一昨日は午後3時まで曇りの筈が朝起きたら既に雨
登山道の草刈りをしようと思っていたのに…ネタになると思っていたのに…
やむなくまた漢詩です
当初は一番有名な頼山陽の川中島にしようかと思っていました
最後の「流星光底長蛇を逸す」がカッコいいです
でも余りに有名すぎて今更と言う気がして…
で、エピソードのある白居易の「香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁」という七言律詩です
香炉峰の麓に新しく作った別荘の東の壁に書いた 白居易
日高睡足猶慵起 日高く睡(ねむ)り足りて 猶(な)お起くるに慵(ものう)し
小閣重衾不怕寒 小閣(しょうかく)に衾(しとね)を重ねて 寒さを怕(おそ)れず
遺愛寺鐘欹枕聴 遺愛寺(いあいじ)の鐘は 枕を欹(そばだ)てて聴き
香炉峰雪撥簾看 香炉峰(こうろほう)の雪は 簾(すだれ)を撥(かか)げて看る
匡廬便是逃名地 匡廬(きょうろ)は便(すなわ)ち是れ名を逃るるの地 匡廬:廬山の別名
司馬仍為送老官 司馬は仍(な)お老(ろう)を送るの官為(た)り 司馬:知事
心泰身寧是帰処 心泰(やす)く身寧(やす)きこそ是れ帰処(きしょ)なり
故郷何独在長安 故郷は何ぞ独り長安にのみ在らんや
日は高く充分寝たのにそれでも起きるのが億劫だ
小さな家だが布団を重ねているので寒くは無い
遺愛寺の鐘は枕を高くして聞き
香炉峰の雪は簾を持ち上げて見る
匡廬は隠居するのにふさわしい地で ※この時白居易は匡廬に左遷されていました
司馬は老後を送るのにふさわしい役職だ
心が休まり身も休まるところこそ安住の地である
故郷は何も長安だけに限ったものではないのだ
真夏のこの時期に香炉峰の雪も何なんですが
枕草子の中で
一条天皇の皇后・中宮定子に仕えていた清少納言が
雪が高く降り積もっているのに御簾を下げて話をしていると中宮定子が
「少納言よ、香炉峰の雪はどうなのだ?」
と聞かれた。すると少納言は従女に命じ御簾を高く上げさせた
中宮定子は笑われ周りの人は
「とっさに御簾を高く上げさせるとは流石は中宮定子につかえに仕える人だ!」
と感心した
と自慢しています
宮廷に仕えるような人達ですからこの詩は皆知っていたでしょうが
とっさにそれが行動に移せたと言う事が凄いのでしょうね
バカもこの詩を知っていますけど「#$カミ」に仕えております