ねこに ねこじゃらし

ねこのそらの話を中心に、ぽつぽつゆっくり更新しています。

秋刀魚と葡萄の季節だよ

2016年09月29日 | 日記



 夕餉のテーブルに魚が乗る日は

 もちろん猫たち そわそわとやってくる

 普段はマナーをわきまえたmomoの 遠慮知らずの積極姿勢に

 そらも一目置いて控えてる

 でもこの日は鼻をクンクン鳴らすだけ

 秋刀魚じゃないもん 








 秋刀魚だと こう

 止まらないよ 猫舌も忘れて








 半身近く食べちゃうから

 わたしにはワタと骨と少し身が残るだけ

 今に始まったことじゃなくて

    momoはずっと秋刀魚好き 






 秋刀魚が美味しくなる頃は

 田舎から葡萄が届く嬉しい季節

 そらも嬉しい 大好きな葡萄の箱

 







  でも今年は・・・











  入らないの?





   定点観測しようよ って言っても













  もうオイラ そんなこどもじゃ にゃいよ


  とでも言いたげな顔だよ


  はいはい 大きくなりました






  





 雨ばかりの9月

 洗濯物の心配をしてる間に

 気が付けば 彼岸花も盛りを過ぎて








 
 すっかり日も短くなりました

 10月は空高く 爽やかな秋らしい日が たくさん訪れますように

 

  
 



 




 

ハチャとメチャの歌

2016年09月13日 | 今まで会った猫たち
 朝から雨が降って少し肌寒いなと感じながら、

   板の間に座り込んで写真を探していたら、

   ふくらはぎが冷たくなりました。


   今日は昔、昔の、まだ若かりし頃、

   アパート暮らしで猫を飼うことが出来なかった頃のお話を書こうと思います 










 結婚して1年経った頃、哺乳瓶より小さな猫が2匹
飼ってはいけないアパートに1週間同居していたことがありました。
街の中で、生まれたての仔猫が4匹、ダンボール箱の中で鳴いているのに出くわしてしまったのが始まりでした。










誰が捨てたのか、へその緒も処理していない酷い状態で
目も開いていない小さな体を震わせて、仔猫たちはお母さんを求めて尋常ではない鳴き声を発し続けていました。


人だかりの中の人がふたり、それぞれ1匹ずつ引き取っていったのだと思います。
わたしたちは飼うことはできません。
でも、残された2匹はへその緒で絡まって、1匹のコは後ろ足にそれが強く巻きついて
信じられないほど大きく腫れている状態で、
猫を飼ったことも、詳しくもないわたしにも、このままではいけないことが分かりました。










結婚する前から猫好きだったダンナさんは、それまでも具合の悪そうな仔猫を拾っては
街の獣医さんに診てもらって、飼ってくれる人を探していたのですが
この時もそうする以外考えられませんでした。



すぐにいつもの獣医さんに診てもらうと
「今回は難しいな・・・」と先生がわたしたちを見ました。
母親から離すには小さすぎて、栄養も温もりも足らないこと、
へその緒が絡まった脚のうっ血が全身の血の巡りを悪くしていること
生きていくのに必要なものが足りなさすぎでした。

いつものように初診料を免除してくれた先生に
やれるだけやってみますと約束して連れ帰ったのですが、
ちいさいながらも飲み屋を切り盛りしていたわたしたちには
仔猫に最低限のお世話しかしてあげられませんでした。









一時は元気になってくれた仔猫たちでしたが
脚が腫れてしまったコはわたしがマッサージをしていた掌の上で呼吸を静かに止めました。

ひとりになったコはそのコを探し求めてクウンクウンと鳴き続け
ガクンと元気がなくなったかと思うと
一緒にいるって決めていたかのように亡くなってしまいました。


店の横に車を止めて少しの間を見つけてはミルクを飲ませ、マッサージをして
気持ちよさそうにしてくれるわずかな表情に勇気をもらっていたのはわたしの方で
わたしからあのコたちには、もっともっとしてあげなきゃいけなかったのにと後悔ばかりが残りました。











大きくなってくれることを信じて、誰かにもらわれていくからと名前は決めませんでした。
ただこのコたちがきて、はちゃめちゃに忙しくなったので
ハチャとメチャという仮名で呼んでいました。



それは1980年代の初めの頃のことで、街にはレンタルレコード屋さんが出来始めた頃でもありました。
AORが流行り始め、次々にレコードが発売されるので、ずいぶんレンタルしましたし
気に入ればレコードを買うために、カセットテープやケースには最低でもアーティスト名やアルバム名は書いていたのですが、
たったひとつだけ例外だったテープが、今までずっと大切な1本になって残っています。


「ハチャとメチャの歌」。
掠れた走り書きからは、このコたちがいてよほど忙しかったんだなと読み取れます。
レコード屋に行けば問題なく買えるからと忙しさにかまけていたら、
気づいた時には、誰のなんというアルバムかわからないままに時が過ぎていました。


たまに無性に聴きたくなって、調子が悪くなったカセットデッキで騙しだましかけてみると
掠れがちなハーモニーの向こうに、小さな毛玉のようなコたちがベッドの上をよちよち歩いていた姿が浮かび、
とても遠く、ほんの一瞬になってしまった時間が、自分たちの生活の中に確かにあったと感じられます。



どうにかしてこのレコード(CDでも)を手に入れられないかと探し続けて
つい先日、とうとう中古レコードで手に入れることが出来ました。
インターネットなんて想像すらしたこともない35年前
何の気なしにレコード針を下ろして録ったテープを今まで聴いていたなんて
あの時の自分が知ったらどんな顔をするかしら。
そんなことを考えて、少し緊張した手で針を下ろすと、じわ~っとこみ上げてくるものがありました。



ハチャとメチャには、天国で元気に生きなさいと言ったけど
あのあと、猫はすぐに生き返るんだよと親友が慰めてくれたんだっけ。


もう何回生き返った?

もしかしたら、今は momoとそらだったりして・・

               だといいな。



レコードが 誰のなんというアルバムかわかっても
わたしには ずっと『ハチャとメチャの歌』です 
これからも  ♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦



なんて言うと
「え、オイラたちの歌は?」ってそらに言われちゃうかな






夏の終わりに出会った本 

2016年09月03日 | 日記



 今年の夏は  夏らしい青空に白い入道雲

 そんな写真は ほとんどなくて











 印象的な雲模様に惹かれる

 そんな写真ばかりが 残りました









 
 午後になると いつ降るかしら?と気になった日が多かったような気もしますし












 家に着くまで待って~と 必死に自転車を漕いだのに

 家に着いたら 嘘のように晴れる 

 そんな日も多かったような・・










  図書館に行った日も

  本が濡れるから 降らないで~

  と帰ってきたら晴れましたっけ



  ホッとして麦茶を飲みつつパラパラ読み始めたら

  いつの間にか 夕方になっていて

  日が短くなったことを実感しました

  8月の終わりは 夏がそろそろ終わる そんな気持ちになりますね
 
  



  『ルドルフとイッパイアッテナ』 という児童書が原作の猫映画は

  観ようか迷いつつ 結局まだ観ていないのですが

  図書館で久しぶりに 作者の斉藤洋さんの棚の前に立つと

  こんな本に出会えました 『遠く不思議な夏』

  タイトルに一目惚れですが

  『ルドルフ・・』を子供達と読んだ頃に 

  斉藤洋さんのたくさんの面白い本を読んでいたので

  ワクワクした気持ちで借りてきました











  不思議ですね

  大好きな富安陽子さんのいくつかのお話に出てくる 夏 を

  斉藤洋さんの物語で楽しんでいる 

  読んでいる間 そんな気持ちがしました

  

  夏休みに毎年帰る というか行く 田舎という場所はなかったわたしですが

  このお話も 自分の子供時代を振り返るような懐かしさと 郷愁をかきたてられます

  夏休み という特別な季節だけに漂う 時間の歪みの気配と心細さ

  眩しい日差しが作る影の濃さ

  そんなもののせいでしょうか



  またひとつ 好きな物語に出会えた 8月の終わりでした




 

  こちらは富安陽子さんの本について書いたブログです


  よろしかったら 読んでみてください

  2年前は 青空に白い雲の写真でした