5月1日(火) 晴れ 曇が広がる 明るい暖かで風が強い一日
このところ一日おきに山に入った。裏山から鹿除けの金属フェンスを越えて更に北の山を登り、峠の北斜面にたどり着いた。 未落ち葉が積もった急な斜面を歩くのに長靴を履いてきたのは失敗、歩きにくいと言うか足首が柔らかすぎるのがいけない。
ここは一昨年、ヒトリシズカが一面に咲いた後だったので、今年こそはその姿を見たいと心していた。花は「手のひらを合わせたような葉に守られてでる」長い間、この姿を直に見たいと思っていた。風もないまだ太陽が昇ったばかりだが、僅かに東に開けた斜面に光が差し込んでいた。この山は人が来ることは無かったのだろう。以前役場で山の持ち主を調べると、隣の集落住む人だった。だったと云うのは既に数十年前に無くなっている方の名前になっていた。自然はそのままの姿で、ヒトリシズカも増えすぎればやがてはこの地が住みにくくなり消えていくのだろうか?
長い間、文字通り一人静かに僅かな風の音と花を眺める時を過ごしたが、帰り道は急斜面を降りるのを避けて、廻り道を選び歩き出した。陽の当たらない大きな樹の影で一際白く目立つ花を見つけた。一瞬、ゲンノショウコウかと思ったが、葉の形が違うし、これから丈が伸びるようだ。花芽を沢山つけているが、図鑑を見ると“ワダソウ(ナデシコ科)”となっている。 そこには「茎頂に4枚の葉を十字形につけ、大型の花を上向きに一個つける」とあった。(信州 野山の花:信濃毎日新聞社刊)
なだらかな斜面にでて大きな樹のない場所にでると、スミレが咲いている。辺りには数種類のスミレがあるが、その名は検討がつかない。 葉の形も様々で団扇のように丸く縁がギザギザのもの、軸の近くは丸いが先に行くほど細くなっている葉等々、近いうちに詳しく名前を調べてみたい。
スミレのところではしゃがみ込んだり顔を地面に近づけてファインダーを覗き、だいぶ長い間過ごした。こう言う場所は蛇が居ることを思い出し、急いで歩き出した。樹が沢山生える中を歩いていると、楓の仲間の花が目の前に見えた。樹の名前を忘れたが枝が込み入っていてどの樹から生えている枝なのかがわからない。
近くには丁字桜が花を終えようとしている。既に花の役目を終えて花びらが落ちて、子孫を残す実を着ける準備に入っている花もある。
更にこの時期には目にすることが多い、ウグイスカグラこの地域では田植グミと云うのが通称になっていて、ウグイスカグラでは通じない。6月の終わりにはルビーのような赤い実を着ける。
急な峠道を登りきると頂上に地蔵尊が二体ある。小さい方が江戸中期頃、大きい方は明治時代にこの地域の女衆で建てたと伝えられている。お祭りは4月の中半、今年は22日に行われた。毎年新調する頭巾と前垂れは老人クラブ、辺りの清掃や御神酒をあげ、麓の山裾集落から行灯を建てるのは集落の家順(ヤジュン:家の並びで3軒が当番になる)に当たった者立ちが早朝から出役する。その後、子どもたちはお母さんと共にお参りをする。俺は当日、ボランティア集団「町活センターの総会」があったので参加できなかった・
ここまで戻ると我が家は直ぐ、降りの道を歩きだすと携帯電話鳴る。Mから「ゴミ出しの日」だと云う。5時に家をでて既に3時間半も山の中を徘徊してしまったようだ。
午後は裏の山との境にあるロックガーデンの大掃除をした。山からの落ち葉が石といしの間にたまり、春の芽がでるのをジャマすることもあるし、見栄えが悪い。岩の縦面に何か動くモノが見えたので、近づくと蜂だ。足長蜂の仲間のようだが、女王蜂が越冬から覚めて一人で巣を作り始めたのだろうか?下から覗き込むと巣穴は二つ出来ている。ホウキでタタキ潰すには可愛そう、射されないように注意の看板でも作ってこう。