KIMISTEVA@DEEP

新たな「現実」を構成するサブカルチャー研究者kimistevaのブログ

「これをたべると元気がでるよ」

2008-04-22 11:33:48 | Weblog
水戸市内のバーミヤンに立ち寄ったらこんなものを見つけました。

「や○い」・・・って「○」の位置が明らかにねらいすぎです。
しかも「これをたべると元気が出るよ」・・・って、腐女子に向けたレーザービームですか。

昔、『ファンロード』というその名もずばりオタク系雑誌で、「やさい」という隠語(?)が流行った時期がありました。
(今もあるのかな?)
つまり、
「やおい」→「や○い」(自主規制)→「やさい」(読み替え)
というプロセスを経て、「やさい」という言葉になったわけです。

「やさい」という隠語の登場は、対概念としての「くだもの」(=百合。女の子同士のラブストーリー)、「おにく」=(男女のラブストーリー)を一方で生み出し、
また一方で、
「ベジタリアン」=「やさい」愛好家=「やおい」愛好家
「健康優良児」=「やさい」も「くだもの」も「おにく」も食べる人=なんでもアリの人
・・・という言葉を生み出していきました。

こういうふうに、ひとつの言葉からその連想でさまざまな言葉を生み出せる能力というのは、人間らしい、実に知的な活動だと思います。
『みんなの国語辞典!』は「内輪ことばを集めてどうするんだ!」とか、いろいろ批判もあるようだけど、わたしはやっぱりああいう発想をして、言葉を生み出していく日本人が好きだし、ああいうかたちで人間は文化を作るんだよなぁ・・・としみじみしてしまうわけです。

言葉なんて、結局「内輪ことば」からしか生み出されないと思います。
「方言」だって、「あたたかみがある」とか最近は評価されつつあるけど、あれだって結局、その地域の「内輪ことば」でしょ?


おもしろがって、言葉を生み出したり、
それによって、コミュニティを形成したりする人間特有の能力こそ、
ソシュールが「ランガージュ」と呼んだものに他ならないのではないか。
そんな大層なことを思ったりします。


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