KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

森美術館めぐりの「正解」は?:森美術館『六本木クロッシング2007』

2007-12-18 11:35:49 | 趣味
森美術館で開催している『六本木クロッシング2007』を見てきました。

量・質ともにものすごいボリュームの展覧会で、驚きました!


わたしの中で現代アートの魅力は、「なんだかよくわからないけどとにかくスゴイもの」というところにあります。
内田樹氏であったら、「身体ではそのスゴさがわかっているけど、頭がわかっていない状態」と表現するかもしれません。
ともかく、わたしの身体にドゴーンとぶつかってくるもののその正体がわからないものがあるのです。
そういうものを、「あれってなんだったんだ?」と長い時間をかけて考えてはじめて、「ああ、あのときのアレはこういうことだったのか」とわかりはじめる。
このときの経験というのは、わたしにとってものすごく心地よいものです。
なんと表現したら良いかわかりませんが、急にパアッと目の前の世界が開けて、「世界はこういうふうに動いていたのか」に気づかされる感じです。


だから、音声ガイドが大嫌い。
もちろんそういう見方で楽しむ人がいても良いし(実際、わたしの友人は音声ガイドを利用していたし)、そういう支援ツールが美術館にあることは大切だとは思ってます。
だけど、わたしにとっては「わからない」状態が大切なので、音声ガイドで解説されると、むしろ「お前の考えを押しつけてくるなぁぁっ!」と叫びたくなるのです。
しかも音声ガイドって、展示室を回るペースまで押しつけている感じがする。
以前、エッシャー展に行ったとき、音声ガイドを携帯した群れが同じペースで展示室を動いているのを見てゾッとしました。
(いまだに思うですが、あの人たちはいったい「何を」見ていたんだろう?)


話がずれましたが、森美術館は、そういうよくわからないものが、これでもかこれでもかとたくさん置いてありました。
むしろあまりにボリュームが過剰なので、これはどういうぺースで見るのが「正解」なのかなぁ…と疑問に思いました。
チケットは、1回きり(1度、展示室のある階をを出たら無効になってしまう)なので一回でそれらすべてを見るしかないわけですが、その割にはボリュームが多い。


・・・そして、音声ガイドを手にわたしより先に回っていたはずのわたしの友人は貧血を起こして倒れました・・・。
友人からその連絡を受けたとき、ああ、それも「正解」ではなかったのか、と衝撃を受けました…。


あの場所は、もしかしたらダーッと早いペースで歩きながら、
なんとなくオモシロそうなものだけチラリと見て去るのが「正解」なのかもしれません。
展示室にいた多くの人たちと同じように。

・・・というわけで、森美術館はバッファローのように駆け抜けろでFA?


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