NTTドコモのスマートフォン向けのメール送受信サービス「spモード」で1日夜に通信障害があった。ドコモでは、2011年8月と12月にもスマホの通信で不具合を起こすなどトラブルが相次いでいる。
「spモード」の利用者は約670万人おり、スマホの利用者急増にシステムの構築が追いついていないのが原因の1つとみられるだけに、設備の増強が急務となる。
●システムの再構築を急ぐ
今回の不具合は、1日午後9時30分から10時35分と、同日午後11時3分から2日午前0時4分の2回にわたって発生。サーバーの故障でメール送受信が一部でできなくなった。通信障害は2日0時45分に回復した。
ドコモによると、通常はメールが相手に届かなかった場合に返信される「不着メール」が届かなかった利用者が約20万人いたという。
対象となる約20万人はメールが届かなかったことに気づいていない可能性があり、1月中に届く料金の請求書に併記する形で個別に通達すると説明している。
ドコモでは昨年12月のトラブルを受けて山田隆持社長を本部長とし、通信障害に対応する専門組織「ネットワーク基盤高度化対策本部」を設立。役員など38人で構成し、スマホの利用者急増に対応したシステムの再構築を急いでいた。
対策に動き出した矢先に新たなトラブルが発生したことで、今後は「spモード」用の設備強化や顧客管理システムの増強などの取り組みを一段と加速し、体制を立て直すことが信頼回復の大前提になると言えそう。
【記事引用】 「日経産業新聞/2012年1月5日(金)/3面」