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木村草太の力戦憲法

生命と宇宙と万物と憲法に関する問題を考えます。

ご質問について

これまでに、たくさんのご質問、コメントを頂きました。まことにありがとうございます。 最近忙しく、なかなかお返事ができませんが、頂いたコメントは全て目を通しております。みなさまからいただくお便りのおかげで、楽しくブログライフさせて頂いております。これからもよろしくお願い致します。

一歩千金

2011-10-05 10:26:00 | 将棋
将棋格言で重要なものとして、「一歩千金」というものがあります。

将棋では、一枚一枚の駒がとても重要で、
歩といえども、その価値を軽視してはならない
という言葉です。


さて、ところで、しばしば
「駒のように使われた」とか、
「私は駒にすぎません」とか、
そういう表現がなされるわけですが、
一歩千金という格言から考えれば、
このような表現は、傲慢不遜というものでしょう。

おそらく、将棋における「歩」ほどに重要な人物ですら、
人類の歴史始まって以来何人いたのか、という世界でしょう。

また、「駒にすぎない」の駒が、
桂馬や香車だったら、これは、もう
「俺は宇宙ヒーローだ」という発言に等しいわけです。

まして、自分が飛車や角行だという趣旨でこの発言をしていたら、
それは、よほど自分の足元が見えていない発言だと看做さざるをえまい(怒)。



・・・。
少し盛り上がりすぎました。

ちなみに、前にも話したような気がしますが、
私が一番好きな将棋の駒は「玉将」です。
ぜったいとられたくありません。

それは休憩なのか?

2011-10-02 20:49:08 | 将棋
昔、伝説の研究会、「島研」というのがございまして、
島朗先生の下に、羽生・佐藤・森内三氏が集まって
将棋を研究されていたと。

いまでも、このメンバーが大盤解説などに登場しますと
話題になるのですが、先日、羽生先生が次のような趣旨のことをおっしゃっておりました。

「島研では、将棋の研究ばかりでなくて、
 チェスなんかをやって休憩するんですよ」とのこと。


いや、確かに「将棋とチェスは全然違う」(羽生二冠)らしいのですが。

しかし、やはり、
将棋の休憩にチェスって、休憩か?
とつっこみの一つでもいれないわけにいきません。


しかし、思えば、
私のドイツ語の先生は、強制履行制度の勉強に疲れたので、
フランス語の勉強をするとか、言っていました。

それに、大学受験時代を思い出すと、
(受験科目の多い)東大の受験生なんかは、
数学と英語が煮詰まったから、気晴らしに漢文を読むとか、
言ってたなあ。


そうすると、将棋の休憩にチェスをやるというのは、
そんなにおかしいことではないのかもしれません。

法科大学院や司法試験の受験生の方も、
行政法に飽きたから民事訴訟法をやる、とかやってるのでしょうか。
やってる気もします。

激闘、王位戦

2011-09-14 21:41:06 | 将棋
というわけで、周知の通り、
広瀬王位VS羽生二冠の王位戦が終戦いたしました。
まさに激闘。
七番勝負、どれも見どころがあり、
中でも第一戦、第六戦はしばらく忘れられない名局だったと思います。
素晴らしいタイトル戦でした。

広瀬前王位の羽生二冠を挑戦者にしても、
自分のスタイルを崩さず、ひょうひょうと向かってゆく姿。
羽生新王位の強烈な終盤力。
感動的でした。

私も、いつかこの王位戦のように人に深い感動と勇気を与える
論文をものしてみたいものです。

また、四間飛車穴熊の行方が気になりますが、
ぜひ、広瀬前王位には捲土重来して、四間飛車復活ののろしを上げてほしいです!
(次は棋王戦に出て、久保棋王と闘ってほしいです。)



ところで、広瀬前王位といえば、
『四間飛車穴熊の急所』。
私、実は、アマゾンでタイトルに「急所」が入っている本ランキングで、
広瀬前王位に勝利したことがあります^-^>




しかし、『憲法の急所』は、
いまだに羽生新王位の『将棋序盤の指し方入門』に勝ったことはなく、
さすがは将棋界の第一人者!とおもっていたのですが、
この度、7月の各大学生協売上ランキングがでまして、
一番左が、東京大学なのですが・・・。



なんと、まず、7月の1位。

冗談で東大で一番売れた本と言っていたのですが、
マジだったとは!

さて、そして、その東大の7月の10位はなんと
羽生先生の『大局観』!
勝った。

広瀬・羽生両名に勝ったので、これはもう、
名誉王位と名乗って良いかと^-^>

というか、なんて失礼なんでしょ。私って。おほほほ。

はい。失礼いたしました。

将棋格言

2011-09-01 15:38:52 | 将棋
囲碁格言は、かっこいいものが多いのですが、
将棋格言は、どことなく間が抜けたものが多くて、
私は、そういう格言が好きです。


先日、『憲法の急所』にサインを求められたのですが、
何か一言、とお願いされたので
「角のきき筋止めにくし」と一言。

私は、別に角の専門家ではないのですが、
とても喜ばれました。


ちなみにこの格言の誤植で
「核の危機筋止めにくし」というのを見たことがあります。
きき筋が止めにくいという、格言というより単なる感想と思われる
間が抜けた格言が、とたんに深刻な格言になってしまいます。


・・・。

私は、将棋ファンの法律家の友人とともに、
「将棋格言に似た法学格言を探す会」
(会員数未定、本部=東京都八王子市内)を結成しております。

紹介いたしますと、例えば次の例。

「桂頭玉は寄せにくし」。

接近戦ができない桂馬の前方に来た相手の将軍は、
自軍の桂馬が邪魔で、攻撃しにくい、という意味。



チェスでも、ナイトではキングを寄せきれないことが知られており、
相手のキング以外の駒をすべてとっても、
自軍がナイトしかない場合、引き分けと扱われる。


「不明規制、目的二分論では書きにくし。」

目的があいまいな経済規制には、
目的二分論が適用できないので、
目的二分論から基準を立てると、論証がしにくくなるという意味。
石川・駒村・亘三先生による法学教室の連載に由来するといわれる。

棋譜並べ

2011-08-28 21:27:38 | 将棋
よく、

「憲法が苦手なのですが、
 どんな勉強すればいいですか?」

と聞かれます。

もちろん、
講義きいて、基本書よんで、
紹介された論文よんで、
過去問といて、答案例みて、と答えるのですが、まぁ、当たり前ですよね・・・。

私が、憲法に苦手意識のある初学者の方にお勧めなのは、
答案例の書き写しです。

司法試験過去問の優秀答案例でも、
学者の方が法学セミナー増刊で書いている答案例でもよいのですが、
それを答案用紙に、一回手書きで写経してみる、という感じですね。

(別に何度もやる必要はないですが)

ただ読むだけだと、頭にはいっているようで、実は入ってきてない
ということ、よくあるように思います。

自分の手で書いてみると、一度よんだことのある答案例でも、
ああ、こういうことか、という発見があったりして、勉強になります。

私も、昔、入門者の頃、写経してみたのですが、
そこで、論証の構造やコツというのがつかめた気がいたしました。


将棋の世界でも、強くなる勉強法の一つに、
棋譜並べというのがありまして、
これは、プロの棋譜を、実際に盤にならべて、駒をうごかすということです。

本で図と棋譜をおってくだけだと、
あるいは、インターネットで駒の動きをみるだけだと、
棋譜というのは、はいっているようで、はいってきていない。
やはり、盤に向かって並べるのが一番。

というのはよく聞く話です。

もちろん、答案書きなれた(論証例をみれば構造がつかめる)
中級者以上の方は、必要ないでしょうが、
初級者の方には、答案写経、おすすめです。