨げているという声もあるほどだ。20世紀初めに『阿Q正伝』を書いた文学者で思想家の魯迅も臨終前に「漢字不滅 中国必亡(漢字が滅びなければ中国が滅ぶ)」と嘆いた。

今年6月末、中国福建省廈門(アモイ)市の新聞が習近平国家主席のニュースを伝える際、名前の真ん中の漢字を「進」と書いた。「近」と「進」の中国語の発音は「jin」で四声も全く同じため混同したもので、編集責任者が懲戒処分を受けたという。

中国ではコンピューターや携帯電話に漢字を入力する時、アルファベットの発音記号で入力するそうで、「北京」と入力するには「bei jing」という発音記号のうちbとjさえ入力すれば単語が出てくる。だから文字を知らなくてもそれほど不便ではない。

国営テレビ局「中国中央電視台」で放送されている番組『漢字の書き取り大会』を見ると簡単な漢字も書けない人が多い、と香港紙が報道した。無作為に選んだ観覧客のうち、「厚」という字を正確に書けた人は半数にもならなかった。

難しい漢字「蟾(ヒキガエル)」が書けた人は30%だった。同紙は「デジタル時代で中国人の漢字を書く能力が衰えている」と報じた。「提筆忘字」という新造語も生まれた。「ペンを手に持ったのに文字が思い出せない」という意味だ。

中国人の漢字能力は共産政権発足後の「簡体字化」で急激に低下した。現在の簡体字すらきちんと書けないという現象は「第2次断絶」とも言える。デジタル機器が日常を支配し、言語生活を壊しているのは中国だけではない。韓国も日本も「デジタル時代に文字を忘れた人」に頭を抱えている。

この話しを聞いて、耳が痛い人は多いだろうと思う。私も同様に、読めても書けない漢字が多くなった。

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