KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

欠点という個性

2008-05-05 22:42:54 | 趣味
わたしのGW中のイベントはただひとつ。
南房総にある本多忠勝城のふもとにある高校の演劇部に行くことだけでありました。

…というわけで久々に演劇部に顔を出してきました。

新入生歓迎シーズンが続いたため、長々とかかってしまいましたが、どうにかこうにか今日から立ち稽古に入ったようです。
よかったよかった。

今回の芝居は、応援団芝居。
そのため、オープニングは「オス!」(応援団らしくね♪)という掛け声から始まるのですが、
オタクと2ちゃんねらーの多い我らが演劇部。


「ゾッス!ゾォッス!」
「ゾッス!ゾォッス!」


…と、某企業で行われているともっぱらの噂の掛け声大合唱から、稽古は開始いたしました。
ゾッス。

もう「光りもの」の話もここらで収束かと思っていたとたん、これだもんなぁ…(汗)
…ったく、毎日、楽しくてしかたないよっっ(汗)


話はさておき、
高校時代に演劇部に入部してから、はや10年以上。
そろそろOGとしてかかわり始めて10年目を迎えようとしています。

その中で、現役からいままでずっと確信してきたことがあります。
それは…

欠点とは紛れもなく、その人の個性だということ。

キレイごとのように聞こえるかもしれませんが、違います。
もし、「キレイごと」としか受け取れない人がいるのなら、「舞台の上では」というくくりで話を聞いてください。

身体的な欠点とか、
その人の性格的な欠点とか、
欠点にはいろいろなものがあるわけですが、
どうにも稽古を始めるためには、この「欠点」をとっかかりにしないと進めないなぁ、という確信があるのです。

「欠点」というよりは、「偏り」といったほうが正確でしょうか。

あらゆる点でバランスよく、
何事もそこそこできるけど、特に何を特化してできるわけでもないという人ほど、とっかかりにくい人はおりません。
その人の立ち位置をどのように確保してあげていったらいいのか、
その支援の仕方も、その人自身がどうしたいのかもまったくわからなくなってしまうのです。


これは、いろんなことに興味はあるけど、特段、何に夢中になれるわけでもない人が、就職活動でものすごく苦労するのと似たところがあるのかもしれません。


現代は、いろいろなものが過剰に「わかりやすく」、過剰に「使いやすい」時代で、素人でも、ちょっと良い機械や環境をそろえれば、プロ並みになんでもできてしまいます。
わたしの知人の写真家は、「プロの写真家がアマと違うのは、結局、自分の写真を「商品」にできるかどうかだ」と言い切ります。
そして、「今は、プロよりアマのほうが、むちゃくちゃ良い機械使ってるしね」と失笑します。


過剰に「わかりやすく」、
過剰に「使いやすい」時代の中で、
何かのプロフェッショナルになるということはいったいどういうことなんでしょう。


わたし自身の考えを言えば、
このとき、最終的な手がかりになるのは、自分の「欠点」ではないかと思うのです。
わたしは大学四年のときに自分の進路を考えました。
そのとき考えたのは、「自分に何ができるか」ではなく、「自分は何ができないか」ということでした。

わたしの欠点は、いろいろありますが、
社会生活にまで支障をきたすわたしの欠点といえば、
「考えすぎること」。
これに尽きます。

そこまで考えてあと、
自分のできることを考えるのは簡単でした。
だって、「考えること」の自由を保障される職なんて、ほとんどありませんから。
ましてや、「考えすぎ」て、鬱になって寝込んでしまう人間なので、ほっておいたらただのニートですよ。

そう思った結果、今のわたしがあります。


わたしは進路に迷う人に会うたびに、「この人はいろいろできる人でいいなぁ」「いろいろな可能性があっていいなぁ」と思っていました。
でも、きっと「いろいろできる」から、「なんでもバランスよくできてしまうから」こそ困ることも、きっと多いのだろうと、今になると思います。


そして、やっぱり「欠点」って大切だなぁ…、とあらためて思うのです。


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3 コメント

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ご無沙汰しています! (なか)
2008-05-06 22:38:38
こんばんは。お元気そうでなによりです。
ちょうど教員採用試験の願書にある自己アピール欄に取り組んでいたら、この記事にお目にかかりました。欠点だらけで書くことがない…と落ち込んでいたんですが、ちょっと勇気が湧いてきました…。

ところで、
ものすごく今更で、途中から幽霊部員(?)になっていた分際で、言い出しにくいのですが、
アートライターの完成品ってまだ受け取れるんでしょうか?
す、すみません…!!
グッド・タイミング♪ (kimisteva)
2008-05-07 12:38:37
おっ!どうもお久しぶり!

ちょうど『アートライティング』の冊子もできたしメールしてみるか、と思ってたところでした。
ギャラリーガイドの完成品&『アートライティング』の冊子、近々お渡ししますんで楽しみにしててね(これ書いたらメールします)


>自己アピール欄
カウンセラーにも「まったくもう」と言われるほど自己否定感の強いわたしでしたが、学生自体(奨学金ゲットのために)ガンガンバリバリ書かされた「自己アピール欄」に困ったことはありませんでした。
というのも、ある日、「欠点を連ねていけば説得的な自己アピールになる」ことに気づいたからです。(友人に聞いたところ、いわゆる就職活動対策の「自己分析シート」でも同じようなコンセプトの活動をやるらしいので、それほど間違ってなやりかたというわけではないようです)

やりかたは以下のとおり。

①自分の欠点を思いつく限り書いていく。「10答法」みたいな方法で20個くらい書くとさすがに飽きてきます。

②20個書かれた自分の欠点=「短所」を、全部、「長所」に読み替えていく。
ここで大切なことは「全部」やろうとすること。もちろん実際に書けるのはそのうちのいくつかに過ぎないんだけど、とにかく全部「長所」に読みかえる。これ大切。

③読み替えられたいくつかの「長所」のうち、複数のもの(3つくらいかな?)をつなげて、ひとつの「物語」になりそうな項目を選び、「物語」=「自己アピール」を書く。


ちなみにやるときのコツは、「無気力」系の欠点(「やる気がない」「がんばれない」「何もしたくない」「朝起きられない」など)はできるだけ避けて書く、ということです。
それは、ただの鬱だから(笑)。
・・・と思ってサクッとカットしてしまうのが良いと思います。逆に、自分の欠点として「無気力系」しか思いつかないときは、本当に鬱なときなんですよ。
そういうときは、しっかり休みましょう。
Unknown (なか)
2008-05-07 18:21:02
ヒョ~~!!さすがですね。
超、役に立つコメントありがとうございます。
参考にさせていただきます☆