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ヒトはなぜ老いるのかその仕組みと可能な対策

2023-04-05 10:33:10 | 健康・医療
週に1回テニススクールに行っていますが、この時が最も老いを感じるようになってしまいました。

この老化は睡眠と並んでヒトの生物学の根本的な謎のひとつとされています。身体はなぜ衰え、細胞はなぜ分裂をやめ、内臓はなぜ病気にかかりやすくなったり機能が低下するのでしょうか。

この明確な答えは出ていませんが、大きく分けて2つの学説があります。ひとつ目が身体の組織に長年かけて蓄積された傷みや摩耗のせいで老化が進むという説です。

細胞に老廃物が溜まりバックアップシステムが壊れ、修復のメカニズムが徐々に崩壊して古い自動車のようにガタが来るだけという説です。これは納得できますが、ヒトは新陳代謝をしており常に新しい細胞になっているはずという見方もあります。

2つ目の説は、遺伝子が老化を促進しているというものです。生物にはそれぞれ種によってタイムテーブルの異なる分子時計があるという説です。生殖期を過ぎると自然選択の効果が大幅に下がり、進化とのかかわりが薄くなると生物学者たちは指摘しています。

身体が持てる資源を繁殖に投入した方が有利なら、長期的なメンテナンスに残される分はおろそかになります。老化のプロセスは、体の最小単位である細胞から始まります。なぜ細胞が老化するのかについてはさまざまな意見が対立していますが、そのメカニズムが明らかになってきました。

1960年代初期に、生物学者は培養された細胞が平均50回分裂し、その後分裂を止めてしまうことを発見しました。この数字をヘイフリック限界と呼ばれています。

幹細胞とガン細胞を除いて、この限界はすべての人間の組織に当てはまり、年齢が上がると細胞の分裂回数は少なくなります。これを説明するものとしてテロメアが出てきました。テロメアとは染色体の末端を保護する部分で、染色体が傷ついたり他の染色体と融合するのを防ぐ役割を持ちます。

細胞が分裂するたびにテロメアにあるヌクレオチドが50〜100個失われ、テロメアは短くなります。これ以上短くなれないというところまで来ると、細胞は分裂をやめてしまいます。

また幹細胞などの不死の細胞においては、テロメアが分裂するたびにそれを修復するテロメラーゼと呼ばれる酵素が働いていることも明らかになりました。ではこのテロメラーゼを投与することで老化を防げるかというと、あまりそういう報告はありませんが無理といえそうです。

一般に酵素は必要なときに合成され、使用後すぐに分解されてしまいます。最近の研究では、適度な運動や野菜中心の食事、ストレス発散法の実践などを含む健康的な生活を送っている人の場合、テロメアの長さが平均10%長いことが報告されています。

結局健康的といわれる生活を送り、老化は自然の摂理として受け入れるしかないような気がします。


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