森かずとしのワイワイ談話室

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安管協専門委員会を通過儀礼にさせてはならない

2012-07-12 23:38:08 | これでいいのか金沢・日本そして世界
 昨日、問題有りとここで言及した石川県原子力環境安全管理協議会(安管協)が、午後県庁で開催された。志賀原発を廃炉に原告団と原発震災を案じる石川県民有志が、これに先立つ午前に、原子力安全対策課長に申し入れを行った。(録画映像)申し入れの設定は盛本県議、参加は、北野進原告団長と堂下副団長に市民有志が加わった7人だ。
 新しく原子力安全・保安院から出向してきた課長は、原発畠ではないようだ。福島事故を受けて、安管協の役割が高まっている。原発の安全管理機能を強化することが求められているので、技術的専門性ある専門家だけによる専門委員会を設置して、安管協の機能を高めたいと開催の趣旨を説明した。しかし、私たちからすれば、北陸電力が提出し、現在途上にある追加の安全対策にこれまでなんら主体的な検証を行おうとしてこなかった県の姿勢から、なぜ今唐突に安管協に専門委員会なのか説得力がない。何故今、安管協に専門委員会なのか? 多くの市民は、志賀原発再稼働手続きを事実上開始したのではないかと受け取られて当然だ。それが真意ならば、あまりに節操なく原発回帰があからさまだ。石川県民として恥ずかしい。
 原子力規制委員会を設置することに決まって、同安全保安院と原子力安全委員会による安全性チェック体制が機能不全であったことが認知された今、県が県民に安全と安心を保障すると言うのなら、抜本的な機構改革、とりわけ安管協同様、専門委員には、原子力ムラのご用○○ではない、安全確保に厳しい批判精神と合理的な技術論をもつ気鋭の専門家諸氏を選任するべきだ。協議会委員にも原子炉メーカーからの資金提供を受けている者がいる。不適当だろう。検証過程の透明化と情報公開も徹底して為される必要がある。こうした私たちの要求に対して、答弁は一般論に終始した。答えられないのだ。

 午後の原子力環境安全管理協議会(録画映像)を傍聴した。では、専門委員会を設置し、北陸電力も追加的安全対策の聴聞から始める旨示された。しかし、津波対策に終始したこの対策の本質的問題は、地震による破壊と電源喪失を最悪想定として、耐震課題に関わる懸案事項の過小評価だ。断層連動や指摘されてきた断層評価の厳密化を有識者諸氏が北電に迫る場面はなかった。さすがに、志賀町、羽咋市両首長は、福島事故の検証との関わりから質問したが、突っ込みに欠けるものだった。

 再稼働への通過儀礼との疑念は晴れない。私たちは、これを通過儀礼にさせることを許さない。

 以下に、申し入れ内容を転載しておく。

                                             2012年7月12日                                               
石川県知事 谷本正憲 様
安管協会長 竹中博康 様                                           
                

                                          命のネットワーク
                                          「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団
                                          原発震災を案じる石川県民


       
安管協・専門委員会の設置に関する要望書

 去る6月26日、知事は県議会予算委員会において、原子力環境安全管理協議会(安管協)の下に、安管協の議論に資するための専門委員会を設置し、志賀原発の再稼働前に県として安全の確認をする方針を示しました。
 しかし、北陸電力が再稼働の申入れをしていない段階で、県議会において再稼働を前提とした質疑応答が行われることは、いまだに収束にはほど遠い福島原発事故の悲惨な現実に目を閉ざすものと言わざるをえません。しかも福島原発の過酷事故の現場では、放射線量があまりに高いため、原子炉周辺機器や配管の損傷状況を調査することはまだ不可能で、その実施の目途さえたっていません。事故炉の状況を検証できなければ、事故原因の究明も道半ばです。原因究明が不十分では、確実な再発防止策はたてられません。志賀原発は福島第一原発と同じ沸騰水型であり、とくに1号機の格納容器は福島第一原発と同じマークⅠ型であることを考えると、現時点で志賀原発の再稼働について言及するなど論外です。
 今まで国も電力会社も、福島原発の事故の主因は想定を超える大津波による電源喪失であると主張してきましたが、先に公表された国会事故調査委員会の報告では地震起因説が示されています。したがって、地震によって機器・配管がどのように損傷したのかを検証するのはもちろんのこと、耐震設計指針の見直しも必要になります。「津波が過酷事故の原因」という仮定に基づく北陸電力の緊急安全対策は、県の安管協において「妥当である」として了承されていますが、地震の影響が否定できないことが明らかになった以上、北陸電力の緊急安全対策も、当然、再検証が求められます。
 2007年3月に臨界事故隠しが明らかになった際にも安管協の下に専門委員会が設置されましたが、会議は三回開催されただけで、しかもその内容は北陸電力の説明をほぼそのまま追認するもので、専門委員会としての報告書も作成されていません。このような専門委員会では、安全性の確認を十分に行なうことはできず、県民の原子力に対する不安や北陸電力に対する不信感を払拭することは到底できません。これから設置されるようとしている専門委員会が、県民の安全・安心を保障するための、率直な 議論と真摯な検討の場となるよう、以下、要望いたします。



               要 望 項 目

1)専門委員会の設置目的は、志賀原発の安全性の確保のためであることを明確
 にすること。
  その上で、再稼働を前提とすることなく、北陸電力の緊急安全対策について
 十分な再検証を行なうこと。 
  あわせて、原子炉が停止中、定検中の地震・津波による被害についても評価
 すること。

2)委員の人選については、過去に原子炉メーカー等から利益供与を受けた者は
 除外すること。
  後藤政志氏、石橋克彦氏など、再稼働に慎重あるいは批判的な立場で原子力
 安全・保安院の意見聴取会員を務めているような専門家、および富来川南岸断
 層について再調査の必要性を指摘している変動地形学の専門家・渡辺満久氏な
 どの参加を求めること。

3)専門委員会は、北陸電力や規制当局からの説明を聞くだけでなく、独自の調
 査権限をもたせること。

4)専門委員会は公開し、傍聴については、現行の10名の人数制限を撤廃する
 こと 。
  会議での配布資料は、会議開催後すぐにホームページなどで公開すること。

5)議事は録音し、また議事録を作成し、文書で公開するだけでなく、ホームペ
 ージなどでも公開すること。
  専門委員会としての結論は報告書として、記録に残すこと。

6)専門委員会における検討の内容は、安管協で報告するだけでなく、県民に対
 しても説明するために公開討論会などの場を設けること。
                                 以上  

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