行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

文化大革命50年の記念日が近づいている

2016-05-11 04:19:36 | 日記


昨日、米国にいる中国の知人から、ニューヨークのチャイナタウンで13日から始まる「文化大革命50年を反省する写真展」で展示する中国語の解説文が送られてきた。「日本語にして日本にも伝えてほしい。中国人は情報を閉じ込める籠に押し込められ、封鎖されているからだ」という。深夜から訳しはじめ、先ほどようやく終わった。現代中国政治について何度もお互いの見解を語り合った仲でもあるし、格別、新奇な内容が含まれているわけでもないが、彼の文章に引き込まれてしまった。

遠方のチャイナタウンで黙々と準備をしている姿を思い浮かべた。5月16日は文革発動の起点とされる記念日だ。半世紀を経てなお清算ができていない歴史に対し、真摯に向き合おうとする姿に背筋が伸びた。私は、彼の主張すべて肯定しているわけではないが、困難な中でも、危険を承知で、声を発する姿勢に感銘を受けた。寝る時間を削ってでも彼のために何かをしたいと思った。

「今日に至っても文革の災難がもたらしたすべての生命、財産の損害は明らかにされず、人民への謝罪や賠償もされず、無辜の死者に対する祭礼や記念もなく、悪事を行った者に対する広範な処分も行われていない」

彼はこう書いている。毛沢東が政敵を打倒する政治闘争として大衆を動員し、毛沢東の個人崇拝が極限にまで達した。これによって数千万の犠牲者を出した。毛沢東の死後、中国共産党は毛沢東の非を認め、一応の決着をしたが、十分でなかったことは否定できない。彼は「林彪と江青の二つのスケープゴート集団を裁判にかけ、打倒された官僚集団が復帰した後、一種の狭隘な自己集団の利益に沿った復讐をしたに過ぎない」と言い切る。不徹底な反省が、今日に至るまで文革再来の芽を温存しているとの警句は、民主派知識人に共通している。



展示には日本における文革も紹介される予定だ。「日本の左翼と中国共産党に支持された赤軍が東京で文革をしでかし、東京大学を占拠し、郵便局を襲撃し、警察から銃器を奪った。その後、赤軍は山中に立てこもったが、内部闘争による殺人が発覚し、警察に逮捕された」と説明されている。



全文約5000字と展示パネルの写真をどのように発表したらよいか、考えているところ。



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