そろそろ出ているだろう…と、二つの隅櫓を結ぶ南帯廓。
石垣の間には去年の暮れに種子を撮ったカラスノゴマが草丈を伸ばしはじめている。
ここには二ヶ所、必ずカラスビシャクが出て来る。
石垣の下、何時も湿気ているから育っている。
日当たりがよくないから、撮るのに苦労はするけれど
誰の邪魔にもならないからのんびりと撮っていられる。
今日は一本を「解体」しておしべ部分を撮っていた。
葉柄のムカゴもこれから少し大きくなるのだろう。
目立つのはヨモギの広がり、メヒシバの葉も広がり始めている。
同じ高さまでカラスビシャクは伸びているけれど、肝心のムカゴは草むらの下。
生長しきったカラスビシャクの花序、上に伸びていた付属体は少しずつ仏炎苞を離れ始める。
外観では二ヶ所、仏炎苞の下が膨れている部分を見る。
上に雄花序、下に雌花序が包まれている。
微妙な括れ部分は隘路になっている。
後に見えているのは落果したヤマガキ、
ここにはもう一種マメガキ(ここではシナノガキの名札) が育っている。
☆
花序の上に付く付属体と、仏炎苞の開口部。
真横からだと、仏炎苞の曲線と、立ち上がる付属体の細い線が優雅?に見える。
付属体は、仏炎苞の外では緑、中では暗赤紫色。
この部分だけが色のアクセント、他はみんな緑。
生長過程では株にある雌花序がのぞき始める。
仏炎苞の上部から侵入した昆虫は、最初に雄花序の花粉を付け、その下にある雌花序に花粉を渡した後
開いているこの隙間から脱出出来る構造になっている。
生長過程の初めではこの部分は開いていない。
一部を切り裂いて、雄花序を確認した。
雌花序との間は少しだけ隘路になって、昆虫が逆戻り出来ないようになっている。
花粉を確実に下の雌花序に運ばせる仕組みだろう。
もう花粉が出始めている。
花序の付属体の根元に当たる部分に雄花序。
☆
葉柄の根元にあるムカゴ。
この程度の茂みで無けれど、葉柄下部の零余子は観察出来ない。
小葉にある零余子。
小葉の展開前、二枚は少しだけ小さい。
カラスビシャク(烏柄杓) サトイモ科カラスビシャク属 Pinellia ternata
(2017.07.11 明石公園)
☆
【再掲画像 去年のムカゴ】
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カラスビシャク カラスビシャクのムカゴ
カメラの腕はお二人ともかなりのモノでした。
それでも何時も雑草ばかり撮っている私のことが気に入って下さったのだと今でも思います。
見ているようで見ていないものも、カメラを通すと別物に見える…。
だから花が咲くから実が出来る、実が出来るから花が咲く…の言葉が自然に出て来ました。
「果実」と難しく言わず「実」、「種子」も「種」の方が良いのかも知れませんね。
何事も難しく言わないといけない…と言うのも不条理なことで、トンチンカンでも何でも無く、平易な言葉で伝えるようにしないといけないな…と今でも思います。
ムカゴ、種が出来ないときの「保険」みたいなモノです。
色々教えていただきありがとうございます。
各部分の名前もどう呼んだら良いのか?
本当に何も知らずにいます。
でも知りたい・・・
時折りトンチンカンなことを言っているのかもしれません。
雌花は種を作るのですね。
その前にムカゴ・・・ですね。
ありがとうございます~♪
今後ともよろしくお願いいたします。
生長し終われば、しっかりと雌花は受粉して種子を作るでしょうから、その前にムカゴはこぼれ落ちている事が多いです。
かなりのカラスビシャクが立ち上がっているようですから、葉の部分に残っているかも知れませんが。
また次の初夏、楽しみが残るからよしとしよう…で良いのかも知れません。
いつも ありがとうございます。
緑の中のカラスビシャクがとっても素敵ですね。
仏炎苞の中だけが赤紫色の付属体・仏炎苞から離れる付属体・・・
雄しべと雌しべの仕組み・・・
こんなに狭いところに入って行く昆虫もなかなか勇気が必要ですね。
そしてムカゴの事・葉の事・・・知らない事ばかりです。
教えていただき ありがとうございます。
まずはムカゴ探しをしてみたいと思います。