きふブロ!KIF・熊本市国際交流振興事業団のブログ

What's “きふブロ”?→KIFのボランティア、インターン、スタッフが綴る楽しい、ちょっと為になる国際交流のブログ!

特別な教育課程における子どもへの日本語教育

2014-08-23 21:19:25 | KIFスタッフ の つぶやき

  今年1月に特別な教育課程が制度化され、日本語に通じない児童生徒に対し、
初等中等学校は、年間10時間~280時間程度の日本語教育を行わなければならない、
となった。 
 それまで、制度化されておらず、「日本語教育をしている地域」と「していない地
域」で大きな格差があった。

 外国籍、帰国児童・生徒の学校教育環境における教育保証において大きな一歩
である。 

 この特別な学校教育課程で示されたことは、学校教育の範囲の中で行わなければな
らない。すなわち、教員免許を持つ人が教授しなければならない。加配教員を雇用す
る場合... 例えば、教員を退職されたベテランの方などになる...
 また、最終は、日本語の分かる児童・生徒たちと一緒に学んでいくこと、楽しい学
校生活を送ること、が想定されていることから、完全な外国人学校の仕組みとは
異なる。

 学校教育であるので、各対象となる児童生徒へ個別の指導計画書が作成され、
それぞれの情況が違うことから、きめ細かな対応がなされなかればならない...

 これまで、子ども教育が、ボランティア支援者個人にかかっていた点が、今後は学
校としての組織が責任を持たなければならないということである。 
 これにより、教育の質の格差がなくなっていくことが期待できる。

 でも、まだまだ、始まったばかり、まずは、学校側の特別な教育課程への理解とど
のように対応していくかと意識が必要になるだろう..

 外国人の日本での教育保証について、大きな一歩であることに間違いないと感じる。

 一方... 大人の日本語...生活者としての日本語については、地域日本語教室展開
で、ボランティアの方々に大きな期待がされている現状がある... 

 日本語に通じない、子どもの日本語と大人の日本語の各サポートについて、整理し、
受け入れる地域社会の責任としての施策が検討される必要があるだろう。



フィリピンでの熊本のNGOの活動

2014-07-21 12:07:32 | KIFスタッフ の つぶやき
 現在(2013年末、入国管理局データ)、熊本県に在住のフィリピン国籍の方の人数は1361人となり、熊本県の外国人数9693人の14%を占め、中国籍の方の人数に次いで2番目に多い在住外国人となります。在留の目的は日本人の配偶者が多く、国際結婚によるお嫁さんです。 また、日本国籍へ帰化された方、また日本人男性との間の日本国籍の子どもたちを考えるとフィリピンにルーツを持ち方々がさらに多くなります。

 日本での在住外国人数はピーク時よりリーマンショック、東日本大震災の影響で、2、006、445人(2013年末、入国管理局データ)へ減少していますが、フィリピン国籍の方々は、209、137人とブラジル国籍の方々の人数を抜いて、中国籍、韓国・朝鮮籍に次いで3番目に多い国籍となりました。

 熊本に来られたフィリピン国籍の方々は、言語や文化の違いから、日本の家庭環境になかなか溶け込めなかったり、子どもが生まれ成長する中では日本の学校制度が分からず子どもとの関係に悩んだり、色々な課題を直面しながら生活をされていました。

 今回、フィリピンでの熊本のNGOの活動として紹介する鈴木明郎さんは、熊本での暮らし方に悩むフィリピンをはじめ在住外国人の方々をサポートされていました。
 そのような中、課題を抱えながらフィリピンには帰国される方もおられました。また、現地には、日本人男性との間に生まれたフィリピンの子どもたちも多く、2004年に、日本―フィリピン友好子供の家を設立されました。

鈴木さんよりメッセージが届きましたので、紹介します。

2004年4月にNGO「日本-フィリピン友好子供の家」を始めて今年で11年目になります。
開始当時は日本語を学ぶ希望者はせいぜい数十名だったが、今では100名を越えるようになりました。約2ヶ月間の夏期日本語ワークショップは今年も希望者が多く札止めしなければならいほどでした。
 これも皆様のご協力の賜物です。特に、日本語ボランティアとしてご苦労いただいた皆様には感謝の言葉もありません。これまで、日本語ボランティアをしていただいた人は3回目、2回目の人を含めて延べ28人になります。10年間、途切れることなく繋いでくださったボランティア教師の皆様一人、一人の力によるものと心から感謝しています。

 6月1日(日)に10周年祭を開きました。この10年間の神様のお恵みに対する感謝ミサをFr. Joey S. Demoyの司式で行うことが出来ました。デモイ神父には約25年前にフィリピンの人々との交流のきっかけを築いていただきました。以来、様々な形でサポートしていただいています。この間、神父様は約10年ウイ-ン(オーストリア)でフィリピン移住者の司牧をされ、5年ほど前にフィリピンに戻られました。

10年祭には約150名の人々が集まりました。夏期日本語ワークショップ参加者を初め、ホームステイ等お世話になったパラパラ村の方々も大勢来ていただきました。二十数年前のことを忘れずに楽しい一時を過ごすことが出来ました。何と表現したら良いのか?ホームステイ先の子供さん(当時5歳ぐらい?)が日本男性と結婚して、その娘さんと一緒にハウスに日本語を習いに来ていました。感慨深いものがありました。

 私ごとで言えば、開校3年目を目前にして、脳梗塞で倒れました。医者である息子に妻は再起不能と言われ、私も覚悟しました。それでも11年目を迎えることが出来ました。ただただ、お恵みに感謝あるのみです。人生の予測不能性を実感しています。これを神の摂理と言うのでしょう

以上...

 熊本で、そして上記のとおりフィリピンで、人と人をつなぎながら、フィリピンで日本にルーツを持つ子供たちの支援、それも日本語をとおして地道に行われている鈴木さんの姿に感動します。

 ただ、最近、グローバル化の影響もあり、新しい課題も出てきているとのことです。

鈴木さんより:
 ハウスに相談に来る人は絶えないが、いつもの日本人男性との夫婦間・子供のことの他に驚かされることが多くなりました。
 ホームレスになっている日系人がいるが日本の家族・親族に見捨てられている。本人(日本男性)からの電話で数年不法滞在になっているが、何か良い方法はないかとも聞かれた。更に、日本人の母親から生まれたフィリピン国籍の50代の男性が母の国に住みたいと言っていた。
 そんな中で、気になるこがあった。日系の子供を持つ二人のフィリピン女性は、日本大使館がNPO等の代理人を通して申請すれば日本に行く手続きがかなり簡単に出来る(未確認)と言っているので、ハウスで日本語を勉強したいと希望していた。そんなに簡単ではなかろうと不審に思ったが、先日のTVで「外国人労働者受け入れの拡大策」を見て、業者は先取りしているのだと理解した。日本の労働者不足は将来的にかなり深刻になると予測されているのだろう。豊かになりつつあるアジアからの労働者に期待しているのだろうが、何時までも小手先の外国人入管政策ですむとは思えない。外国人労働者を含む抜本的な移民政策を考えなければ将来が心配です。

以上...

 移民について小手先の需要だけでなく、少子高齢化が進む情況、外国人は介護や福祉分野はもちろん、農業など地域産業の担い手にもなりうる住民としての受入を検討することが重要であると思う。異文化と交わることで地域の活性化も期待できる。「多文化パワー」が地域再生につながる可能性もある。 定住外国人は増え、日本は
彼らを必要としている。
 地域は〝移民〟として彼らを受け入れる意欲が必要な時代だ。


欧州連合(EU)について

2014-06-22 17:04:56 | KIFスタッフ の つぶやき
 6月11日に熊本欧州倶楽部のセミナーが開催され、EU駐日代表部広報部次長 
エリック・ハーメリンク二等書記官がご講演をされました。

 欧州連合とは、EUということで良く耳にする言葉だと思いますが、各国家との
関係はどのようなことであろうなど、その実態は曖昧としているのではないで
しょうか。

 EUとは、独特な経済的および政治的協力関係を持つ、欧州の28の民主主義国家
の集まりとなります。
ベルギー、
フランス、
ドイツ、
イタリア、
ルクセンブルク、
オランダ、
デンマーク、
アイルランド、
英国、
ギリシア、
ポルトガル、
スペイン、
オーストリア、
フィンランド、
スウェーデン、
キプロス、
チェコ、
エストニア、
ハンガリー、
ラトビア、
リトアニア、
マルタ、
ポーランド、
スロベニア、
ブルガリア、
ルーマニア、
クロアチア、
(加盟順)

 EUには5億人の欧州市民が暮らしており、平和と繁栄と自由が保障されている。
欧州では、多くの紛争がありましたが、それらの紛争は本当に人の繁栄にとって
無意味なものであり、EU全体として、世界の平和を達成していきたいという
願いを持っています。

 欧州各国に加え、全体欧州として、EUを運営し、EUの法律が制定され、様々な
機能が作動しています。 正に多文化共生社会の良い例と言えます。

 EU内ではユーロという共通通貨があり、加盟国の18ヶ国が採用しています。
英国などユーロの他、自国通貨を使用している国家もあります。

 言語が、EU内に公式言語が24言語あり、EUの会議は24言語で開催されます。
EU内の人たちは、複数言語を話される人が多く、英語は85%以上の高校生
が話すことができます。(これだけの言語保障がされている地域というのは、
他にはないのではないでしょうか..)

 欧州の各国内で経済格差があることは事実ですが、EUでは長期的な視野に立ち、
各国家の人たちが平等に暮らしていける社会の構築を進めています。

 正に、緩やかな外交関係の中、それぞれが豊かな国家へ発展していくための
連合であり、アジアにおける領土問題解決へのヒントを多く含んでいるのでは
ないかと思います。 また、移民問題など今後の多文化共生社会を考えるための
先駆的なモデル社会ということができるでしょう。

EUは40周年を迎えます、さらに、EUとの交流、そして共に学んでいきたいと
思います。


ボランティア研修会

2014-02-09 12:26:32 | KIFスタッフ の つぶやき
 2月8日(土)、国際交流会館で、KIFボランティアの方々へのボランティア研修会を開催しました。
 
 少子高齢化や経済格差、まさかの災害時の最小限に被害をくい止め、誰にでも暮らしやすい社会を構築するには、人と人のつながりをこれまでに以上に大切にすることが必要となります。そこには、社会のために自分のできる活動をするボランティア精神を社会のみんなで共有、実践することが重要です。
 一方、国際交流会館では、平成26年度から新しい5年間のビジョンとして、
   「国際交流会館を拠点に、
      人と人をつなぎ、
         豊かな熊本の未来を創造する。」を掲げ、
               より一層、社会での多様な連携を図っていきたいと考えています。
 
 このような経緯、そして、そのスタートにあたり、継続を大切にしつつ、ボランティア活動について、初心を振り返り、今後を考えることを目的に本研修会が開催しました。 
 講師はKIF多文化共生アドバイザーの長岡市国際交流センター長 羽賀友信氏、講演では、「社会のあり方」、「災害時に必要とされるボランティア」、「社会の周期、変化」、「避難所」、「社会を支えるボランティア精神」、通事性と通時性」、「ボランティア活動における心得(大切なこと)」をお話しいただきました。 各項目は、SMS、KIFサポーターズeニュース等で発信していく予定です...

 学び多き研修会となりました。



エクサンプロバンスデー

2014-01-19 10:18:22 | KIFスタッフ の つぶやき
 1月18日(土)、国際交流会館で、1月の海外友好姉妹都市月間の一環として、フランス エクサンプロバンスデーが開催されました。
 エクサンプロバンス市と熊本市は、昨年2013年2月に国際交流協力都市の盟約を締結し、文化活動をとおした交流を発展させていくことが期待されています。
 文化交流として、能楽師の狩野琇鵬氏による能楽堂のエクサンプロバンス市への寄贈がありますが、その発端は1980年にスタートをしました。 
 エクサンプロバンスデーでは、この長い交流を、狩野琇鵬氏に振り返っていただきました。

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 エクサンプロバンス市でのオペラ祭に出られたこと、1984年の能舞台の寄贈では、ヨーロッパ唯一の常設の能楽堂ができたこと...  狩野氏が感じられた交流が発展して来た大きな理由の一つにフランスという国、フランスの人たちが、能という異質な文化を受け入れて、お互いの文化を大切の育ててきたことにあるとのことです。

 熊本の能は歴史も古く、加藤清正公時代に始まり、その伝統が今日に受け継がれています。 動のイメージが強い「ジャンヌダルク」を静の能で表現をされました。 人の心の裏側、熱い気持ちを、静かな舞で表現をしていく。心の奥深くにあるものを静なる動きで蘇らせていく... 能の魅力があり、この文化を分かち合うことで、人と人の交流が、今後も両市間で育っていくことでしょう。

 1月は、国際交流会館1階エントランスロビーで、エクサンプロバンス市に加え、熊本市の海外友好姉妹都市、国際交流協力都市に関する情報パネル展示が開催されています。 是非、お出かけ下さい。

 2月には友好姉妹都市紹介の第2弾として、15日にハイデルベルクデーが開催されます。こちらも要チェックです。