大学入試の中でも最難関といわれるのが医学部(医学科)ですが、
その医学部の入学定員が過去最大の「広き門」となっていることをご存じでしょうか。
背景には深刻化する医師不足です。
大学全体の数は1990(平成2)年度に507校だったものが2011(同23)年度には780校に増加し、学生数も約213万3,000人から約289万3,000人へと増えています。
これに対して医学部を持つ大学は、1979(昭和54)年に琉球大学に医学部が設置されて以降、79校のまま変わっていません。それどころか81(昭和56)年度には全体で8,280人あった医学部入学定員は削減され、2007(平成19)年度には7,625人にまで減ってしまいました。医師の供給過剰を恐れた政府が、医師養成の抑制政策を取り続けてきたからです。しかし、最近になって地方を中心に医師不足が深刻化し、大きな社会問題となりました。
このため政府は抑制政策を見直し、2009(平成21)年度から医学部の入学定員を増やすことにしました。
全体の入学定員は
08(平成20)年度が7,793人(前年度比168人増)、
09(同21)年度が8,486人(同693人増)、
10(同22)年度が8,846人(同360人増)、
11(同23)年度が8,923人(同77人増)と4年連続して増加。
今春の12(同24)年度入試でも5年連続増加、過去最多の記録更新をする「広き門」となることが確実です。
では、これで医師不足が解消に向かうかというと、まだまだ数が足りないというのが実情のようです。
http://benesse.jp/blog/20120110/p4.html