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どちらの脳を刺激する?

2014-12-21 10:00:00 | 14期生のブログリレー

こんにちは、14期生の加藤敏幸です。

本日は、第8周目のブログリレーになります。

最後までお付き合いいただければ、幸いです。

 

 

本日は、2014年7月16日付け日経MJ(1面)より、バンダイの乳児向け玩具「ベビラボ」を取り上げます。

 

■バンダイの玩具シリーズ「ベビラボ」は日立製作所グループによる乳児の脳活動の研究成果を商品開発に活用。昨年8月に発売したベビージム「脳を育む すくすくあそびDX」は、「こんにちは」など27種類の言葉を語りかける。

 

■なぜ乳児向けなのに「言葉」なのか。日立ハイテクノロジーズが乳児の脳の血流を計測したところ、母国語を聞かせると、脳の言語野が反応するが、その言葉を逆回しにして聞かせても反応はなく、言葉を聞き分けていることがわかった。

 

 

2013年度の売上は35億円で、2010年度の4倍以上になっているそうです。すごい玩具ですよね。

 

マーケティングメッセージがお客様に受け入れられるためには、「論理性」と「具体性」という2つの要素が必要であると思っています。「具体性」というのは、ピンとくる、ということです。これは「右脳的」な説得力と言えます。

 

もう1つが、「論理性」です。メッセージに論理的な説得力があるか、ということです。これは「左脳的」な説得力と言えます。

 

今回の事例は、「母国語を聞かせると、脳の言語野が反応するが、その言葉を逆回しにして聞かせても反応はなく、言葉を聞き分けている」という根拠を提示しています。その結果、「なるほど、話かけることで赤ちゃんのアタマが活性化するのか」とお客様への説得力を高めたのではないか、と思うのです。

 

論理性を重視する「左脳的」な意思決定においては、「根拠」を求めることが多いです。根拠は必ずしも数値データである必要はありませんが、それでも「左脳が納得するだけの材料」は必要です。このような根拠を提供することで、メッセージの説得力が高まるのでしょう。

 

では、バンダイは「根拠」をどうやって作ったのか。ベビラボのWebサイトによると、「根拠」を持っているパートナーを探して、協力体制を築いたことがわかります。他者の協力を仰ぐ、というのはうまいやり方ですよね。

 

http://babylabo.jp/concept.html

 

通常、玩具は「これ楽しそう」と「右脳的」な購買をする商品かと思います。それを「根拠」を提示することで、「左脳」で買う商品として仕立てあげたのが今回のベビラボと言えます。このように、「右脳」で買う商品に「左脳」が買う理由を作ることで、明確な差別化が可能になりそうです。

 

逆に「左脳」で買う商品に「右脳」が買う理由を作った例は、「iMac」あたりでしょうか。通常のパソコンは「スペック」「性能」などの右脳的な判断が多い商品ですが、「iMac」はそこに「デザインの良さ」「カワイさ」という考え方を持ち込んで、右脳的な購買欲を刺激しましたよね。

 

自分たちの取り扱う商品・サービスは、「右脳」と「左脳」のどちらで買う商品なのであろうか? そして、違う「脳」が買う理由を作れないだろうか? と考えると面白そうですよね。

コメント (2)
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