諦

2018-03-31 | 日記
人波にもがきながら歩く

ふと前を歩く大柄な丸い背中のおじいさん

下した左手を後ろに向けて指を ひらひら ひらひら

何気に見てると

小さな右手がふわ~って現れて 

   ひらひら ひらひら の指先からそっと包んだ

一瞬のこと

小さな右手の主を見ようとしたけど

人波に流されて捜せない

なんだか一瞬に魅せられてしまった

スゴイもん 見た気がして

わたしには 
      多分

金輪際 味わう事出来ないもんだなってペシッって感じた

ペシッって痛かった

時間を重ねる大切さを知りたいって想うけど

あの右手の女の人には絶対にかなわない

わたしの残りの時間はあの女の人の重ねた時間には足りない

そうペシッって頬を打たれた気がした

わたしは自分すらちゃんと愛せないのに

誰かを愛する事なんて訳解らない

誰も教えてくれなかったし

学ぼうともしなかったから

あの一瞬に

自分の薄っぺらさをペシッって感じた