気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

鈴鹿山脈の名峰 『御在所岳』への登山

2011-11-05 00:11:41 | 

 20011年10月8日(土)晴、

今日は三重県四日市市の西側に聳え、鈴鹿山脈の主峰である御在所岳(ございしょだけ=標高1212m)への登山の日である。 

 南大阪の自宅を妻と共に愛車エステイマで、午前8時に出発する。  

 走行する阪和自動車道や西名阪自動車道も、10月の三連休初日で、好天に恵まれているせいか、行楽を楽しむ車も多く、所々で渋滞が発生している。  

 この渋滞を抜けるのに15分~20分程度の時間を要した。 

 次の名阪国道も思った以上にスムーズに流れている。  

ところが名阪国道から東名阪道に入ってしばらく走行すると、今度は大きな渋滞が発生している。

渋滞の中、30分ほどの時間を要すして四日市ICに到着し、そこから、国道477号線に入って湯の山温泉方面を目指して行く。

 

 湯の山温泉は歴史的にも古く、養老2年(718年)淨薫和尚が薬師如来のお告げにより発見されたと伝えられ、傷ついた鹿が傷を癒したという伝説から別名 「鹿の湯」 ともいわれている。 

神経痛や外傷に効果的であることと、美肌の特効薬湯とのこともあって、美人の湯として女性に人気が高い温泉である。

 

 四日市ICからの国道447号をしばらく走行すると、湯の山温泉街の入口当たりに案内標識があり、右方向の鈴鹿スカイラインと呼ばれているドライブウエイに入って行く。 

 この道路は三重県と滋賀県の山岳部をつなぐ全長11.9mの道路で、良く整備されているがきついカーブが連続する。

 県境で標高800mの武平峠の下にあるトンネルを抜けると滋賀県側に達する。

 今回の御在所岳登山の幾つかのルートの中で、私たちは武平峠からのルートを選んで登山する予定であった。 

武平峠から頂上までは1時間40分、遅くても2時間もあれば十分に登れると考えていた。

  ところが、鈴鹿スカイラインを10分ほど走行すると 「全面通行止め」 の看板が見えてくる。 

 思いもかけない出来事に当惑するが、車を下りて、車を誘導しているガードマンに状況を確認してみると 

 「この道路は土砂崩壊でこれ以上進めない。 御在所岳登山は、近くの広場に車を止め、100m程先にある登山口から登りなさい」 

 とのことであった。 

 仕方なく予定を変更して中道登山ルートから登ることになった。

 この道は急坂な岩場が多く、2時間30分以上かかりそうなコースである。  

早速、登山準備を整え、午前11時30分、妻と二人で杖を持って登山を開始する。

鈴鹿スカイライン 「全面通行止め」 の為、予定の登山ルートを変更、急峻な登山道である中道ルートから登ることになった。

 

御在所岳の中道ルート登山口

 

 登山道の入り口には、入山届を出すようにと、届出用紙と筆記具が置かれている。 

必要事項を記入し、ポストに投函して登り始める。 

  登山道の上空には、御在所岳と麓の湯の山温泉を結ぶ赤いゴンドラのロープウエーが行き来し、

絶壁の岩壁の上に立つ御在所岳の山容と、中腹には、白い鉄塔が美しい姿を見せている。

御在所岳の山容と登山道の上空を走るロープウエーの赤いゴンドラ・白い鉄塔が美しい光景を見せている。

 

私は過去2回御在所岳には登っているがこのルートからの登山は初めてである。 

登り始めた直後から雨水でえぐられたような登山道や、ごつごつした岩が点在する登山道を登って行く。 

 

 ごつごつした石が転がって登山道を登って行く。

大雨の時などには川のようになるのか、谷のようにえぐられた登山道

 

 谷のような道を登っていると、今度は岩肌がむき出しになった場所に出てくる。

 一瞬、登山道が急に消えてなくなったように感じる。

 下から登ってきた青年が私たちを追い越し、難なく登って行く。

 妻が先に登って行くが簡単ではない。 

私が下から 「手と足の位置をと・・」 大きな声で指図しながら登って行く。 

 少し登ると、木の根が網のように地面に張り出し、それをしっかりと掴みながら登って行く。

大雨で登山道が崩壊、四つん這いになって三点を支持しながら崖を登って行く。

    さらに登って行くと、今度はごつごつした巨岩が点在する急坂の登山道に変わってくる。

急坂が続く登山道でこのような岩場を幾つか越えて登って行く。 御在所岳の堂々とした威厳と、麓の視界が一層広がってくる。

 

 少し登った行くと斜めに寄り添う様に倒れている奇岩が見え、岩と岩との間に、トンネルのような小さな空間が出来ている。 

それが登山道で、かなり背をかがめて通らないと、リュックが引っ掛かって通れない。 

 

二枚の板状の巨岩が重なり合うような姿のおばれ岩(負ケレ岩) この小さな岩間が登山道になっている。

折重なるような板状になった二枚の巨岩(おばれ岩=負ケレ岩)、どうして倒れないのか不思議である。

 

板状になった二枚の巨岩の間に出来た登山道をどうにかくぐり抜け、さらに登って行くと、おばれ岩の上に出てくる。

  そうすると、視界が一気に広がり、上空には御在所岳の絶壁に架けられたロープウエーの赤いゴンドラが行き来している。

その彼方に、槍ヶ岳のような美しい山容を誇る鎌ケ岳(標高1157m)が姿を現してくる。

 東側には伊勢湾や四日市市などの景観が見えているが、残念ながら少し霞んで見えている。

さらに急坂な岩場を四つん這いになりながら登って行く。 

今回の登山は平坦な山道がほとんどなく、このような岩場が連続して続く険しい登山道である。

四つん這いになって、三点支持をとりながら岩場を慎重に登って行く。

岩場を登って行くと展望台のような見事な眺望の場所に出てくる。 崖の上には単独登山の男性が、パノラマの眺望を楽しんでいる。

 

この辺りが5合目ぐらいに位置している。 

さらに登って行くと、今度は二つの岩の上の溝に斜めに乗った四角い岩が見えてくる。 

この岩が有名な地蔵岩である。 

どうしてこのように岩が乗っているのか! 自然にできたとは思えない・・・・不思議さがある。

自然に出来たものと思えないような四角い石が上に乗っている地蔵岩

どのようにすれば、このように石が乗せられるのか! 議論をしたくなる不思議な地蔵岩

 

地蔵岩を横目で見て通り過ぎていくと、今度は眼下に地蔵岩が見え、その後方には麓の街並みの景観が美しく見えている。

しばらく、休憩を摂りながらここからの眺望を楽しんだ後、登山道をさらに登って行く。

はるか彼方に御在所岳頂上が見えている。 右側は崖っぷちで足がすくむような深い谷になっている。危険を感じ左側の道を登って行く。

 

 危険な崖っぷちの登山道を通り過ぎ、少し登って行くと、岩場があり、下は崖になっている。

崖の下から数人の人達が四つん這いになりながら登ってくる。 

ここも危険な場所で、 もし落下すれば数十メートルの谷底に落ちて行きそうで足がすくんでくる。

 崖下からは、我々の気持ちとは裏腹に、家族連れで小学校の低学年と思われる男の子が、親の指示のもとに、

鎖を持ったり、どの岩場に手足がかけられるのか、模索しながら難なく登ってくる。 

子供といえども相当熟練しているように感じる。

 私たちもこの家族が登りきった後、降りようとすると体が緊張してくる。 

バックになって三点支持する場所を探しながら降りて行く。 

下を見ると恐怖が湧いてくる。 

見ない様にして手足を動かしていると、どうにか降りることができた。

 下まで降りると今度は急坂の登りに変わってくる。

岩場(キレット)を登ってくる子供連れの人達、子供は難なく登りきってしまう。

岩場のキレット、中道登山道を登ってくると、この岩場の上に出てくる。 頂上に行くためには必ずこの岩場を通過しないといけない。

岩場に屋鎖やロープも張られているが、一瞬緊張する。

このキレットを通過して林に囲まれた登山道を登って行くと、絶壁の中に出来た大きな岩場に出てくる。 

この岩場を横切り、大きな石段のような場所を降りていく。 

高さのある岩場には、鎖やはしごが架けられ、それを支えにして降りたり、横に進んで行くと、通常の登山道に出てくる。

ここからのパノラマの光景は抜群であるが、我々には緊張感の方が大きく、ゆっくりと眺望に浸っている余裕はなかった。

絶壁の岩場に出来た登山道、鎖やはしごなどで支持しながら、大きな岩場を右に左に体を変え、少しずつ降りていく。

前からは、数人の男の親子が通り過ぎて行く。

 絶壁の岩場には鎖が取り付けられ、登山道を登ったり降りたりして進んで行く。

鎖の付いた岩場で行き交う家族連れのグループ、元気よく下山して行く。

間もなくの紅葉の季節では、鮮やかな色の樹木が登山者を癒してくれる。

湯の山温泉街方向の東側の景観 

登山道のすぐ横を走るロープウエー、絶壁の上にある岩が 「大黒岩」 高さ10mもある。

 

絶壁の中に出来た岩場を緊張しながら通り過ぎて、急坂の登り坂を登って行くと、ようやく平坦な道に出てくる。

すると、目の前には展望台があり、行ってみると大パノラマの絶景が広がっている。 

ここが大展望の富士見岩である。 

 時間も午後3時丁度であった。 登りはじめてから3時間30分を要している。

頂上部分の平坦地にある富士見岩 眼下の麓には湯の山温泉街や麓の街並みが見えている。 天気が良ければ富士山も見える。

御在所岳の南側に位置し、美しい山容を見せる鎌ケ岳(標高1157m)

頂上部にある中道ルート下山口やロープウエー駅方面・御在所岳頂上方面の分岐点になっている。

 

富士見岩からの大パノラマの眺望を楽しんだ後、私たちは御在所岳頂上方面への道を選んで進んで行く。 

5分ほど林のなかの舗装された道路を進んで行くと、

正面に展望台とスキー場などの施設、その上にある御在所岳頂上(1212m)が見えてくる。

北側には国見岳(1165m)の山容が見え、その奥には鈴鹿山脈の山峰がうっすらと霞んで見えている。 

御在所岳の頂上部分は山上公園として整備されている。

 

スキー場の上にある御在所岳頂上(標高1212m)

湯の山温泉と御在所岳にある山上公園は、赤いゴンドラのロープウエーで12分で結ばれ、ロープウエーを降り立つと、そこは素晴らしい眺望が広がる山上公園になっていて、四季を通して訪れる人達も多い。

 山上公園内には、レストランや自然学校、スキー場などの施設があり、

ロープウェー駅から乗り継ぐとリフトで御在所岳頂上までハイヒールやスーツの服装で行くことも出来る。

 

頂上にある山上公園広場で、ボール遊びなどをして楽しむファミリー

山上公園で手洗いや休憩を少しした後、綺麗に整備された道路を頂上に向かって歩いて行く。 

頂上への道路からは、南側に鎌ケ岳が見え、

御在所岳頂上部の延長線上には、長者池や御岳権現などのある山上公園の美しい風景が見えている。 

晴れていれば琵琶湖などが眺望できますと 書かれているが、この霞では望みようがなかった。

御在所岳頂上への平坦な道を、周りの景色を楽しみながら進んで行く。

20分ほど進んで行くと御在所岳頂上への最後の石段の下に出てくる。 この石段を登りきった所に頂上がある。

私どもは疲れも知らず頂上を目指してゆっくりと石段を登って行く。

石段を一段一段登って行くと話し声が聞こえ、登るに従ってこのような光景が目に入ってくる。 午後3時50分頃であった。

 とうとう頂上にたどり着くことができた。

 私どもにとって御在所岳登山は、過去にない厳しさの登山であった。 

特に妻にとっては厳しかったようで、急坂の登山道に危険なさまざまな岩場越えが、一難去って、また一難やってくるような登山であった。 

どうにか無事に頂上にたどり着くことができた。 

眺望は、霞がかかり視界がはっきりしないのが残念であるが、

ここからの大パノラマの眺望も格別で、疲れもいっぺんに飛んでいくような爽快な気分であった。

御在所岳(標高1212m)の頂上部に建てられている一等三角点の碑

御在所岳頂上部も山上公園の中にあり、三重県と滋賀県の県境になっている。御在所岳一帯も鈴鹿国定公園に指定されている。

御在所岳頂上からの南西の眺望 長者池や御岳大権現などがある。

時間があればゆっくりと散策などして楽しみたいと考えていたが、残念ながら頂上からの眺望だけに終わってしまった。

今回も頂上から歩いて下山する予定であったが、通行止めと、思いもかけない急坂で予想以上に時間がかかってしまっていた。 

この時間帯から下山すると、麓の登山口まで日没を過ぎる可能性が高くなっていた。

 念のために懐中電灯などは準備しているが、険しい岩場の登山道は日が落ちてしまうと危険であった。 

妻と相談して、頂上からリフトで乗り継ぎロープウエーで下山することにした。

御在所岳頂上からロープウエー乗り場まではリフトが運転されている。 ロープウエーの時間もあり、リフトで下山する。

 

リフトの降り場とロープウエー駅は同じ建物内にある。 

着いてから少し時間があった為に、駅の上にある展望台(朝陽台)に行って見ることにした。

ロープウエー山上駅の上にある朝陽台。 レーダー雨量計や御岳神社などがあり、ここからの360度の眺望も、また、抜群である。

朝陽台の石仏から御在所岳頂上方向を望む。

朝陽台で過ごせる時間は10分ほどであった。

360度の眺望が望める場所でもあるが、

日は西に傾き、夕日が楽しめるような時間帯で、登山中に見えていた麓の眺望も霞んで見えにくくなっている。 

それでも一通りの見学を終え、ロープウエー乗り場に急いで向かって行く。

御在所岳山頂駅の赤いゴンドラ、別名パノラマロープウエーと呼ばれている。 高低差780mをわずか12分で結んでいる。

ロープウエーコンドラから見た、先程登ってきたキレットの険しい岩場、キレットを右側から降りて、左側に登ることになる。

 

御在所岳は、ロープウエーからの眺望も抜群で、

これからの紅葉の季節には、大小の岩と紅葉した樹木のコントラストが有名な紅葉の名所である。

あまりにも鮮やかなために撮影さしてもらった。 ロープウエー駅内の御在所岳ロープウエーのポスター

 

ゴンドラの窓から見る奇岩や森、ロープウエーの中ほどに建つ白い鉄塔の美しさも、周りの景観にうまくマッチして抜群に見える。

 麓に見えていた温泉街の建物が、だんだん近くに見え始めた頃、湯の山温泉駅に到着する。

湯の山温泉駅から中道登山口まで歩いて戻らなければならない。 

30分ぐらい舗装された車道を登って行くとようやく駐車場に到着する。

到着してすぐに車を動かし、日帰り温泉を目指して走行して行く。

愛車で5分ほど行った所で、日帰り入浴もできる、

三重県勤労者福祉センターが経営する希望荘(宿泊施設)の温泉施設が見つかった。

高層建築と建物の美しさの希望荘に到着すると、4階の温泉施設に案内され、料金500円を支払って入って行く。

伊勢湾が見渡せる所に露天風呂が造られている。 

ここからの四日市方面の淡い光を放つ夜景を楽しみながら、温泉に浸っていると、

登山の疲れを癒してくれると共に、心身をリフレッシュしてくれる。 最高の気分であった。

妻と待ち合わせた一時間後には、入浴を終え、温泉施設から30分ほどの場所にある、永年の友の家に向かっていた。

今夜は久しぶりに会う友と杯をかたむける楽しさが自然と湧いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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