焼津出身の陶芸家、曽根紀子さんのお醤油指しです。
母は何年も前から彼女のファンで、曽根さんが若い頃からのいくつかの作品が家にあります。
作家さんの陶芸作品など普通は高くて買えませんが、間近で見たり手にとったりしてみるとやはり違うものです。今は少し作風が変わってきましたが、この頃の曽根さんの作品はとても柔らか。丸みがあって軽やかで優しくて、何度かしかお目にかかったことがありませんが、曽根さんそのものという感じがします。
お醤油さしなので作家ものといってもそう高いものではないのですが、やはり、作った人の顔が見える作品だと使う側のほうもとても愛着が湧くし、大切にします。割ってしまうと大変なのでこの醤油さしに会えるのは特別な時だけ。例えばお客さんがいらっしゃった時とか今日は特に力を入れて料理を作った特別の日とか…使ったら、丁寧に洗って、また棚の奥に大切にしまいます。
どなたかのエッセイに「用の美」という言葉が出ていました。使うように出来ているものは使って初めてその価値を問うことができる。美術品のように飾ってみたり、ましてやタンスの肥やしにしていたのでは意味がないということですね。本当におしゃれな人は好んだものこそ毎日使っているみたい!!
でもどうなんだろうと貧乏人の私などは思うのです。たまにしか登場しない食器だからこそ、それを使うときにはなんだか少しわくわくして、今から特別な食事(わあ大げさ!)なんだという気分を味わうことができるなんて、それはそれで価値があるのではないんだろうか!!
などとえらそうに言ってみたけども、ああ好きな食器をお金を気にせず好きなだけ買って、美しい食器でたまごがけご飯が食べられるような、そんな生活がしてみたい!!
曽根さんの作品、本当にすてきですよ。何かの機会に出会ったら一度手にとってみて下さい!