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脳腫瘍の多様な症状

2020-09-25 10:32:54 | 健康・医療
脳腫瘍は脳のガンといわれますが、多くは良性で「脳ガン」とは呼びません。

しかし高齢化に伴い、悪性脳腫瘍が増えつつあり、身体のガン細胞が血流に乗って脳転移するケースも増え、全体の患者数が増加しているようです。

私のかみさんの友人も数年前に脳腫瘍の手術をして、現在も元気ですので良性であり、こういった脳腫瘍は思ったより多いのかもしれません。

頭蓋内には脳や神経、髄膜などさまざまな組織があります。これらの組織にできる腫瘍のことを総称して脳腫瘍といいますが、大きく分けて原発性と転移性の2種類があります。原発性脳腫瘍は、頭蓋内の組織から発生した腫瘍です。

良性と悪性があり、良性は脳を覆う髄膜や下垂体、神経など脳以外にできるもので、髄膜腫や下垂体腺腫、神経鞘腫などの種類があります。また悪性の脳腫瘍は、脳そのものにできるもので、神経膠腫(グリオーマ)や中枢神経原発性悪性リンパ腫などがあります。

脳腫瘍のうち75%は良性であり、手術ですべてを摘出できれば再発もなく、腫瘍によっては経過観察で済むものもあります。全体の25%は悪性で、進行が早く再発率も高く、最も悪性度の高い膠芽腫は5年生存率が約16%となっています。

2016年のガン統計によれば、悪性脳腫瘍の年間患者数は約6000人となっています。転移性脳腫瘍は脳以外の身体にできたガンから、ガン細胞が血流に乗って脳に到達し転移したものです。

ガン患者の約10%が脳転移を起こすといわれており、患者数は約10万人を超え原発性と比べて圧倒的に多くなっています。脳に転移する原発ガンは肺ガンが半数以上を占め、乳ガン、大腸ガンと続きます。

脳腫瘍では、腫瘍ができた場所によって出る症状が異なります。頭痛や吐き気、意識障害のほか、けいれん発作やてんかん、手足のしびれや麻痺、視力や聴力、発語、記憶などの障害、気分の落ち込みなどさまざまです。

また近年脳ドックなどの普及に伴い、全く症状のない腫瘍が見つかることも多くなりました。脳腫瘍の検査はCTやMRIなど行いますが、最終的な確定診断は手術で採取した腫瘍組織の病理診断や遺伝子診断によって行われます。

脳腫瘍の治療は、手術、放射線治療、薬物治療が基本となります。治療の選択や組み合わせは原発性か転移性か、またグレードによっても異なります。

脳腫瘍の手術は、脳の機能を損なわず安全に最大限取ることが非常に重要で、術中の脳波・筋電図モニタリングや術中MRI、手術ナビゲーション、覚醒下手術などが行われます。通常薬物治療は、良性腫瘍には無効なため行われません。

脳腫瘍には有効な予防法がありませんので、早期発見が重要ですがなかなか難しい問題のようです。


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