goo blog サービス終了のお知らせ 

あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

高橋源一郎著「ゆっくりおやすみ樹の下で」を読んで

2018-12-22 11:11:01 | Weblog


照る日曇る日 第1180回


「日本文盛衰史」の傍流から派生した、タカハシ源ちゃん、はじめての童話ずら。

良い子の皆さんに読んでもらう小説だから、これまでになく時間をかけて慎重にプロットを練ったそうですよ。

舞台は鎌倉で、ミレイちゃんが夏休みに訪れる先祖代々の旧家には、上空で芳香を放つサルスベリの赤い花や、ぬいぐるみのテディペアや、主著の「日本文盛衰史」ゆかりの文芸ネタやさきの戦争の生々しい体験や記憶、おまけにチャーミングなオバケまで登場するのです。

が、それがあまりにも盛沢山で、物語としては複雑かつ重層的な構造なので、頭の良い中学生はともかく、昔のぼくみたいなボケっとした小学生なんか、大丈夫だろうか?ついていけるだろうかという、いささかの懸念はありまする。

  またしても「我良し」の世になりたれば思わぬ戦も起こるであろう 蝶人