交野市立第3中学校 卒業生のブログ

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これが現場力の決定的な違いだ

2012-02-03 22:13:09 | 建て直し

「現場力の高め方」 

 遠藤功(早稲田大学ビジネススクール教授、ローランド・ベルガー会長) 
  『致知』2012年2月号  特集「一途一心」より
 http://www.chichi.co.jp/monthly/201202_pickup.html#pick2
 
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現場力を高めるにはどうすればいいのか――。
経営者にとって痛切な願いであり、永遠の課題であるに違いない。

しかし、それは社長が現場に出ていって
「おまえたち、もっとしっかりしろ」と檄を飛ばすことではない。
現場力というボトムアップの動きは、
実はトップダウンからしか生まれない。

重要なのは、経営者が現場に対してことあるごとに


君たちが会社のエンジンなんだぞ


と働きかけ、モチベーションを高めること。

現場の仕事をよく見て、


この前のあの改善、よかったな


と褒めること。

そして貢献した人物を正しく評価して登用していくことである。
経営者がこの努力を怠っては現場力の向上はあり得ない。


そもそも現場には慣性の法則が流れている。
現状のまま、決められたことを繰り返していることが
現場にとって一番楽である。
しかし、それでは現場は進化しない

私がコンサルタントとして企業に入り、
まず着手することは、自分たちがいかに惰性に流され、
言われたことしかやっていないのかを気づかせ、
目を覚まさせることである。

それには「あなたたち、ダメですよ」と叱っても意味がない
よいお手本、よい事例を実際に見せることが最も効果的である

そこで私の顧問先で現場力の優れた他企業に連れていき、
見学をし、社員の話を聞いてもらう。

例えば、トヨタ自動車の生産現場に連れていき、
働いている人の話を聞かせると、
やはり皆「すごい」と驚く。

トヨタでは、年間約六十万件の改善提案が出て、
その九十%は実行されている。

当然品質もよくなり、コストダウンもできる。

見学に訪れた一人の社員が、トヨタの社員に


「どうしてこれだけの改善ができるのですか?」


と質問したことがある。

うちの会社はできないのに、なぜできるのか、
という素朴な疑問である。

それに対し、トヨタの社員は


「なぜできないのですか?」


と逆に質問していた。


これが現場力の決定的な違いだ


トヨタでは自分たちの業務を改善するのが
当たり前だという企業風土が根づいている。
一方、現場力の弱い企業には改善するという風土がない。

この事例からも分かるように、
現場力は一朝一夕に高まるものではなく、
時間をかけてつくっていく組織能力である。

一年やそこらの取り組みで、簡単に手に入るものではなく、
五年、十年かけて根づかせていくもの。
倦まず弛まず現場力の重要性を説き続け、
その仕組みをつくり、根づかせるのが経営者の仕事といえる。
 
 
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