知人の分類によれば、ショパンのバラードに関する派閥は
四つあるという。
ショパンは、バラードを四曲しか書いていないので、
各曲に、派閥、と呼べるような熱心なファンが存在するということになる。
しかも、バラード派は、さらに、
ルービンシュタイン会、ミケランジェリ会(主として1番派の一部)、
ツィメルンマン会、ポリーニ会、ルイサダ会と
細分化していく。
もちろん、バラード派の外には、さらに
マズルカ・スケルツォ・エチュード・ワルツと
大派閥が控え、その外には、
「そもそもショパンはチャラい」という三大B派までいる。
さて、私は、しばらく激しい抗争を忘れていたのだが、
今日、ふいに、第四番派であることを、思い出した。
この曲は、やさしく包み込むような旋律で始まる。
この旋律は、ここで終わってもおかしくないような
ろうそくが消え入る時のような余韻を残す旋律なのだが、
曲は、ここでは終わらず(冒頭の旋律なので当たり前だ)、
その余韻を膨らますように展開して行く。
ショパンのバラード派閥を分類した知人によれば、
この第四番は、「謎めいている」。
まさに、
消え入るろうそくが残した謎(どんな謎だ?)に
思いを巡らせるように、後の部分が展開し、
さらに謎は大きなものになっていく。
そして、聞き終わった後、
この曲は、
明晰な言葉で説明できるような思考は一切していないのに
深いことを考えてしまった・・・、
という奇妙な感覚を残す。
まるでボルヘスの短編ではないか。
と、いうわけで、興味を持たれた方は、
ぜひ、ショパンのバラード第四番ヘ短調Op.52を
聴いてみて下さい。
誰のピアノで聴いても損しない名曲ですが、
個人的には、
ただでさえ謎めいている曲が、さらに謎めくコルトーから入るより、
やはり、メジャーなルービンシュタイン盤から
入るのをお勧めします。
もし、「これこそ!」というOp.52のお勧め盤がありましたら
ぜひ、教えてください。
四つあるという。
ショパンは、バラードを四曲しか書いていないので、
各曲に、派閥、と呼べるような熱心なファンが存在するということになる。
しかも、バラード派は、さらに、
ルービンシュタイン会、ミケランジェリ会(主として1番派の一部)、
ツィメルンマン会、ポリーニ会、ルイサダ会と
細分化していく。
もちろん、バラード派の外には、さらに
マズルカ・スケルツォ・エチュード・ワルツと
大派閥が控え、その外には、
「そもそもショパンはチャラい」という三大B派までいる。
さて、私は、しばらく激しい抗争を忘れていたのだが、
今日、ふいに、第四番派であることを、思い出した。
この曲は、やさしく包み込むような旋律で始まる。
この旋律は、ここで終わってもおかしくないような
ろうそくが消え入る時のような余韻を残す旋律なのだが、
曲は、ここでは終わらず(冒頭の旋律なので当たり前だ)、
その余韻を膨らますように展開して行く。
ショパンのバラード派閥を分類した知人によれば、
この第四番は、「謎めいている」。
まさに、
消え入るろうそくが残した謎(どんな謎だ?)に
思いを巡らせるように、後の部分が展開し、
さらに謎は大きなものになっていく。
そして、聞き終わった後、
この曲は、
明晰な言葉で説明できるような思考は一切していないのに
深いことを考えてしまった・・・、
という奇妙な感覚を残す。
まるでボルヘスの短編ではないか。
と、いうわけで、興味を持たれた方は、
ぜひ、ショパンのバラード第四番ヘ短調Op.52を
聴いてみて下さい。
誰のピアノで聴いても損しない名曲ですが、
個人的には、
ただでさえ謎めいている曲が、さらに謎めくコルトーから入るより、
やはり、メジャーなルービンシュタイン盤から
入るのをお勧めします。
もし、「これこそ!」というOp.52のお勧め盤がありましたら
ぜひ、教えてください。
あ、でもワルツもノクターンも好きです。
この記事を読んで家にあるアシュケナージのものを聞きなおしたのですが…
うーん、バラードの中で一番好きなものを決めるのは難しいですね…どれも好きです。
個人的には、4番はなんというか、一番理性的な印象を受けます。射程が広がっていく感じというか…笑
1番は感情的、2番は森の中、3番は海の上、な感じがします。かねこみすず的に言うと、「みんな違ってみんないい」…
でもなんだかんだ言って俗物な自分はやっぱりいかにもショパンな1番が好きかなあなんて思っています。
いやあなんかこんなコメント、キャラに合わなくて恥ずかしいですね。
やはりバラード3番は水の音楽ですよね。
良くわかります。
私も、4番最初の好きになったとき聴いたのは
アシュケナージです。
とてもまとまりがよくひかれていました。
ところで、ショパン好きが俗ということだと、
いったい俗でない人は何を聴けばいいのでしょう!?
確かにそのように読めてしまいます。失礼いたしました。
私としては、「私はショパン好きとはいってもごく限られた一部の曲だけ聞いて「ショパンが好き」と言っているような人間です」
というようなことを言いたかったのですが、
(やはりうまく説明できている気がしない…)
慣れないことをして変な表現になってしまいました。
少なくとも、決して「ショパン好きが俗」と言おうとしたのではなかったのです。
確かに私は俗人でショパンは好きですが、「ショパン好きは皆俗人」とは全く思っておりません。
変な表現を使ってしまって申し訳ございませんでした…。
三大B派の知人に言わせれば、
ショパンはチャラいそうで、
ショパンコンクールがメジャーなのは
「コンクールにはショパンくらいが
ちょうどいい」からだそうです。
いやあ、ピアノの詩人にものすごい評価です。
ちなみにこの友人、
ホルストに「一発屋」、
ロドリーゴには「第二楽章だけの一発屋」と評価。
いやあ、すごいものです。
おほほほ。
今度、知人にきちんとショパン派一堂の
怒りを伝えておこうと思います
ちゃんと理解しております。
楽しい投稿ありがとうございました。
また遊びに来てください
また、趣味の点についても私がピアノとボードゲーム(チェス・オセロ等)が好きなことから、音楽・将棋の記事も楽しく拝見させていただきました。
さて、話が変わりますが、ショパンのバラード4番なら断然ロシアのピアニスト「オレグ・ボシュニアコーヴィチ」(Oleg Boshnyakovich)を推させていただきます! 先生が挙げられている中ではツィマーマンの演奏が一番好きですが、ボシュニアコーヴィチも負けていません。 歌心という意味では、ボシュニアコーヴィチに軍配が上がると個人的には思っております。
ボシュニアコーヴィチの演奏は何より「間」が絶妙です。今までショパンの作品pの演奏は多数聴いてきましたが、ボシュニアコーヴィチの演奏ほど自然に流れる演奏は出会ったことがありません。
バラード四番は、舟歌等が含まれるコンピレーションのアルバムに収録されているのですが、他の演奏も絶品です。 特に、舟歌、バラード3番のようなバランス感覚・歌心が前面に出る曲だと圧倒的です。他にも、夜想曲のアルバムもあるのですが、いずれの演奏もやはり高水準です。特に、op.48-1の夜想曲は私の中ではベストの演奏です。
現在は残念ながら廃盤となってしまっているようですが、もし手に入れる機会がおありでしたら是非とも聴いていただきたいです。
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%91%E3%83%B3-%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%862-%E3%83%9C%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81-%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%82%B0/dp/B000J10B8G/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1354293699&sr=8-3
お便りコーナにお返事かいてみました。
当方は、ツィメルマン派ですが、ブレハッチの4番も聴いてみたいと思います。
因みにスケはどの派閥ですか。
かつて先生の初期の作品群の愛読者でしたが、最近ブログを拝読するようになりました。
いつかのティータイムのような文章を、今後も楽しみにしています。
ティータイムとはなんと懐かしいお話。
いつかティータイム月の本も書きたいです。
そうですねえ、スケですか。
スケは、いまだ分析ができておらず、
精進したいとおもいます。
バラさんは、何派ですか?
スケは4か1か2か3です。答になっていませんね、順位をつけるなら上の順という意味です。
スケルツォは、明暗の対比が絶妙で、前進するエネルギーに満ちているので、バランス感覚と勢いが必要な法律家には、向いているかもしれません。バラードも前進エネルギーはありますね。ショパンは大人しそうに見えて結構大胆な人物だったのではないでしょうか。和声も前衛的ですし。
話が広がりました、、とにかく、スケについて、いずれ木村先生の分析結果を教えてください。