あ た り

仕事帰りの電車待ち

おかしな気配

近い　　　やたらに近いやおまへんか

鼻息がマスクごしに聴こえるやおまへんか

不気味さを感じつつも前が詰まってるから逃げ場がおまへん

来た電車に乗り込もうとした瞬間

その人はわての前に立った

小柄なふくよかな中年女性

わての進路を塞ぐように前を進む

怖い　
　　　　危ない
　　　　　　　　　奇妙な怖さ

その人を避けて空いてる椅子に座ろうとした瞬間

彼女はわての前に立ちふさがり右手を思いっきり後ろに突いた

腎臓の当たりに命中

声が漏れる程の痛み

げほっ　
　　　　思わずうなった

なにさらすねん

そう言おうとした瞬間

彼女は電車を降りて行った

・・・・・何
　　　　　　　　　なんなん？

ドアが閉まり走り出す電車

怖いしか言いようがあれへん

全く　　
　　　アタリやん

けったいなオバハンやでっ
　　　　　　　　　　　　　全く

わての何かがそんな人呼ぶんかな・・・

全く
　　　　厄日やちゅうねん