HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

キョウチクトウ(夾竹桃)

2018-07-03 | 夏 樹木 果実・葉

複雑な構造のテイカカズラを一部解剖した。
果実の少なさは、めしべの位置関係に起因しているのでは無いかと推測できるような構造。
訪花昆虫があったとしても、めしべに花粉を届けるのは難しそうだ。

夏になってキョウチクトウが咲き始めたから
またまた悪い虫が起き出して?解剖してみた。
こちらも複雑なおしべ・めしべの構造だから
幾ら花が多く咲いたとてどう考えても花粉がうまく届くのは奇跡みたいなものだ。


▲ スッポリ抜け落ちたような姿のキョウチクトウ。これが今日の教材。
花冠が落ちると言うことは、受粉が終わっていれば花柱は子房部分に残されている筈だ。
ところが下の画像ではめしべは抜け落ちている、つまりは受粉できなかったのだと推測する。

▲ 基部で合着しているおしべは、捻れながら花冠の外に飛び出している。▼



▲ 花冠、副花冠全てを取り除いた状態。
合着している5本のおしべは一旦細くなった後、捻れながら集まって一本になっている。
そのおしべの下部の合着部分にめしべの柱頭・花柱が見える。▼

(2018.07.03 明石西公園)


▲ キョウチクトウでは長い襞のように立っている部分が「副花冠」と呼ばれるのだろう。
花冠とは上部で合着している。
テイカカズラではおしべを取り囲むように内側に向かって突き出している部分にあたる。▼


▲ 構造が似ているとすればやはりこれがおしべ。別画像でその仕組みは理解した。
テイカカズラでは中心部で辛うじて顔をのぞかせている。▼


▲ 画像だけの確認だが、おしべは基部で合着、先端部分は螺旋状に見える。



▲ 合着しているおしべの基部。この中にめしべが隠されている。▼

▲ テイカカズラのおしべ、めしべを判別するのはなんとも歯がゆい。
キョウチクトウも同じ構造だろうからやはり解剖でもしないと見えにくい。▼


キョウチクトウ(夾竹桃) キョウチクトウ科キョウチクトウ属 Nerium indicum
(2018.06.26 明石西公園)


▲ おしべを取り囲むように「副花冠」と区別される部分が目立つテイカカズラ。
キョウチクトウではおしべは長く花冠から飛び出し、副花冠は長い襞のように立っている。
キョウチクトウと似た構造を持っているテイカカズラだが、
やはりこちらも果実は余り見かけない。
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去年のキョウチクトウ 今年のテイカカズラ


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4 コメント

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解剖していただいて・・・ (こいも)
2019-08-20 17:23:22
林の子さん
花冠と上部で合着しているのが副花冠
副花冠に取り囲まれるのが基部で合着している5本の雄しべ
雄しべの一番下はカギのように曲がっていますね。
雄しべの下部に花柱が見え柱頭も見えます。
お盆が終わったばかりのせいか
雌しべがロウソクのように見えてきました。
これでは果実や種子が見られないのも納得です。
解剖していただき良くわかりました。
ありがとうございました。
忘れないよう書き留めておきたいと思います。
もし解剖した時は手を良く洗う程度で大丈夫でしょうか?

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必ず洗って下さい。 (林の子)
2019-08-20 17:45:01
私は花の解剖もそうですが、種子を採るときにも必ず後にはウェットティッシュで取り敢えず手は拭きます。
公園などでは必ず水道が設置されているでしょうから洗います。
すぐに毒が回るなんてことは無いでしょうが下手にそのままにして
汗をぬぐったりして目に入るといけません。
テイカカズラもキョウチクトウもめしべの位置が問題ですね。
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改めて見させていただきました。 (こいも)
2022-02-25 17:53:43
林の子さん
今、改めて合着している雄しべの基部を見させていただきますと、
これでは果実ができるのは難しいですね。
この基部はすごいですね。何故このような構造になるのかお花に聞いてみたい~それにしても、こんなにすごいすごい画像があると本当に良くわかりますね。
色々注意を払って解剖していただきありがとうございましたました。
でも果実ができることもなくはない、あるかもしれない・・・
そう思っても良いでしょうか~
テイカカズラらもほんの少しだけ果実ができますものね。
(○'。'○)ん?ずいぶん変なことばかり言っていますね。
でも、月日が経つと更に良く理解できるのですね。
とってもうれしいです。
ありがとうございました。(..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)
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改めて見ていると。 (林の子)
2022-02-25 23:45:14
確かに複雑な構造ですね。
それ以上に、果実が少ないのはどうしてなのだろう…と疑問のある幾つかは
このように解剖するに限る、そう思います。
全部が全部同じとは限らないので、類推しながら手近なところで我慢するのですが
やはり疑問の出た部分は、想像だけでは危険なので実地に見ておきたい…です。
ただ、花画像にはふさわしくないものなのかもしれませんから
自己満足ですけれど。
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