ごっとさんのブログ

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人命を奪う「キラーストレス」のはなし

2020-05-27 10:27:20 | 健康・医療
現在は外出自粛が続き、ストレスの種がそこら中にあふれています。多くの人はこうしたストレスが心身に及ぼす影響を軽視しがちです。

ストレスはある条件が重なることによって、人命を奪う「キラーストレス」となることが最新の研究で分かってきました。

ストレスがかかると脳の偏桃体が活動し、副腎に指令を送ってストレスホルモンを分泌します。そして心拍数増加、血液凝固促進、血圧上昇といったストレス反応を引き起こします。

これは人類が狩猟をしていたころ、天敵と戦ったり逃げたりするときに身体を瞬時に動かしたり、怪我をしたときに素早く血を止めたりするための機能だったようです。それが現代では「もともと身体を守るための反応」が、「体を痛めつける反応」となってしまっているのです。

ストレスを単体で受けるとストレス反応はやがて収まりますが、複数のストレスを連続的に受けるているとストレスホルモンの分泌が止まらず、心拍数のほか血管が自律神経で締め上げられ、血圧が異常に上昇します。

その結果動脈破裂や脳出血などを起こす危険性が高まるといいます。さらに心臓を動かす筋肉の血液量も減少して動きが鈍ることから、心不全に陥る可能性も出てきます。

ある研究結果では、免疫にかかわる遺伝子がストレスホルモンによって活性化すると、ガン細胞を攻撃する免疫細胞の機能が止まり、ガン細胞が増殖し続けるといわれています。

また口腔内細菌が何らかの原因で血管壁に入ることがあり、ストレスホルモンの働きで、血管壁に入り込んだ血中の鉄分は細菌の栄養となります。そこで細菌が大増殖し、血管壁を突き破り突然死を招く危険性が示唆されました。

このようなキラーストレスに関連し、アメリカ心理学会では5つのストレス対策を掲げています。ここではそのうちの運動を取り上げ、単純に運動でリラックスできるだけではない効果を示します。

運動をすると脳の延髄にある神経細胞の突起が減少し、偏桃体から副腎への指令が抑えられストレス反応の暴走を阻止できるとのことです。つまり運動によって脳自体が変化することが、科学研究により解明されています。

このようなキラーストレスという事は全く知りませんでしたが、どうも私はストレスを受けにくい体質のようです。元来楽観的であるとよく言われてきましたが、他の人が悩むようなことでも、何とかなるだろうとあまり気にしませんでした。

ですからストレスについては、あまり実感できていないのですが、このようなキラーストレスがあることは何となく理解できました。