薫るクロニクル。

日常生活で思ったことや、趣味の山歩きの話しなど、思いついたことを綴る記録です。

再現性。

2005年08月13日 18時27分46秒 | 仕事・店。
すこし前に来店してくれたお客さんのことを急におもいだしました。
そのお客さんは、喫茶コーナーでコーヒーを注文して、「飲んでいる間にコーヒーを煎ってもらいたいのですが!」とひとこと。

ですが、当店は生豆を購入しその場で煎る”オンデマンドタイプの焙煎”はしていないので、「当店はその場で煎ることはしていないのですみません」と謝りまりその説明をしました。





プロとしての仕事は、おいしさの追求は当たり前のことで、再現性ということにもポイントを置いています。オンデマンドでの焙煎を軽視しているわけではありません。鮮度という点ではその場で好みの度合いに煎り上げてくれるオンデマンドでの焙煎は申し分ありません。
しかし私のなかでは、排煙の弱い少量を煎る焙煎機は深煎りに向いていないことと、人間の集中力には限度があり2~3時間で集中力が切れると言われています。映画が2時間、長くても3時間ほどという時間設定はそこからきているという話を聞いたことがあるくらいです。

焙煎は熱量と時間、そして庫内に送る空気量の調整で味が変わってしまうのです。焙煎で生豆に与える総熱量を考えると、生豆を投入するポイントですべてが決まってしまうところがあります。庫内温度計はありますが経験により微調整をする必要があり、そこに集中力が必要になり、再現性とイメージとおりの焙煎が行えるのです。
ですから、お店の始まるまえに集中して焙煎をおこなっています。
鮮度管理は出来るだけ少量の焙煎でおこなっており、あとは出来るだけ早く売り切るという経営努力が必要だと認識しております。
そうすることによって香り高いコーヒーが表現、そして再現できるとわたしは思います。





写真の焙煎機は(フジローヤル5kg釜)単独排気、二重ドラム、バーナーを増設する改良をしております。