熱烈なファンの功罪は、スターを偶像の域まで、押し上げてしまうことだ。

この100分間のドキュメントタリーは、女優としてまた、ファッションのアイコンとして世界中から愛されたオードリーのプライベートが、不幸の連続だったことにスポットを当てている。
一夜にしてスターダムに昇った感がある女優にも下積みの年月もあった。ドキュメンタリーでは、幼少期の父の失踪、30年の時を経て歓迎されなかった父との再会、2度の結婚と離婚の詳細を追いかけている。
ただこの人の常人ならざるところは、ひとつひとつの不幸を、周囲の人を愛する力に変えていく点にある。
それが最晩年のユニセフの活動につながっていくのだ。そしてその活動でもストレスが重なって行く。
「世界から飢餓を無くすには、政治を人道を重んじる方向に変えなければいけない」最期に彼女が語った言葉。
プーチンにこの作品を真剣に、観てもらいたい。