こんにちは、24期生の金子政弘です。
毎朝、ランニングをしていると少しずつ風が涼しく感じる日が増えてきていることを感じます。
私は現在、中央支部の社会貢献事業として築地場外市場の商店街支援の取り組みに2024年3月から参加しています。
私の地元である築地場外市場が行っている伝統の継承とインバウンド需要による変化のことを書きます。
築地場外市場はNPO法人築地食のまちづくり協議会約450社が中心になり、運営されています。
この中には昔からある鮮魚店、乾物屋、鰹節屋、料理道具屋、包丁屋、漬物屋、卵焼き屋、海苔屋、茶舗、練り物屋、塩干物の海産物店等、物を販売するお店に加え、寿司屋、シーフードレストラン等の飲食店、最近では廃業店舗の跡地に他所の土地から出店してきたスイーツの店や飲食店が増え始め、市場のイメージが20年前と比べガラッと変わったと感じています。
私と築地との関わりについて少し話をします。
私の実家は築地から隅田川を渡った佃島で、祖父は生前、築地場内市場で魚の仲買人として74歳まで働いていました。
母は築地の料亭で25年働いていたことから子供の頃から、家で食べる食材は母が築地場外市場で買ってくるものが多く築地のおいしい食材は身近な存在でした。
昭和50年頃の日本の「食」をリードする情報発信基地として栄えた築地市場の存在感が大好きでした。
大学卒業後、前職で食品メーカーの営業をしていた若い頃12年間、築地場内や場外の市場にある得意先と仕事をしていました。バブル経済の頃、まだ市場流通が盛んな時代で築地の活気は凄いと感じていました。
転勤族だった私は会社を退職して昨年3月から26年ぶりに東京の実家に住むようになり、昔のように自宅で築地市場の食材を食べています。築地にたまに行ってお店の人との会話を楽しんで買い物しています。
今の築地場外市場で一番感心するのは豊洲に場内市場が移転した後、場外市場をなんとか維持・発展させる為にNPO法人築地食のまちづくり協議会の会員店が一般客の集客に取り組んだ結果、今日これだけ多くの国内外の観光客から注目を集めて賑わっていることです。
築地は今後、更に銀座と一体となってまちづくりをしていく計画があります。
私が知る限り今から20年前まで場外市場から場内市場に入るメイン道路は昼前には誰も人が歩いていない程閑散とした場所でした。それは業務用のお客様は朝買い出しに来て11時頃には帰ってしまうと閑散として、当時は12時ごろからメイン道路でスケボーができるくらい通りはガラガラでしたが、今はインバウンド客の集客効果で外国人がたくさん歩いています。特に12月の下旬になると買い物客が多過ぎて車も通れない程の混雑になります。
この状況は何も集客対策をしなければあり得なかったことでNPO法人築地食のまちづくり協議会の商店主の皆さんの努力の結晶であります。また東京都、中央区役所、地元の政治家が協力してまちづくりに意見を出して取り組んでいます。
取り組みの例としては、インバウンド客向けに為替の両替所を設置、コインロッカーの設置、観光案内所を設置、全国各地の漁協の売り場を開設、TAX-FREEの対応店を表示するインバウンド客用の地図を作製して配布、イベントの開催、バーベキュー場の開設、中央区と連携した魚河岸棟開設による見せる売り場の演出、SNSによる発信等様々な対策が実を結んだ結果、インバウンド客から注目されるようになりました。
早朝に来る業務用のお客さんが帰った後に朝10時頃からインバウンド客がやってきて新たな需要を掴むことができるようになり、今日の築地場外市場の盛況があると関係者から聞きました。
そんな築地場外市場にも色々な課題があり、その解決の助けになる様、活動し始めています。
課題の一つは業務用の需要をいかに維持していくかという課題があります。
築地はあくまで「プロ」が食材を買いに来る場所としての魅力を維持し続けていく必要があります。
プロが相談できる信頼できるお店を継承し、廃業を防ぐことや店舗の魅力を発信し続けることを支援していく必要があると感じています。
懇意にさせて頂いている商店街に中小企業診断士の仕事を通じて私なりに地元へ貢献したいと考えています。
ここまで盛り上げた場外市場関係者の努力と市場の課題を少しでも理解いただければと思い、関係者から聞いた話の一端を交えてご紹介しました。
2024年4月、場内の再開発の計画が発表されて、今後益々注目される築地場外市場に機会がありましたら足を運んで、プロに選ばれるおいしい食材を探して、味にうるさいリピーターになってもらいたいと願っています。
築地が古きよき伝統と新しさが融合した魅力的な食の発信基地であり続けるようこれからも応援します。
活気がある地元があり、そこで貢献しようとされていること、金子さんの活躍の場が広がりそうですね。応援しています。