森かずとしのワイワイ談話室

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サダム・フセインの政治的殺人

2006-12-31 02:19:44 | これでいいのか金沢・日本そして世界
 日本では、安倍政権の早すぎる腐敗ぶりの報道を遮るように、イラクの「元」大統領と呼んでいいのか、ともかくサダム・フセインが処刑されたニュースが駆けめぐりました。わたしも、死刑確定からいかにも早いこの執行が、アメリカのブッシュ大統領とその傀儡政権であるマリキイラク首相による政治的殺人であるとの見方に同意します。
 独裁者フセインを育成したのが他でもないアメリカ帝国主義でありましたし、そのアメリカの徴発と煽動が引き金となった湾岸戦争(1991年1月~)、大量破壊兵器所持が虚構であったイラク戦争(2003年3月~)が泥沼の破綻を迎えている中での処刑です。アメリカの海外侵略政策の失敗を覆い隠し、独裁者という名の反米象徴を抹殺するのがそのねらいに違いありません。フセインが犯した独裁者としての罪業を決して許さないとの立場からも、アメリカが裁くのではなく、イラク民衆の手によって裁かれなければならなかったとの処刑批判が表明されています。この死刑執行によって、イラクの混乱に拍車がかかり、世界の不安定さが助長されれば、無辜の民がまた命を脅かされることになるのです。
(イラク戦争犠牲者数については、次のサイトを参照下さい。http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/over37000.htm

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元米国合衆国司法長官ラムゼイ・クラークの批判1 (森 かずとし)
2007-01-03 23:19:11
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 ラムゼイ・クラーク氏
 イラク高等法廷に関する各国国連大使への書簡 その1
 (2006.10.10)

仮訳どすのメッキー

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 インターナショナル・アクション・センターのラムゼイ・クラーク氏は、イ
ラク高等法廷(IST)でサダム・フセイン元大統領らの最初の判決が下され
るのを前にして、2006年10月10日、各国国連大使宛に書簡を送ってい
ます。

 ラムゼイ・クラーク氏は、ISTが、イラクの「民主化」などとは程遠い、
アメリカの中東政策の道具そのものであり、フセイン政権時代の幹部を葬り去
ることだけを目的としたきわめて不公正なものであったことを暴露しています。

 米国の元司法長官で、現在は民衆の側からとらえた生きた国際法の世界最高
の専門家の一人であり、湾岸戦争以後、米国の戦争犯罪を実証的に告発し続け
たラムゼイ・クラーク氏の文章を、何回かに分けて仮訳し、ご提供します。

 すでにフセイン氏の死刑は執行され、多くの事実が闇に葬られると同時に、
イラク政府の米国傀儡化と国内の混乱がさらに強まろうなろうとしています
が、数百万の犠牲をこのようなペテンで幕引きさせてはいけません。

 怒りと悲しみをこめて、お届けします。


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【イラク高等法廷のサダム・フセイン大統領およびその他の被疑者に対する非
合法で不公正な審理は、国際法を脅かしています】
Illegal and unfair trials of President Saddam Hussein and others by
the Iraqi Special Tribunal threaten international law.
http://www.iacenter.org/Iraq/hussein-2-102006.htm

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 被疑者の身柄を現イラク政府に引き渡す前に、国連機関によるイラク高等法
廷の法にのっとった公平な調査が不可欠です。

 暴力の応酬で不安定な現在、ドゥジャイル事件の公判に基づいて被疑者をイ
ラク政府に引き渡してしまえば、国際法の将来が脅かされ、イラクを死に導く
内戦を引き起こすおそれがあります。

■国連大使閣下

 6月に行われたイラク高等法廷(IST)は、2006年10月16日に最
初のケース(ドゥジャイル事件)に関して最終判決を下すことが予定されてい
ます。法廷の報道官は、2006年10月2日にこの日程に言及しましたが、
確実なものではないと理由を挙げて説明しました。米国の法律家とイラクの政
治家のどちらも、今は判決が2006年10月25日に言い渡されるだろうと
述べています。ブッシュ政権は11月7日の米国議会選挙の前の判決を望んで
います。その日はいずれやって来ます。もし有罪判決が下されるなら、判決は
同時に下されるでしょう。

 検察は、8人の被疑者のうち、少なくともサダム・フセイン大統領、タハ・
ヤシン・ラマダン副大統領を含む5人に死刑を求刑しました。裁判長は、サダ
ム・フセインの審理の前にはしばしば、被疑者に対する憎しみをあらわにして
「裁判など必要ない。すぐ絞首刑にせよ」と言いました。また、裁判中すべて
の被疑者に対し「彼らの手は、生まれつき血まみれなのだ」と言い放ちました。

 この法廷に適用される法の下では、死刑は判決後30日以内に執行されなけ
ればなりません。10日以内の控訴が認められていますが、数日あるいは数週
間で直ちに確定することもあり得ます。

【イラク高等法廷(IST)は、米国の政策の道具そのものです】
【それは合法ではありませんし、独立していませんし、公平でもありません】

 ISTの設立や運営は、米国の政治的意図を忠実に実行することを目指して
かたちづくられ、支配されています。ISTは、2003年来米国がイラクに
侵略戦争をしかけ、不法占領を続けている間の産物です。法廷は合法ではあり
ません。審理自体が不公平なのは明らかです。その決定は、米国とその追従者
など勝者のための裁きになるでしょう。

 IST設立の法律をかいたのは米国の法律家です。ISTは、米国が資金を
提供しています。その構成員も、米軍によって選出され、訓練され、保護され
ています。米国はISTの動きを直接左右しています。侵略戦争から始まり現
在の不法占領を機能させる米国の政策を助ける道具であることひとつとって
も、ISTは決して合法ではありません。

 ISTは、公平性に不可欠な独立を欠いています。それは、米国と米国が支
援するイラクの政治指導者たちが支配しようとする外部圧力にさらされていま
す。法廷の裁判官3人は、重要な審理項目において法廷での判断が外部圧力を
かける公然グループの意に沿わなかったため、更迭されました。

 弁護団のうち4人が誘拐され、拷問に遭い、そして殺害されました。法廷の
職員と彼らの家族も殺されました。バグダッドとイラク全土を恐怖で覆いつく
す無秩序で壊滅的な暴力は、それ自体、公正な裁判をできなくさせています。

 ISTの裁判官は公平ではありません。彼らは、サダム・フセイン政権下で
の犠牲者であることを主張するフセインの的であることを認めています。ドゥ
ジャイル事件での裁判長は、ハラジャのクルド人の村で生まれ育ちました。彼
は、彼の血縁者や友人が1988年毒ガス攻撃で、多くの人とともに殺された
と主張します。彼はイラク政府に対する暴力を理由にバーシスト法廷で2度に
わたり死刑宣告をされました。ISTは、有罪の判決を下すべく意図して設立
されたのです。

 審理は正義が腐敗し、周知の通り、不公平で、公正さと手続きの適法性を全
く欠いたものとして国際的に認められてきました。暴力のために、弁護側が、
資料(すべて米国に握られていました)や目撃者の居場所を調査、発見する機
会は得られませんでした。弁護側は、騒々しい証言と審理記録
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