灯台下暗し -カッターナイフで恐竜を腑分けした記録-

仕事で携帯向けアプリを書いて、趣味で携帯電話を買い、趣味で同人小説を書いて、何もしていません。

怖い実験

2017-12-24 11:29:05 | Weblog

ここ最近、ある心理学実験を思いつき、ほくそ笑んでいました。

まず、複数の被験者に集まってもらい、お互いの前で自分の意見を主張してもらいます。政策や男女差別への認識など党派の違いにより嫌悪感が生じる議題は避け、人の性格に対する意見など軽い議題で語ってもらいます。そして、被験者には他の被験者に対して、主張の是非はさておき、相手が「重要な場面で誠実に発言する人なのか」を判断してもらいます。

それと平行して被験者に心理テストを受けてもらいます。「自分の業績は評価されているか」「世間には上手に世を渡る人が多い」などの項目に回答してもらいます。

心理テストで計りたいのは、自分の業績・重要性を過大に評価し、他社の業績・重要性を過小に評価する心理状態である「自我肥大」です。「自我肥大」は、精神科の臨床上、自らの利益のために嘘をつくことに良心の呵責を覚えない心理状態として知られています。ただ臨床上の経験談では心理学実験として弱いので、先行研究論文があることが望ましいです。

この実験で何が分かるか。他人からの「重要な場面で誠実に発言する人である」という評価と「自我肥大」に正の相関があれば、被験者達は嘘をつくことに良心の呵責を覚えない人間を信頼していると分かります。信頼されるのは正直者なのか嘘つきなのかという問いに、思考実験ではなく、実地の答えが出ます。

僕は先行研究の知識が足りませんし実験の細かいテクニック(バイアスの避け方、等)も知りません。大学で心理学を専攻している方がいらしたら、この思いつきを利用していただいてかまいません。実施の報告も要りません。ご自由にお使いいただけませんか。

と思ってほくそ笑んでいたのですが、もし、世の中では嘘つきの方が信頼されているという実験結果が出たら、私たちは次の日からどのように生きていけばいいのでしょう?

よくないものは、見えない方がいい。そのことに気づいて怖くなりました。

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