ねこに ねこじゃらし

ねこのそらの話を中心に、ぽつぽつゆっくり更新しています。

トイレの問題 そして酸素室を経て

2019年12月30日 | momoの乳腺腫瘍

 

 

 

momoを獣医さんに連れて行く日々に、もうひとつ心配事が増えました。

それはそらのトイレ問題。

momoが点滴を受け始めてから、トイレに走っていったはずのそらが

何もせずに戻ってくるようになってしまったのです。

様子を見ると クンクン匂いを嗅ぎまくって通過したり

入っても飛び出たり・・。

たまには用を足しているようですが、ものすごい数のペレットが飛散した様は

膀胱炎になってしまった時を思い起こさせます。

点滴の匂いが気になるのかと、ペレットもシートも取り換えトイレを洗って様子を見るも

効果が無くがっくりトイレの側に座っているとそらがきました。

試しにペレットをザクザクと混ぜながら「いつものそらのトイレだよ」というと

トイレに入り、ぐるぐると回った後、わたしの顔を見てからまっすぐ前に向き直り、勢いよくおしっこをしました。

あ~よかった。嬉しくて頬ずりしたいほど 愛おしい瞬間でした。

不安がそうさせていたの? 

答えはわかりませんが、トイレの問題は心配ですから、

草木染めで使うPH試験紙があるのを思い出して使ってみたり、

そらの後ろをついて歩き一進一退しながら、やがてその問題は収まりました。

 

 momoの「どこでもトイレ」状態は初めこそ困惑しましたが

ポケットに女性用のパッドを持ち歩くことを思いつき、様子を見てはあてがって解決していきました。

点滴のおかげで何度も、量もたくさん出るのですが、トイレに連れて行っても、もうちゃんと中にする姿勢をとることが難しくなったので

トイレの外に出ないようにうまく受け止められれば、ナイキャ!と小さく喜んで、

「それ」をくれた母に、いいものをありがとね~と心の中で感謝しながら

こんな話を母と出来たら楽しいだろうなぁと想像していたものです。(*母は特養で過ごしています)

 

 

 と、今書いていることは、記憶を辿って、ではありません。

次々に起こることを書き留める間もないので、写真を撮って簡単なメモを書いてスマホに保存していたので

読み返しながら書いているのですが、正直なところ遠い記憶というか、なんだか人の話の様な感じです。

実感が湧かないまま時間だけが過ぎている そんな感じがしていて・・。

  

  

  ここからは在宅酸素について、です。

 

先生から渡された在宅酸素サービスのパンフレットやHPを何度も見直しながら

信頼出来る会社だと思いながら、まったく未知のことに踏み出す勇気が今一歩でません。

でも、その間にも目の前ではパタンと横になり、苦しそうに顔を上げるmomoがいます。

考えているひまはない、と自分に言い聞かせて日本医療に電話を掛けました。

丁寧な説明の後、「このお電話でお申し込みをたまわりますが」と言われたので

電話をした時点で申し込む気持ちが固まっていたのですぐにお願いすると

獣医さんに処方の確認を取ってまたすぐに折り返しの電話がきました。

医療機器なので お医者さんの処方が必要でした。

設置は翌日の午前中と決まりました。

momoが今まで吸ってきたこの場所のこの空気ではもう暮らせないんだ、

今までの当たり前が遠くへいくような淋しい気持ちと

あーこれでmomoが楽になる、と安堵する気持ちがないまぜになりましたが

電話を掛けたことで、いつもと変わらずなるべく明るくmomoとそらと過ごそう、

そう吹っ切れた気がしました。

 

 

 

 

 

朝4時半。

momoが頭でわたしの手を押してきました。

ご飯? 「ごは~ん」か細くなった声ではっきり催促したmomo。

ダンナさんは既に出勤していたので、わたしが支度に立つと歩いて台所まで食べに来ました。

でもちょびっと食べただけで息があがり、カーペットに戻ったところでコロン。

 

 

 

 

9時過ぎ。催促してまた少し食べました。

最後の点滴には「食欲が出る」副作用があるステロイドが入っていたのでその効果かもしれませんが

食べることで少しでも体力がつけばと、何度でもちょっとずつ食事にしました。

食べて指定席まで戻って一旦休憩、5分経つとまた食べにくるを繰り返すこともあるmomoに

間違ってお水を勧めた時の落胆ぶりときたら・・。

ヨタヨタな足取りでも「自分で食べに行く」姿勢を見せるmomo。

忘れないよ、いつか真似するからね。

 

 

 

 

ずっとこんな時間が続くと思っていたよ・・

切なかったひととき

 

 

 

 

 

 

11時少し前、30kgもある機械を一人で持ち上げてくださって設置完了。

ケージにビニールをかけた簡易酸素室に通した管で酸素が送り込まれる。

いろいろな説明をして担当の方が帰った直後、momoを毛布ごと酸素室に入れました。

 

 

 

 

一瞬不安そうにしたmomoですが、すぐに気持ちよさげに

安心したように体を伸ばしました。

楽なんだにゃ。

 

心配そうなのはそら。

 

 

 

 

呼吸が楽になったmomoを見て安心すると、わたしはドラッグストアへ急ぎました。 

酸素室の中にペットシーツを敷かないと。なんで前もって用意しなかったかな。

ところが ペット用シーツはどれも大きすぎますし

人間の介護用品売り場のものも やはり大きさが合いません。

最後に人間の赤ちゃん用のフラットなライナーを見つけたので購入したのですが

家に帰って開けてみると女性用のパッドと大して変わらない大きさでがっかりしました。

 

ですが、これが大正解でした。

神経質なmomoのこと、おしっこが出なくなったのではと心配になった次の瞬間

あ、これ、吸収したら表面はサラサラ しかも匂いもしない

CMの通りと感心しきりでした。

これでmomoがどんな向きになっても安心です。

わたしが手を入れてmomoの体勢を無理やり替えたりせずに済みますし、

汚れた部分だけを取り換えて、momoを快適に過ごさせてあげることができました。

 

 

 

 

酸素室に入ったmomoをご飯やお水、トイレのタイミングで出すときは酸素濃度を徐々に下げたり難しいことが必要なのか

担当の方にきくと、主治医さんに確認してくださいとのことだったのですが

 

 

 

 

 

ここに入ったお陰で体が動くようになったmomoの行動で、

どんどん解決していくのが、こんな状況でも喜べることがあるんだと感激でした。

 

 

 

 

夜の合宿生活も苦しそうな表情が消えたmomoに安心して寝込んでしまうと

開けていた扉からバリバリを頭で開けて出てしまい、カーペットの上で寝ていたり

 

 

 

わたしがトイレに行った隙にお風呂場まで遠出・・

さすがに帰りは途中で横になってしまうので

寝る時は柵を閉めることにしたり

酸素室を借りて本当に良かったと思えたことは

 

 

momoが元気を取り戻した姿を見せてくれたことでした。

 

 

 

トイレに行くという強い意志を感じた時は

呼吸困難がどれだけmomoから行動力を奪っていたのか

いやというほど思い知らされました。

 

 

 

そこトイレって決めてない?

出るなり用を足すmomo。

トイレに間に合わなくても

寝たままではしないにゃん

トイレの問題って、誰にとっても最後まで大切なんだな。

よく覚えておくよ。

 

 

 

テレパシーの交換?

気づくとふたりはよく見つめ合っていたなぁ。

 

 

 

 

 

リラックスできたね

 

 

 

 

 

 

 

 ここまででかけてきたmomoを連れ帰る時

後ろ足が、自分で帰れるにゃん

って反発してたね

すっごい嬉しかったよ

 

 

 

14日の土曜日には 何度も何度も脱走を繰り返し

もうあの部屋には戻らないって決意表明かと思ったほど

30分もわたしにだかれて過ごしてたけど

最後には自分から酸素室に戻ったmomo・・・。

そう、momoが決めていいんだからね。

猫はその時を察すると姿を消す・・その言葉にずいぶん縛られて

かえってmomoを困らせたかもしれません。

 

夕飯はダンナサンが買ってきてくれたアジを思いっきり食べて

わたしの指まで噛んでくれたね

 秋刀魚一筋をどんでん返しの晩秋

 

 

 

 

 

 

 

 

酸素室に入って増えてた食事量が元の量に戻り 

月曜日の昼過ぎにジュレを食べたけど

昨日のような元気は出なかった

 

 

 

 3時半、momoが柵に頭を押し当ててうっ伏している、

ハッと目が覚めたけどそれは夢だった。

でもmomoの息は静かすぎて寝ることも出来ないので起きることにした。

時間が経ってもmomoが静かなままで

それでなのか、それまで酸素室の機材にまったく頓着のなかったそらが

管やビニールに執拗にじゃれ始める 。

それでもmomoは無反応で 

寝そべってすらご飯も食べず、お水を飲んではガタンと音を立てて倒れこみ

おでこを撫でても甘える仕草もなくなってしまいました。

酸素室の中なのに苦しそうなmomo。

わたしが決めることではない。

でも最後は抱っこしていたい。

 

 

momo 抱っこしていい?

マフラーでくるんで抱き上げ、大好きだった二階の部屋をまわり、ベランダに出てお日様を浴びて、

窓辺に腰を下ろした時momoがわたしの顔を見上げてはっきりと「お・・」「お・・」と言いました。

話しかけてくれていると思えるはっきりした口調でした。

そのあとゆっくり目尻を下げ口角をあげたmomo。

笑ってる。

スローモーションのような一瞬でした。 

 

 

 

 

 

momo姐は

ここから空に行ったんだにゃ。

 

 

今でも反芻してみます。

振り返っても何処にも姿のないmomo。

哀しくて仕方ないですが、

たしかに一緒にいたという実感が少しずつ増してきて、

支えてくれていることを感じ始めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


momo とそらの時間 病院に行くサイン

2019年12月28日 | momoの乳腺腫瘍

 

 

一昨日 クリスマスツリーを仕舞いました。

なんだか momoがいた時間まで仕舞ってしまうようで淋しくて

気乗りはしませんが 出したままというわけにもいきません。

去年ツリーを仕舞う時「来年も一緒に見ようね」と祈るような気持ちだったこと、

そのくせ飾る時には、数週間後にこんな気持ちになることも想像すらしなかったなぁと、

自分の気持ちばかりに向き合っていましたが・・

 

 

 

 

いち早くmomoの首輪を咥えた そら

 

 

 

 

これはオイラがもらうにゃん とでも言わんばかり。

驚きの行動でした。

 

momoにかかりきりで そらには淋しい思いをさせてしまったね

なんて思っていたことが恥ずかしくなりました。

momoがいなくなったことが淋しいのにね。

そら ごめん。

 

 

 

 

 

 

やっと見返せるようになった写真には

わたしがお医者さんに連れて行くより早く

momoの不調を気遣っているそらがいて

 

 

 

 

momoが迷惑そうにしたって 寄り添いたい。

そらが来た時から ずっと迷惑顔だったmomoがいなくなって

そらは初めて ひとり ってことを知りました。 

 

 

 

 

 

昨年の夏に乳腺腫瘍の診断で全摘手術を受け 転移も見つけられていたmomoですが

先生のお話よりずっと経過が良く 秋に一度はっきり現れたオデキが次の診察では見つからなかったこともあり

それ以来 経過観察の通院もしないで過ごしてきました。

人間に限らず 病院に行くことを普通にこなせるタイプと

病院に行くだけで病状が悪化しそうなタイプっていると思うのです。

わたしは30代初めに「不治の病」と言われて以来 数か月に一度の通院が当たり前になっていますが

momoは人相が変わるほどのストレスで 明らかに悪化させるタイプです。 

ですから、もういよいよというときまで1日でも長く 

家で普通に過ごせる間は過ごしていいよ そんな了解がダンナさんとの間にはありました。

ただ ‘その時‘が来るのはもう少し先 と思っていましたが。

 

 

「仮病だといいね」を書いたたった数日後

トイレに連れて行ったmomoの様子を見ていると 

どこでもシレっとおしっこをしてしまうmomoとは打って変わって 

痩せ細った体が張り裂けそうなほど気張り始めました。

うんこがしたいんだね なのに出ないんだ。

出なくなって3日目のことでしたが それほどまでにと思う姿に

この症状だけでもなんとかできないものかと 病院に行く決心をしました。

久しぶりにケージに入るのに ほぼ抵抗もせず

とても寒い日でしたから 早く着くように必死で漕ぐ自転車の後ろで

おとなしいmomoでした。前はあんなに泣き叫んでくれたのに。

 

 

 

 

 

検査を受けるmomoを残し 一旦帰宅してまたすぐに獣医さんへ行く道すがら

夏真っ盛りだった去年の術前検査の日が甦りました。

あんなに泣きたかった日でさえ 今は戻りたい日だなぁ と。

 

便秘は大したことはなかったのですが

腫瘍がいくつも見つかり

レントゲンには転移した肺が真っ白に映っていて

「人間でいえば高山病にかかっているような感じの息苦しさですね」と言われました。

脱水症状のせいで上がっている数値は点滴でさがるだろうとのことで、

実際 点滴後に帰宅すると 表情が変わりました。

 

 

 

 

 

 

量は減っても食欲はあり 催促する声もいつも通り

 

 

 

食後は膝に飛び乗ってきて眠る いつものmomoでした。

 

 

 

 

 

ちょうど帰省した大好きな兄ちゃんの膝で一緒にテレビを観たり

 

 

 

早番のお父さんが車で病院に連れて行ってくれたり

momoに合わせるようにお姉ちゃんも家にいてくれた12月。

momoは囲まれて 嬉しかったかな。

 

 

 

 

 

 

時間を短くしてもらった仕事に行く前

こんなふうに甘えてくると 離れられないよ

帰宅してmomoの顔を真っ先に確かめる そんな日々が続きました。

 

 

 

 

 

毎日点滴に通って3日目にこんなことがありました。

家に帰り 昼ご飯を食べ始めたmomoのお腹から

水滴というより水がしたたり落ちて溜まっているのです。

仰天してすぐに獣医さんに電話をかけると

針を刺した箇所からならあり得ることですと言われて確認してみましたが やはりお腹から出ています。

それでも当のmomoは まったく意に介さず食事を続けていますし

その後は ゆっくり眠りの態勢に入ったmomo。

夕方 様子が変わったら連れていこうと思いましたが その後は何ともなかったどころか

トイレに連れていったら プイッと出て行き

そのままトコトコ階段を上り あっという間に二階にあがったのです。

点滴で脱水症状が軽くなって こんなに身軽に? 不思議な気持ちでしたが

後になってみれば momoが自分で二階に行ったのは これが最後でした。

 

 

 

 

点滴4日目は昨年手術をしてくれた先生が診てくださり

点滴は皮下にしているので 腫瘍の傷口から漏れたのでしょう と教えてくれました。

3日目の先生にも言われましたが もうしてあげられることがない という声と

猫ちゃんは具合が悪いと トイレ以外でおしっこをしちゃうのよね とmomoに味方するような話し方が

今も耳から離れません。

momoはちゃんとサインを送ってくれていたんです。

受け止めるわたしが呑気で momoは何度もため息をついたかもしれません。

 

皮下点滴はお家でも出来るのでご指導できます とも言われました。

通ってくること自体がもう負担だと 先生は伝えてくれたのです。

そしてパンフレットを一枚渡されました。

それは去年聞いた これからの病状についての話に出てきた

最後は肺に転移して呼吸困難になる ということが今momoに起きているということで

してあげられることと言えば『在宅酸素サービス』だけだということです。

信じられなくても 考えなくてはなりません。

パンフレットを何べんも読み ネットでHPも見ました。

翌日 電話でもう一度説明を聞き すぐに申し込みました。

酸素サービスなんておそろしげな機械が部屋に来るなんて

momoはその中でどうなるのだろう?

 

二階で寝ているわたしの布団にも来られなくなったmomoに

湯たんぽと毛布を用意して二階に上がりましたが とても寝付けず

娘の寝袋を出してmomoの側に寝る 夜合宿が始まりました。

もちろん そらも一緒でした。

 

 

 

 


オデキはどこ?

2018年10月03日 | momoの乳腺腫瘍





9月の半ばにオデキが現れて
2週間 momoは抗生剤の錠剤を服用していました

それはオデキがなくなるような薬ではなくて
化膿しないように処方されたものでしたが

昨日 嫌がるmomoをカゴに入れて
獣医さんに診察に行くと

わたしが初めに見つけたオデキが無いのです
手術の時に剃ったお腹の毛が生え揃ってきたうえ
仰向けにしないと見えないので
わたしひとりでは とても確認しづらいのですが
看護婦さん二人がかりで手足を抑えて
先生が必死に探しても 見当たりません

胸の方の小さいオデキは 2週間前とさほどかわらない大きさのままで
そのかわり 脂肪の塊のような箇所が新たに出来ていましたが

今回はお薬辞めてみましょう

と嬉しいお言葉


抑えられ まさぐられ お冠だったmomoに
先生がメディボールのご褒美
先生の手からは食べなかったmomo
わたしからは ぺろっと食べて笑いを誘いました













家に帰ると 念入りに毛づくろい
オデキを舐める様子もなかったので
エリザベスカラーもウェアも用無し
よかった よかった











秋になって おねーちゃんのベッドが心地よい季節

キラキラが付いた服もらった にゃ~ん

とでも言いたそうなmomo










一方 そらは

ん? そ それは

おとーさんの靴下だよ

でも気持ちよさそうだから  いいか~













オデキ現れ 保坂和志さんを知る

2018年09月19日 | momoの乳腺腫瘍




一昨日の朝、7時前。
台所の流しで momoがなにやら熱中してました。

あら~それは 置きっぱなしのお姉ちゃんのカップ
そこに手を突っ込んで お水を飲んでいる。


うちのダンナさん めっちゃ早起きなので
そらの腹時計も早起きです。
でもそらは食後にお水を飲むと 吐いてしまうことがあって
ダンナさんは お水をあげません。
というわけで わたしの一番の仕事は水を上げることなのですが
この朝は よほど喉が乾いていたんだね。














わたしが洗濯かごを持って階段を上がり始めると
サッと追い抜いて ベランダに飛び出す。
そんな手術前とかわらないmomoの姿がまた当たり前になり
安心しきっていました。
それが・・



お昼前 仰向けになったmomoに
今日は蒸し暑いもんね~と近づくと
足の付け根に   
出たな オデキ。

わたしが覗きこんで お腹を触ったので
すぐ伏せのポーズになったmomoを抱き抱えて
もう一度確認すると 一つではありませんでした。


気にしてる様子も 舐めてる様子も
わたしには見えなかったのに
油断した隙をつかれたような・・・。



昨日 朝ごはんの後 わたしの布団の上で寝ていたmomoに
寄り添うように そらもすぐそばに並んで寝ていて
そんなふうに気持ちよさげに過ごす二人を見ていると
その時間を裂くのが罪な気がしました。

でも早いほうがいいよね
ケージを持って再び二階に行くと
さっと身構えたmomo。
でも半ば分かっているよう、
その場から動こうとはしませんでした。
いくらでも棚に飛び乗って逃れられるのに。










心配顔のそらが見送る玄関の外は
秋の気持ち良い日差しが満ちて
自転車の後ろで鳴き続けるmomoが
少しでも 外の空気を気持ち良いと思ってくれないかなと
振り向き振り向き 漕ぎました。
 
早すぎる獣医さんへの再受診で
重い気持ちで診察券を出すと 
受け取った看護婦さんも 心配顔。

昨日は空いていてすぐに呼ばれて
診察台でまずは体重測定。
食欲も増え 元気でいたのが裏打ちされました。
4.15kg
今にも台から飛び降りそうなmomoを
看護婦さんとわたしで抑えて 先生が慎重に触診します。

左足の付け根は手術したときに 既に転移していると言われた箇所で
そこに二つ 
それと胸の方にも ひとつ
リンパの流れに乗って そちらにも転移したようです。


先生の見立てでは 舐めているようで
カラーかエリザベスウェアで舐めないようにというお話も出ました。
でもカラーは momoの生活の質がぐっと下がります。
ウェアはサイズの合うものがなかったのですが
それもmomoにとっては迷惑なもの?
避妊手術後に 簡易的なウェアを着たmomoを思い出しました。
でも 今度はいつ脱げるようになるのか
もっと後でまた判断する時がくるかもしれませんが
今ではないと思いました。


オデキが化膿しないようにする抗生剤は 
今度は注射ではなく錠剤にしました。
薬を包むメディボールがmomoの好みで
薬を飲ませるのがストレスのない 楽しい時間に変わったおかげです。





足の付け根にオデキが出て来ても
momoは 取り戻した元気な状態そのまま
ぴょんぴょんと そら以上に 家の中を軽やかに歩いています。





わたしはといえば 狼狽えそうな気持ちを
何かで落ち着かせようとしているからか
このタイミングで偶然 保坂和志さんの本に出会いました。










先週だったか新聞に紹介されていたのは新刊の『ハレルヤ』という本でした。
愛猫さんの死を書かれた小説だそうです。
恥ずかしながら今までまったく存じ上げなかった作家さん
『現代猫小説の第一人者』と読んでさっそく図書館で探してみました。
たまたま手にとったこの本、目次に「キース・リチャーズはすごい」という項目があって
音楽小説も書かれるのかと借りてきたのですが
まだ読んでいる最中ながら猫のことがひょいひょいでてきますし
年代が近いせいもあるのかもしれませんが
生活というかこの年齢に差し掛かって過ごす毎日の中で
なにやらモヤモヤしていることを
文章にして示してくださっているような
そうそうそうなんです
とわかってもらえたような心持ちになれることが多く
とても救われています。




今日もそろそろ仕事に行くので
空いた時間に 遊びたいな~
なんて思うのですが・・・










気持ちの良い窓際で
猫は寝ています

そういうもんです にゃ












momoにおできができた 9

2018年09月18日 | momoの乳腺腫瘍
これが最後の過去記事になります。
手術の当日。7月30日。
もうずっと遠くに追いやったつもりでいたのに
まだすぐそこにあるあの日です






momoは肝を据えたんだ。

そう感じました。

獣医さんの入っているホームセンターの入り口に入った瞬間
鳴くのをやめて落ち着き払った時。

獣医さんの待合でもそれは変わらなかったし
診察室に入って かごから出る時も
あんなに手足を突っ張ったのがウソのように
素直に出てきた。

先生に泣きつくようにまだ質問を続けるわたしを
momoはどう見ていたんだろう。


99.9%手術と決めていたのに
0.1%が大きく膨らんでしまい
もし、しなかったら とか堂々巡りで寝付けず
先生と話して やっと お願いすると決意出来た。

カラーをつけるにも まったく抵抗せず
袋に入るのも 嫌そうな顔をしただけ。

麻酔の時の点滴を嫌がるようだったら
わたしが顔を見せることになっているけど
きっと必要じゃないね。


誓約書に記入して お願いしますと 歩き出すと
もうこらえるのがやっとで
泣き顔になった
でも、だめだ
momoがどんな気持ちか考えたら
わたしは強くいなきゃ

軽くなった自転車
さっきまでmomoの泣き声が響いていた 道
自分が生きている限り 生きていく場所


家に帰ると 休日のダンナサンにご飯をもらったのを残して
そらは2階で淋しそうに 伸びていた

昨日の夜9時が最後のご飯で
お水も朝から 一緒に我慢してくれた
momoの方が必死でねだるのに
そらは まったくねだらなかった



かごに入れた時の 
自転車に乗せた時の
momoの「行きたくないよ~ ここにいるよ」とでも言わんばかりの泣き声が
今日は耳から離れない


どうぞ 手術がうまくいきますように


momoにおできができた 8

2018年09月09日 | momoの乳腺腫瘍
   すみません。またまた過去記事です。
今日は7月23日に下書き保存した、手術の一週間前の様子です。
手術を受けさせるか否か。
決められずにいた頃です。 









今日は東京で観測史上初の40度が観測されたほど酷暑の日。
朝から 抗生剤の注射と、病理検査の結果を聞きに行こうと決めていたのに
グズグズしてしまった。

10時には、先生の方から電話をいただく。
その結果の件だった。
手術の時に血液が止まるかどうかの検査は、問題なかった。
急に進行してしまう型でもなかった。
そして細胞診については、まだあまり悪い顔つきではなかった、という。
「顔つき」が腫瘍の良し悪しを表すと一昨年の冬に本で読んでいたのだが、
その「顔つき」が、そう悪くないというのは、わたしにはとても救いに聞こえた。

とはいえ、先生は繰り返す。
猫ちゃんの乳腺腫瘍の9割は悪性であると。
わたしは良性にかけたい。
いくつも腫瘍ができているけど、見つけた腫瘍は大きいけど
いつもとかわらないmomoを見ていると良性だと思う。


momoは、かーちゃん そんなに変わらなくないよって
思ってるかもしれない
辛いけど 静かにしてればダイジョブにゃん て。



先生は、手術ができることが明らかになっても
決して 手術を押し付けることはない。
今できている腫瘍を取り除くのが目的ですと。
再発はおそらくしますと。
だから手術するかどうかを ゆっくり考えてくださいと。


momoはこんなに暑い日で そらもリビングにいる今日なのに
2階で 朝ベランダから入った時に見つけたそのままで
ハンガーラックの下に隠れてじっとしてる。


今日は風があるのが救い。
窓をどこもめいっぱい開けて網戸にしてあるけど
階段を登って行くと 息が苦しくなるほど暑い。


4時になったら 注射に行こうか。
またmomoにストレスかけちゃうな。


でも傷が痛まず、乾いていてくれることで
momoもああしていられるはずだから。



momoにおできができた 7

2018年09月07日 | momoの乳腺腫瘍
  またまた過去記事、7月20日に書いていた日記です。
  
 
台風21号の爪痕も生々しい日本に
追い打ちをかける北海道の震度7という大きな地震。
被災された方にはお見舞い申し上げるとともに
決して他人事ではないという気持ちも膨らみます。 

こんな大変な時に何を些細なことで・・・
と思われそうな至極私的な時期の話ですが
そろそろ7月のことは切り上げなきゃ、
という気持ちにもなり 投稿します  





一見涼しげな部屋ですが エアコンはリビングにしかないので2階の暑さはサウナ並みです




身近な誰かに病気が見つかったのが 自分の仕事の繁忙期だと
そんなことを言っていられない という建前と
違った時期だったら という本音がせめぎ合う。


今日から夏休みの繁忙期に突入。
10時半からの勤務前に momoの様子を見ると
2階のプレーヤーの上でごろりとしているのは変わらなかった。
ただ、近づいてお腹を見ると
ごく少量だけど鮮血がお腹の白い毛を染めていた。
こころなしか元気もないようにうつろな目で
哀しそうに小さく鳴くようすは
このまま出かけてしまうのが心配になる。









今日の帰宅は16時過ぎ
その時の様子次第では 医者に連れて行こうと決めて出勤したものの
momoのいる部屋の窓を閉めて来たことも気になって
長く感じる勤務時間だった。











階段の下の方で 
そらは いつものポーズでじっとしている。
momoのこと、頼んだよ。
そんなこと言われても 困るよね。



今日も暑い日だった。
帰宅して玄関に入ると
階段を少しだけ降りてきた様子のそら。
momoの気配はしない。
momo~と呼びながら階段を上がると
プレーヤーからは降りていたけど、やっぱりあの部屋。
蒸し暑い中で、でも行く前に見せたような弱々しい印象は消えていた。


そらにせがまれご飯を出していると
momoも降りてきた。
チャオのカツオの封を切ると
期待に満ちた声で にゃ~んと鳴いて目の前に来た。
力強い噛み方。
目にも力がある。
安心できるな~、ありがと、momo。


汚れたお腹の毛を拭こうかとウェットティッシュを持っていったけど
一蹴された。
プレーヤーのカバーには、ほんの少しだけ膿っぽい汚れがあったけど
思ったほどでは全くなかったし、
抜け毛の季節だから、さっと拭き取って清潔にしておくことだけに留めた。















こんな状態なのに?
いやいや、これっくらいでこちらが気を使っていたら なんだかmomoに失礼。
今日は用事があり これから出かける。
明日は朝から夕まで仕事、のち、盆踊りシーズンも始まる。


もちろん 様子を見ながらだけど、
いつもと同じようにしていないと
momoの病気が態度を大きくするような気がして
気持ちで負けたくないから、
出かけられるときは 出かけることにする。





今年の夏が終わる頃 

2018年09月04日 | momoの乳腺腫瘍

  だいぶ毛が伸びたにゃ~ん


8月30日 momoの手術から一ヶ月が経ったので

術後の検査を受けに行ってきました。


昼寝をしていたmomoは 突然の悲劇に激しく抵抗

おかーさんが運転する車の助手席は 12年ぶりだね

なんていうわたしの思惑は完全に無視され

お腹の底から 恨みま~す にゃ! とばかりに

ダミ声全開で

喉が壊れてしまうんじゃないかと心配になるほど



待合室で落ち着いたのも束の間

仰向けの触診で 怒り再燃

レントゲン室まで わたしも同行を頼まれる始末でしたが

撮る寸前に退室して もう一度入室したとき

momoが必死でわたしを探す視線と目が合いました。


こんな状況の中にも

喜びの一瞬があるんだな

じ~んときた後 胸の中に熱いものが漲りました

またmomoに 励ましてもらったようです にゃ














おかえり momo姐~

そらがべったりくっついていくのを

渋々受け入れるmomo

先生が触ってわかるような 新たなしこりも無く

肺の中に白い影も ありませんでした

何もなければ3ヶ月後

レントゲンを頻繁に撮ることに抵抗を感じるので



このまま 治っちゃえばいいね 















手術前と大きく変わったのは

momoがすっかり2階に行かなくなったこと

でも それだけです

手を伸ばし momoに触れる

滑らかな毛並みに戻ったmomoを触ると

治る って伝わってくる

それを信じて また撫でて・・。














ところで

8月28日で そらがここに来てから6年

山の中で 初めて会ったときは

掌に乗るほどだったのに

いつの間にやら

立派なお腹のおっさんに育ちました。





   掌サイズのそら はこちらから







ちょうど そらがうちに来た夏は

前のパソコンが うちに来た夏でもありました

そらが来るより 少し前でした

そのパソコンも ずいぶん前から ‘首の皮一枚‘のアブナイ状態で

騙し騙し使ってきましたが とうとう新しいのを注文し

新しいパソコンが届いたのは momoを獣医さんに連れて行く直前 

忙しい日々の終盤でした。



夏休みの繁忙期がようやく終わり

昨日から少しづつ 写真を整理し 移し始めたのですが

少し前と思っている日々のなんて懐かしいこと!

前のパソコンがきて なかなか慣れずに奮闘していたそばで

6歳のmomoは のんびり昼寝をしていたっけ

なんだか聴いていた音楽まで 思い出せそうです 



そんな穏やかな6年が

そらの突然の登場で幕を閉じ

喧嘩ばかりから 少し仲良しになり

同じだけの月日が過ぎた今年の夏は

思いがけない夏になってしまったなぁ

人って一気に年とるんだなぁ なんて

家族や仲間の 思った以上に若くて元気な姿に 感傷に浸っていたとき

思わず笑ってしまったのが momoのこんなお茶目な姿










これはプリントアウトしなきゃ 

クラウドに預けたり 人と共有することがあったり

写真の整理も 多様になってきたけれど

やっぱりお気に入りは 紙に焼いて持っていたい



そんな自分の当たり前を

momoの写真が久しぶりに 思い出させてくれました







外は こちらでも 風が強くなってきました

台風さん どうぞ お手柔らかに過ぎていってください

みなさま どうぞ お気をつけて

わたしも これから仕事に向かいます




momoにおできができた 6

2018年08月25日 | momoの乳腺腫瘍
  猫の映画だから
    それくらいの気持ちでみた映画から
    その時に とっても必要としている力がもらえる
    若かった頃は それを偶然と呼んでいたけど 
    これはきっと必然
    今は力まずに そんな風に思う
    
    役の中のもたいまさこさんに
    教えてもらいました 

    もう一度 観たい映画です 


    7月18日の日記の下書きより  
  






ダンナサンが休み 外は酷暑
ディスカスで借りっぱなしの映画を観る

「先生と迷い猫」
今 見たほうがいいよ
誰かが そう仕組んだ?



momoもそらも 生まれてきたからにはいつか死ぬ
わたしも ダンナサンも 子供たちも みんなみんなそうだ


だけど
だから
出会えて 一緒に生きてる時間を過ごせたのは幸せなんだ
そんなこと さりげなく教えてくれた


怖がっちゃだめだ
自然の摂理だから
やさしい目で 受け止めて
一緒に 慈しみ 過ごす その時まで


そらのナイスおせっかいと黄色いタオル

2018年08月25日 | momoの乳腺腫瘍




momoが 一日の殆どを

オレンジのタオルの上で過ごしていたある日のこと

そらが なにやら 話しかけていた











momo姐 

もう元気になったんでしょ?

オイラ知ってるにゃ


ちっとは ここから離れた方がいい にゃ




なんて言ってるのかな 

なんて思いも あながち間違ってなかったみたい





おぉ momoが 動き出した








パラボラアンテナのような

邪魔っけなカラーが取れたんだから

こんなの楽勝だよ


そう気づかせてあげたのは そら









気が付くと 前は大好きだった窓際に










食卓に と出張ってくるようになっていたよ

この夜は カンパチのカマ

美味しそうに ムシャムシャ 

生き生きしたmomoの表情に

思わず そらにもご褒美あげました









仲良しな場面も増えて










あ オレンジのタオルは空っぽ












オイラが見張ってるから にゃ














カラーさえなければ

ここにも入れる









こ~んなに 丸くなれる












はいはい わかったってば

そんな表情で 窓際へ行くmomo










だから 来たにゃん

あんたが言うから









他になにか モンクあるにょ?











あの~


momo姐・・・









あ~寝ちゃった にゃ

オイラも眠たさには勝てにゃいにゃ


でも


でも










いつのまにか そらは

黄色いタオルが オイラのだって

それをmomoに言いたかった らしいって

この収まり具合から 伝わってきたのでした