先日、井川へ行ってきました。
静岡県では、ふじのくに「食の都」づくりの一環として、静岡県産の食材を積極的に活用し、県の農林水産業や食文化の振興に貢献していていて、料理人や菓子職人の方々を「ふじのくに食の都づくり仕事人」として表彰し、パンフレット等で食の仕事人として紹介していますね。私もよく目にします。
先日は、この「食の仕事人」の方たちを対象とした研修会でした。
静大の稲垣先生から「ここで焼津の在来作物を紹介しませんか」といううれしいお誘い。
場違いかとも思いましたが、せっかくなので、参加させていただきました。
先に結果を言っちゃいますと…
緊張しいの私です。わずかな時間だというのに、声は震えるし、足は震えるし、まあひっどい発表で(笑)。家に帰って反省するばかり…。
傷も癒えた今日この頃、 それでも集まった方たちに焼津の在来作物について話を聞いてもらったのは嬉しかったし、当日は、勉強になることいっぱいで、参加してよかったなあと思いました!
行きのバスの中では稲垣先生の在来作物の講義。じっくりお話してもらって、在来作物について再確認。
「プロジェクトZ」のイベントで井川へ行って以来ですから、ちょうど2年ぶりでしょうか。
これは在来の蕎麦用の畑。
前回行った時には焼畑を久しぶりにやりはじめたばかりで、来年は種用にしか採れないとのお話をされていましたが、少量のようですが、それが蕎麦としてすでに販売もされているとのこと。すごいなあと 思います。
井川は在来作物の宝庫なのだそうです。
ちょうど葉さかい期で、見ることのできるものは少ないとのことでしたが、それでも、ちょっと歩いただけでも、いくつもの在来作物を見ることができます。
これは「ほもろこし」っていったかな?雑穀の仲間
黒小豆だそうです。小豆と同じように使えるんですって。
これはずいき。よく、乾燥させて煮物として使うものですね。大好きなんだ、これ!
これは地かぶと呼ばれるもの。漬物にしたらすごくうまかったと参加者の方がおっしゃってました。
さて、見学途中にひょっこり現れたねこちゃん。「この子、在来なんじゃないの?」と誰かが言いだし大笑い!
見学の後には井川の食材を使ったお弁当をいただきました。在来作物も使われていて、おいしいお弁当
和ダイニングゆいさんとアクアヴィンテさんの共同作。
右下、在来の里芋団子。淡い味付けで、おいしかった!
鹿のカツレツも時期的にベストではないけどとお話がありましたが、すごくおいしかった。低カロリーで高たんぱくなんでしたっけ。脂身があまり好きではない人には持って来い!
あわ飯もかみしめて食べる感じがよかった!
お弁当は、完全に冷めて完成形なので、なかなかメニュー選びが大変ですよね。どれもおいしかったし、やっぱりプロの技ってすごいなあ!!
同席したのが調理人の方だったので、普段聞けない話も聞けて楽しいひと時でした。
ちょうど紅葉が燃えるように美しい時期で。
その豊かな自然の中で、閉ざされた環境で暮らしてきたからこそ、この素晴らしい食材が残されたんだなあと改めて感じました。
若い移住者の方が、在来作物を作りはじめたこともあり、井川の在来作物は、「オクシズ」ブランドとして販売も可能なものも増えてきたとのこと。素敵ですね!!
焼津の在来作物を考えるにあたり、かねがね、どこか一括して在来作物を集めるところがあり、そこから在来作物を欲しい消費者やお店のもとへ配送するようなシステムが必要になるなあと考えていたのですが、正にそんなシステムもできつつあるというお話をうかがって、またまた感激!
井川のように大々的なことをやるほど、焼津に在来作物があるわけではないし、私ができることなんてほんのわずかですが、前を歩く人がいるということは、こんなに心強く感じるもんなんだなあと感じた一日でした。
稲垣先生は講義の中で、在来作物を「風」に例えられました。
その土地土地の気候風土、風景の中ではぐくまれたからこその風格。
どんな土地に根を張り、風景に溶け込み、 どんな人たちにどんな風に育てられ、どんな人たちがどんな風に関わったか。
在来作物には一つ一つ ストーリーがあります。
新しい作物に関する情報もちらほら入ってきている今日この頃。焼津港町ではぐくまれた作物とそれにまつわるストーリーを、どんな風に演出してみせるのか。きっとそれが在来作物の生き残る道につながるのではないか。目下それが私の課題です。悩みでもあり、楽しみでもあり(笑)。
さてさて、井川のお土産は里芋でした(在来ではありませんでしたが 笑)。
色々あってなかなか使うことができませんでしたが、やっとお料理することができました。
シンプルなのがいいなあと思っていたので、鶏と、今が旬のカブと一緒に醤油糀で蒸し煮にしてみました!
ううん~
見た目はあまり素敵ではありませんでしたが、鶏のうまみを吸って、とろっとろになった里芋がおいしかったこと!! 楽しい!!
明日は、藤枝の方たちと一緒に動いている「ほととぎす漬け」のプロジェクトの勉強会。今、焼津の「小浜白うり」という在来作物を使って、ほととぎす漬けのもとである奈良漬けを試し漬けをしている最中。明日は、毎年奈良漬を漬けてらっしゃる方を先生に迎えて途中経過を見てもらいながらお話を聞きます。こちらもとっても楽しみ!