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ガンを血液中の遺伝子成分分析で判別する手法を開発

2023-01-04 10:53:01 | 健康・医療
最近「線虫」を用いたガン検診のCMを時々見かけますが、この方法はこのブログでも取り上げています。

私はこの歳になるまでガン検診を受けたことがなく、胃のバリウム検査さえやっていません。これはバリウムが実験に使う化合物であり、これを飲むという事に抵抗があり色々な理由を付けて健康診断でも逃げていました。

近年こういった新しいガンの検査法の開発は進んでいますが、慶應義塾大学は血液中に含まれる遺伝子の成分を分析して、13種類のガンの種類を高い精度で区別できる手法を開発しました。

1万6000例以上の血清のマイクロRNAを分析し、ガンの種類を人工知能(AI)に予測させる方法で、9割の確率で正しく診断できるようです。

乳ガンや前立腺ガンなどの固形ガン9921例、ガンでない事例5643例、良性疾患の626例の血清のマイクロRNAを解析し、全体の8割に相当するサンプル数でマイクロRNAのデータを機械学習させ、2割のデータでガンの種類を予測しました。

診断予測の精度は全ステージで88%、早期診断につながるステージ2までで90%の高い精度が得られました。

ガンは国内の死因の1位で、全死亡者数の4分の1を占めています。その死亡者数を減らすために簡便な早期診断技術として、多種類のガンを一度に調べられる検出手法に注目が集まっています。その検出に使う血液中の物質の候補としてマイクロRNAが挙げられます。

体内で腫瘍が小さい段階からマイクロRNAの分泌が始まることから、従来の腫瘍の目印分子よりもその変化が血中に現れやすく、ガンの早期診断に適していると考えられています。

このマイクロRNAがなぜガンの時に血液中に出てくるかなどの専門的なところは省略しますが、新たな簡便なガン検診法になることは確かなようです。ただこの分析方法が一般化して実用化されるかは大きな壁があるような気がします。

血液検査によってガンを診断する手法としては、20年も前にガンマーカー(腫瘍マーカー)が開発されています。しかし色々制度などの問題があるようで、前立腺ガンのPSAというガンマーカーでの検査だけがやっと実用化されたにすぎません。

いまだにガンの種類によって異なる従来の検査法が使われており、ガンマーカーという指標があるにもかかわらず日の目を見ていないという状況です。

前述の線虫によるバイオアッセイもほとんどの医師が取り上げていないため、テレビCMというような手段に訴えているのかもしれません。

医師が保守的であると片づけられる問題ではないのですが、このマイクロRNA診断も学会で認められ実用化するまでにはかなりの時間がかかるような気がします。特にAIが診断するというところに一般化するためのネックもありそうです。


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