旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

子どもが子どもになってゆく

2018年03月02日 22時09分59秒 | 淡路島のこと
3月になって星が保育園に通い始めた。ありがたい。
島に幼稚園はなく、すべての子どもが保育園か子ども園に通うシステム。
選ばなければどこかには必ず入れるのが気楽。

それにしても福の転落?たがの外れっぷり?豹変ぶり?がすごい。

学校からほとんど全ての荷物を持って帰るのを忘れてきたり、
筆箱の鉛筆がちっとも減らなくなったり(本人はタブレットを使っているからというがほんまかいな?)
宿題のあのね帳(作文)が2行で終わっているのに先生からハナマルもらっていたり、
私がちょっとでも「〇〇やった?」と聞くと、こっちをキッと睨みつけ「帰ってからやる」と
言い残して毎日外へ飛び出してゆく。「秘密基地をつくってくる」らしい(秘密ちゃうやん)

星の情報によれば山の中でグルグルまわってそのまま吐いていたらしい・・・
それとなく「大丈夫?」と聞いたら「うんっ!埋めたから」と誇らしげな返事が返ってきて脱力。

坂道をブレーキかけずにどこまでいけるかとか、両手離しでどこまで進めるかとか、目つぶって
どこまで歩けるかとか、やってるだろうな。絶対。

近道を見つけたらしく教えてくれたのだが、そこは明らかに「よその家」その塀をグワッとジャンプして
道路におりたら近いらしい。確かに。車とぶつからないことだけを祈る。7時半過ぎには登校して
一番やったと私を相手に威張り散らしている。「それがどないしてん、アホちゃうか」という言葉は
飲み込んで「よかったね」と言っておく。

服がびっくりするくらい汚れている。何を着ても薄汚い。なんかすんごいダサくなった。でも目だけは
キラキラしている。すぐに「暑い」と叫んで半袖半パンになろうとする。そんな態度が暑苦しい。

星も同じ。

つばさは目ヤニと鼻水をたらしながらほっぺたをまっかにして、これまたなんとも・・田舎の子や。
転んでも倒れても、ムクッと起き上がって歩き始めるのがおもしろい。

森のようちえんとか、モンテッソーリ教育とか、家庭でできるシュタイナー教育とか、木のおもちゃとか
一生懸命本を読んだり自分なりにできることは生活の中に取り入れようと努力していたが、
不思議なことにそんな環境が手に入ると、スッと熱が冷めてしまった。近づいたはずなのになぜか
遠くに感じるようになった。当たり前にあると見えなくなってしまうのかも知れない。

子どもが子どもにもどってゆく。
当たり前にその環境があるってことは、危険や死にも近づいたということ。
どこからも死角になる場所に柵のない池がいくらでもある。ハチもいる。どこの家の物置にも
危険な道具がポーンとほりっぱなしで置いてある。歩道なんてない。迷子になる小道がいくらでもある。
秘密基地がつくれるほど、見えない場所はたくさん。声が届かない場所もたくさん。

さあ、どうするか。

風に耳をすませる。心をすませる。きっと神様ってこんなところからうまれたんだろうな。

福が寝る前に「きょうはこのへんで」と言って布団に倒れこんでいた。
「はい。きょうはこのへんにしといてください。ありがとう。」と思いながら遠い目で青に
おっぱいをあげるワタシ。

こどもたちよ。きみたちはごはんを食べて大きくなってるんじゃない。
母ちゃんの寿命をたべて大きくなってるんやで。明日もいい日でありますように。おやすみ。