ねこに ねこじゃらし

ねこのそらの話を中心に、ぽつぽつゆっくり更新しています。

夏休みが終わる

2020年08月23日 | 日記

 

 

今年はコロナのせいで夏休みがとても短い。

この町の小学校は8月1日から今日まで。

もう明日から2学期が始まる。

まだまだ暑い日が続くのに、・・・。

 

 

 

 

 

わたしは子どもの頃、夏休みが大好きだった。

本当かな? 大好きだった、はずだけど。

 

学校が休みなのに、いつもより早起きだったのは

ラジオ体操をして、カードにハンコをもらうため。

朝露に濡れた足の気持ち悪さは、そんなもので解消されて

最後の日にもらった、たった1本の鉛筆をみんなで見せ合いっこした。

 

大人になってラジオ体操のすごさを思い知ったこともあったっけ。

あれは日本全国津々浦々の人たちとの驚異の共通体験、

♪ チャ~ンチャチャチャ チャチャチャ ♪ と始めれば 一糸乱れぬ動きに加え

みんなで歌う声まで揃った。

もらった景品だけが、違っていたんだったかな。

 

 

 

 

 

 

学校に行かなくて良くっても、宿題は山のようにあって、

夏休みに入ってまず始めにやったのが、一日の予定表作り。

それが自分を苦しめるものになるなんて思いもせず、しっかり作り上げた立派な予定表。

あの通りにやれば、40日後には読書感想文も漢字の書き取りも計算ドリルも

自由研究だってすっかり終わっていたはずなのに・・。

8月31日の夜のわたしは、泣いていた記憶しかない

 

「午前中 暑くなる前に勉強しよう」

「勉強の時間は友達の家に行かないようにしよう」

というあれは、学校からの正式なお達しだったのか、今となってはよくわからない。 

近所に同級生が少なかったわたしには、普段でも日曜日に学校の友人に会えるのはちょっと特別なことだったけど、

長い夏休みともなれば、登校日か学校のプールで会えるだけ。

遊び相手はもっぱら近所の子に限られていたけれど、昼前に行くのを止められたのは

もしかして、親同士で協定を結んでいたの?と思えてくる。

 

 

 

       

 

昼食の後の早い午後は、昼寝の時間と決まっていて、

この時間にも、遊びに行ってはならないルールがあったはず。

大人のわたしなら、「誰にも邪魔されずに寝られる~」と至福の極み。

それなのに、子どもの頃のわたしときたら、「昼寝の時間」という言葉には悪意すら感じていた。

ちっとも眠たくなんてないのに、蒸し暑いタタミの上で、

自分でウチワで扇ぎながら横になるなんて、まさに拷問 

早く外に行きたい、遊びたいと心が逸り寝付けるわけがなかった。

 

 

 

 

 

 

 

結局一睡もせずに時間だけをやり過ごし、遊ぼ~!!と集まったのも束の間、

一天にわかに掻き曇り、ものすごい勢いで雷と雨が落ちてくれば

土管の中にいた子も一斉に飛び出して、蜘蛛の子を散らすようにバイバイと手を振った。

逃げ帰った家の中も薄暗く、稲光は目を閉じても容赦なく瞼の中まで入り込んできて

パッと明るくなったと同時に凄まじい雷鳴が轟き渡ると

おへそを隠して、耳を塞ぐには両手でも足りず

早く終わって~とブルブル震えていたものだった。

 

小学校は遠くて、子供の足で4~50分もかかったから

プール帰りに天気が急変して雷雨になれば

髪に挿していたヘアピンを外し、プールバッグを頭に乗せて

田んぼに落ちる雨粒の音に急かされて、養鶏場の脇の道を半泣きで走りに走った。

 

 

 

 

 

 

 

夜になって、わずかに許された(わたしの予定表のせいか!?)テレビの時間も、

つける時にはけっこう勇気が要った。

それというのも、

チャンネルを回すと突如、お岩さんが出てきたり(モノクロのお岩さんはそれは迫力があった)

B29が焼夷弾を落としたり(モノクロのガサつく映像はリアルだった)

「亡くなった人が帰って来るのを迎えます」とモノクロの背広を着たまじめな大人が話していたり

子どもには怖いことが多かったからだ。

 

 

 

 

それでも、『夏休み』という言葉は不思議だ。

退屈で怖いことの方が鮮明に思い出せるのに

「子どもの頃、夏休みが大好きだった」なんて言ってしまう。

真夏の太陽がきらきら光るプールや、オソロシイ雷雨の後に見た大きな虹は

モノクロでしか思い出せないのに、きれいだった。

家族全員でやった線香花火も楽しかった。

光も影もひっくるめ、『夏休み』は、

いくつも夏を通り越して、ノスタルジーの塊になった。

 

今はまだ目の前の夏しか知らない子どもたちを見ていると

いつだって子どもは初めての時を生きているんだなぁと思う。

大人はいつでも制限を作るけど、その中でちゃんと楽しみを見つけ出す。

笑ったりケンカしたり、何事にも目いっぱいな顔を見るていると、そう思う。

コロナ禍の中で一生懸命育ててくれた親の元で

何の心配もなく過ごした懐かしい夏は

どんな風に残るんだろう。

これからたくさんの夏を過ごしていく子に願うのは、

となりの人に優しい人に。

 

 

かくいうわたしも、未だに毎日が初めての時。

大人といったって、子ども時代の延長線上にいるんだな。

そんなことを夏休み最後の日に想っている。

今日はこれから雨の予報。

少しだけ涼しい日曜日。

 

 



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
異空間(=^・^=) (首輪のない猫)
2020-08-23 20:04:05
ねこじゃらさん 今晩は
お邪魔してすぐに アレ ねこじゃらさんのブログかしら!? と確かめてしまいました~
いつも違う雰囲気 空気を感じました そして
ちょいとお邪魔するつもりが
何度もスクロールして読ませていただいて コメントしている次第ですニャン(=^・^=)
ねこじゃらさんの夏休み 異空間の世界

小学校まで4~50分もかかったんですか 遠かったんですね 首輪のない猫だったら≪学校なんか行かない≫と駄々をこねたかもしれません
ねこじゃらさんの夏休みを読ませていただいて、行かなかった幼稚園を思い出しました
幼稚園に入園式だけ行って、翌日から行かなかったた首輪のない猫です
幼稚園の先生がお手玉やらいろいろ持って誘いに来てくださっても柱にしがみついて
絶対に行かなかったと母が教えてくれました
その頃から非社交的でした大笑 今となっては貧乏な中で、母がいろいろ工面して幼稚園の上っ張りやカバンを用意してくれたのに と感じます
ですので?夏休みに友達と楽しく遊んだ という記憶がありません
8月31日の夜泣いていたのはねこじゃらさんと一緒かな 遠い記憶でよく覚えていませんが
ねこじゃらさんのようにしっかり予定表を作った覚えがなく 絵日記は各ページに 晴れ スイカ ソーメン お祭り のように片言を書いて
後から思い出して何日かをまとめて仕上げたように思えます ズルっこですね
首輪のない猫 夏休みは一体何をしていたのか 今夜思い出してみます苦笑

≪田んぼに落ちる雨粒の音に急かされて、養鶏場の脇の道を半泣きで走りに走った。≫
ねこじゃらさん すごいですね 感動しました
田んぼに落ちる雨粒の音 想像を絶します そしてニワトリさんたちがいる脇の道を泣きながら走りに走ったなんて宮崎駿の世界そのものです

夏休み という言葉 響き 思い出
≪ 光も影もひっくるめ、『夏休み』は、いくつも夏を通り越して、ノスタルジーの塊になった ≫
ご家族との夏休みがボォ~ッと浮かんでくるようです 素敵ですね

ねこじゃらさんがおっしゃるように懐かしい夏となる今年の夏を 
子供たちはどんな風に感じているのでしょう
きっと子供なりに、いろんな事考えて懸命に生きていると感じます

ねこじゃらさんへのコメントなのに 自分のことばかり長々と書きなぐってしまいましたー
素敵な夏休みを読ませていただいて 心が高揚しました ありがとうございます
ねこじゃらさん 残暑はまだまだ続きそうです どうぞお体を大切にお過ごしくださいね(^^)/ニャ(=^・^=) またお邪魔します
返信する
賢い‘‘猫‘‘さん (ねこじゃら)
2020-08-24 13:02:01
首輪のない猫さん

こんにちは。
昨日は首輪のない猫さんのお宅の方は、雨降りましたか?
こちらはほとんど降らなかったので、今朝ニュースを見て驚きました。
局所的にゲリラ豪雨に襲われるのが普通のことになってしまいましたね。

今朝も涼しさが残っていたので、午前中は部屋の片づけをしていたのですが、
さすがにお昼前からは暑くて、いつものぐーたらなねこじゃらに戻りました

そら(&momo)のことを一切書かないブログは珍しいかもですね。
夏休み終わるんだなぁ~と考えていたら
なんとなく書きたいことが出てきて
たまたま撮った写真があったので、
もっとササっと短くまとめるつもりだったんですけど、
どうしても長々となってしまうんです

そうですか~、首輪のない猫さんは登園拒否を
わたしは首輪のない猫さんのコメントを読ませていただきながら
妹のことを思い出しました。
妹も入園式の翌日から、幼稚園の門の前で「入らない~!!」と駄々をこねまくり、
母が困っているともう一組親子さんがやってきたので一緒に入ってもらおうと思ったら、
二人の子供が「行かない~!!」「いやだ~!!」の大合唱だったとずいぶん昔に聞きました
まさか首輪のない猫さんもか~、とちょっとクスっとしてしまいました、ごめんなさい。

でも、絵日記の付け方は当時教えてもらえていたらなぁと思わずにいられません。
そんなやり方があったかぁ~、賢いやり方です

朝はちょっと疲れた感じで静かに登校して行った小学生たちが
今、下校してきました。
猛暑の時間に大変だ~。
でも、帰り道はお友達と喋って楽しそうです。
やっぱり子供はたくましいですね

わたしたちは自分の心配をして、迷惑をかけないように気を付けるしかないかな

首輪のない猫さん、心に沁みるコメントをありがとうございました。
お元気で猛暑を乗り越えてくださいね~
返信する
遠い夏休み (エルトベアートルテ)
2020-08-28 07:57:14
ねこじゃらさん

残暑お見舞い申し上げます。
ご無沙汰をしております。

お子さんだったころの夏休みの思い出を書いてくださって、私もとても懐かしくなりました。ラジオ体操、ウチでは父も仕事前に参加していました。さすがに出席のスタンプ?はもらえませんが・・・
せっせと通うと、ノートなどの文房具がもらえました。ちょっとしたものでももらえてうれしかったです♪プールに通って、違う小学校の友達ができたりするのも、楽しかったです。

少し前に、そらちゃんとキャットタワーのお話があり、とても微笑ましく読ませていただきました。そらちゃんもホントにホントにかわいいですね!
MOMOちゃんが、お空でねこじゃらさん一家を楽しく見守っていてくれるのでしょう、そらちゃん長生きしてほしいですニャ。

長い梅雨が明けたと思ったら、殺人的な暑さ、マスクなど投げ捨ててしまいたくなります~。
ねこじゃらさん、どうぞ夏バテなどなさいませよう、お体に気をつけてお過ごしください。
返信する
たしかに! 投げたいです~=^_^= (ねこじゃら)
2020-08-28 10:04:24
エルトベアートルテさん

残暑お見舞い申し上げます
本当に、この暑さは異常ですね。
毎年そう言ってる気がしますが、暑さは確実に増していると感じます。

>マスクなど投げ捨てて・・・
エルトベアートルテさんのわたしの勝手なイメージを覆すコメントに
「そうだ、そうだ~!!」と笑いながら激しく頷いております
でも人がいないところでは、遠慮なく投げ捨てて・・ではなく
外して過ごさないと、熱中症も脅威ですし、
子どもの頃には想像すら出来なかった大変な時代になったものだと思います。

ラジオ体操にお父様も参加されたなんて、想像するととても羨ましい光景ですね。
そうそうノートも高学年になってからもらったような記憶もありますが
なにしろ大昔のことで微かな記憶です
プールで違う学校のお友達ができるなんていいですね。
やっぱり地域によってさまざまなんですね。

ちょうど先ほど記事を更新したところなのですが
今日でそらがうちに来て8年になるんです。
更新してすぐにエルトベアートルテさんからのコメントを拝見して
そらのことを書いてくださっていてとても嬉しかったです。
momoもきっと見てますね。
恥ずかしくないようにシナケレバ(あ、声が小さくなってしまいます~)


エルトベアートルテさんもどうぞお体に気を付けてくださいね。
コメントをいただいて、とても嬉しかったです。
ありがとうございました


返信する

コメントを投稿