行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

上海ホテルオークラの底が抜けそうなほど盛況だった天皇誕生日祝賀レセプション

2015-12-04 17:08:38 | 日記
3日、在上海日本総領事館が主催する天皇誕生日祝賀レセプションが上海のホテルオークラ系・花園飯店百花廰で開かれた。日中交流事業に非常に熱心だと評判の高い片山総領事が就任して初めての大型イベントであり、また、総領事の意向で招待客を従来よりも大幅に多い700人に広げたこともあり、知り合いを探すのに苦労するほど人が集まった。百花廰は500人を超えると床が抜ける恐れがあるというので、別室にもバイキングコーナーを設けたほどだ。

日系企業関係者のほか中国側は地方政府、企業、学術、文化など各方面の顔ぶれがそろった。現地の外国公館からも参加があった。両国首脳の会談が復活した政治環境の変化を反映し、参加者の表情は明るかった。「日本のメディアは中国の経済が悪いとばかり書いているが、サービス産業はどんどん成長している」と熱弁を振るう日本人ビジネスマンもいた。

片山総領事のあいさつでも日中の関係改善が着実に進んでいることが強調され、青少年を中心とした文化・人的交流の拡大を通じた相互理解の促進に向けた決意表明があった。世界で最大の邦人社会を抱える上海の存在感を改めて感じた。総領事が、上海総領事館が11月半ばまでに発給した訪日ビザ数が140万件にのぼり、世界で発給されるうちの30%を占める、と数字を紹介すると、わぁーと歓声が漏れた。上海からの日本便が活況なのもうなづける。在上海日本総領事館は上海市のほか江蘇、安徽、浙江、江西省を管轄しており、そのエリアの在留邦人は6万2000人、日系企業の拠点は2万か所にのぼるという。

冒頭の鏡割り以外、特段のアトラクションがないシンプルな内容だが、旧知の仲間と歓談するのにはちょうどよかった。私としては、顔なじみの江蘇省無錫市外事弁公室の幹部と再会し、来春の無錫さくら祭に関する企画を相談できたのがよかった。桜植樹グループによる上海での活動報告会も具体化し、無錫から上海にさくらイベントを引き継ぐイベントが大きく前進した。NPO日中独創メディアの説明も各方面にできたので、わざわざ出かけて行った甲斐があった。

日本メディアの中国報道は主として政治の中心である北京で発信される。中国の公式報道や政府の記者会見で記事を書くことが多く、独自取材の力が落ちている。オフィスに閉じこもっていると、偏った中国認識を持つことになる。それが日本にそのまま伝えられる悪影響は計り知れない。北京の記者も是非一度、上海のこうした空気を吸ってみるのもよい。これは私が北京と上海を行き来していた中で切に感じたことだ。講演会ではよく「北京で語る日中関係と、上海で目にする日中関係には大きな落差がある」と主張してきた。

皇室担当を経験した私としては、天皇誕生日祝賀レセプションには特段の思い入れがある。両陛下のお人柄に間近で接し、伝統を担いつつ真摯に公の立場を貫かれているその姿には深い尊敬の念を持っている。陛下のご長寿を願いたい。私がこういうことを言うと、「お前は右翼だ」とレッテルを張る人がいるが、私は思想信条に基づいて言っているのではなく、実際の体験に基づいて率直な感想を言っているに過ぎない。主義や思想、宗教に振り回されると真実を見誤る。

レセプションは午後6時半から始まり8時でお開きになった。ただ総領事へのあいさつをする人の列が最後まで途切れず、あいさつをし損なったのは心残りだった。礼を失して申し訳なく思っている。二次会、三次会まで付き合ってくれた仲間には感謝している。帰りも春秋航空だった。今度の啖呵売は男性CAだったが、往路の女性CAほど迫力がなかった。二日酔いだったのでぐっすり寝た。余計なサービスがないことも時にはよい。茨城空港から東京駅までのバスは事前予約をお勧めする。わたくしは忘れていたので、あやうく席がないところだった。日中便の盛況ぶりをここでも実感した。

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