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原因不明の「蕁麻疹」効果の高い治療薬も登場

2022-09-06 10:29:41 | 
蕁麻疹(じんましん)というと、身体全体あるいは軟らかい部分に発疹ができて非常にかゆい病気です。

私は若いころタケノコを食べてひどい蕁麻疹が出たことが2,3回あり、それ以来タケノコを食べなくなり蕁麻疹が出ることもありません。ずいぶん昔ですので、タケノコがアレルゲンであることを調べたりしていませんが、いまさら確かめる気も起きていません。

このように蕁麻疹は原因がはっきりしているものと思っていましたが、複数の要因が絡み合って生じるケースが多く、7割が原因不明となっているようです。

単に食物アレルギーやストレスと考えがちですが、蕁麻疹の7割は原因不明の突発性蕁麻疹で、5割が症状が6週間以上続く慢性突発性蕁麻疹となっています。

原因が特定できれば、それを避けることが最大の蕁麻疹対策になり、特にアレルギーによる蕁麻疹の場合アナフィラキシーショックという命に関わる症状を回避するために、アレルゲンの特定は重要です。

ただし基本的には原因を特定できる可能性は低く、原因を探すためのさまざまな検査を行うのは推奨されていません。治療は段階的に行われますが、第1ステップが抗ヒスタミン薬で、眠気が少ない第2世代の抗ヒスタミン薬が使われます。

2週間程度様子を見て効果が不十分なら、薬の量を増やすか別の抗ヒスタミン薬に替えるまたは追加します。それでも効果が不十分なケースは第2ステップに進み、ロイコトリエン拮抗薬やH2拮抗薬(H2ブロッカー)、ジアフェニルスルホンを補助的に用います。

ただしロイコトリエン拮抗薬は鼻炎に、H2拮抗薬は胃痛や胃もたれに使われるクスリで、蕁麻疹には保険適用外となります。抗ヒスタミン薬+第2ステップで6〜7割くらいが改善するそうです。

これでコントロール不良の患者には第3ステップとして、免疫抑制剤のシクロスポリン、経口ステロイド薬、および2017年に保険適用となった生物学的製剤であるオマリズマブが選択されます。

日本皮膚免疫アレルギー学会の調査でも、慢性突発性蕁麻疹で第2ステップでも効果が不十分な患者には、オマリズマブを用いる医師が多いという結果が出ています。

現在国内外で蕁麻疹の新たな薬の研究が活発に行われており、オマリズマブとは作用機序が異なる分子標的薬など何年か後には新薬が登場しそうです。ただ問題はこういった生物学的製剤は非常な高価なことで、日本には高額医療制度もありますが患者の負担は大きくなるようです。

蕁麻疹は簡単な病気と考えていましたが、予想外に治り難い病気のようです。それでも有効な薬が次々出ており、治療法も確率できているといえそうです。



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