行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

日本文化の使者「日本さくらの女王」とは・・・本日第26代が誕生

2016-02-27 10:43:53 | 日記
昨日、ホテル・ニューオータニで第26代日本さくらの女王の選出大会前夜祭が行われた。「日本さくらの女王」は公益財団法人「日本さくらの会」が1966年から2年に1回選出している。女王とプリンセスがそれぞれ2人ずつ選ばれる。いわゆるミスコンではなく、日本のさくら文化振興に尽くす親善大使である。対外的なPRが盛んでないためあまり知られていないが、重要な役割を担っている。以下のサイトで紹介がある。

http://www.sakuranokai.or.jp/queen/

昨日は書類審査で選ばれた27人の女性(18~23歳)が紹介され、簡単なあいさつをした後、関係者との懇談が行われた。それぞれが自分で用意したドレス姿で、参加者からさかんに記念写真をせがまれていた。話を聞いてみると大学生がほとんどだ。認知度が低いため、応募のきっかけは知り合いに紹介されてというケースが多いが、「自分の世界を広げたい」「国際的な場で活躍したい」と明確な答えが返ってくる。とかく内向きだと言われる現代の若者にも、こうした外向きの意欲が根付いていることを力強く思った。



昨日の昼には、女王候補候にとって恒例となっている横浜・外人墓地への墓参が行われた。ワシントン・ポトマック河畔への桜寄贈を提案した米国人ジャーナリスト、シドモア女史(1856~1928)の墓である。しばしば日本を取材し、日本を愛した女性である。今や、世界的に知られるようになった「Tsunami」(津波)の表記も、彼女が明治時代の三陸地震津波を取材し、『ナショナルジオグラフィックマガジン』(1896年9月号)に掲載されたのが始まりだと言われている。





日本さくらの会は、1964年、東京オリンピック開催に際し、都市開発や公害によって衰退していた桜を守るため、超党派の国会議員有志によって設立された。それもワシントンの桜愛護に触発された面があり、井戸を掘ったシドモア女史への墓参につながっている。

本日午後、女王が決定する。今日の晴れ舞台は和服である。緊張していた候補たちの顔が思い浮かぶ。どんな結果であれ、よい経験になるであろう。実は中国の出版社が、知られていない日本さくらの会やさくらの女王を含め、日本の幅広い桜文化を紹介する本を出版することになり、NPO日中独創メディアの事業として私が編集を担当している。一連の行事をフォローしているのもそのためだ。桜を通じた日中交流がさらに実を結ぶことを願っている。


2014年4月16日 読売新聞解説面


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