夕方に一本の電話。
よじのぼるたびに突き落とされるいつもの繰り返し。
離乳食の人参をすり鉢ですりながら考える。「結局私はこのお椀のふちにつかまることは
できても、ここから出られることはないんだな」と。
青をおぶって、つばさの手をひいて、福星を探すついでに散歩にでかけて気分転換を
はかるけれど、もう桜もきれいには見えなかった。
飲み込んだ言葉たちが「ここから出せ」って言ってる。
ごめん、出すところがないんよ。
じゃあ、ぶつけてみる?そしたら崩壊や。
自分の生まれ育った家で、自分の親が死んだのを見た娘の気持ちなんてどこにも行き場所がない。
乳飲み子を抱っこしておんぶして死んだ父親の隣に乗り込まされて、助手席に座る母に「代わって」
と言えなかったことが何度も何度も何度も何度も繰り返し思い出されて涙があふれてくる。
言いたいことが山ほどある。「寂しい」と言って泣く母。
受話器を耳から離して相槌をうつ私。どっちが限界なんだろうか。
海も空も星も花も風もなぐさめてはくれるけれど、解決にはならない。
一人で飲んでも意識はクリアになるばかり。置いてけぼりの気持ちはどこにもいけずたまるばかり。
私はいつも一言多いらしい。
それが本音なんだけど、その一言があまりにもどす黒くていろんな人を傷つけてきたのだろう。
自分でもわかっている。沈黙という抵抗。長い反抗期は終わりそうにない。
よじのぼるたびに突き落とされるいつもの繰り返し。
離乳食の人参をすり鉢ですりながら考える。「結局私はこのお椀のふちにつかまることは
できても、ここから出られることはないんだな」と。
青をおぶって、つばさの手をひいて、福星を探すついでに散歩にでかけて気分転換を
はかるけれど、もう桜もきれいには見えなかった。
飲み込んだ言葉たちが「ここから出せ」って言ってる。
ごめん、出すところがないんよ。
じゃあ、ぶつけてみる?そしたら崩壊や。
自分の生まれ育った家で、自分の親が死んだのを見た娘の気持ちなんてどこにも行き場所がない。
乳飲み子を抱っこしておんぶして死んだ父親の隣に乗り込まされて、助手席に座る母に「代わって」
と言えなかったことが何度も何度も何度も何度も繰り返し思い出されて涙があふれてくる。
言いたいことが山ほどある。「寂しい」と言って泣く母。
受話器を耳から離して相槌をうつ私。どっちが限界なんだろうか。
海も空も星も花も風もなぐさめてはくれるけれど、解決にはならない。
一人で飲んでも意識はクリアになるばかり。置いてけぼりの気持ちはどこにもいけずたまるばかり。
私はいつも一言多いらしい。
それが本音なんだけど、その一言があまりにもどす黒くていろんな人を傷つけてきたのだろう。
自分でもわかっている。沈黙という抵抗。長い反抗期は終わりそうにない。