小浜白うりは、焼津の在来作物の一つです。もうすぐ90歳というおじいちゃんが一人で作っています。おじいちゃんが小さいころから作り続けられているこの白うりは、銅が太く、丸っこい形。柔らかい歯ごたえが特徴です。
おじいちゃんは、昔我が家の辺りに行商に来ていた農家さんの一人。ですから、この白うりはわたしの懐かしの味でもあります。祖母は、特にこの白うりが好きで、「長いのではなく、丸い白うりを頂戴!」とよく言っていたとおじいちゃんが笑って教えてくれました。
今年は暑いうえに雨が少なかったですよね。例年なら7月中旬には採れだしているはずですが、お蔭で半月遅れのスタートとなりました。その上、葉の枯れも見られて、残念ながらあまり芳しくない状態。長くは収穫できないとのこと。絶対おじいちゃんの畑に話を聞きに行くようなツアーを企画しようと決めていたんですが、今年はちょっと無理そうです。
せめてどなたかの目に留まるよう宣伝したい!!ということで、静大稲垣先生と、焼津市役所の半田副市長を訪問することに。ところがこれが大変なことに!!
自慢の白うりの味をお伝えするのに、生のものと、あと漬物を食べてもらいたいなあと、酒がす漬けを作ることにしました。できれば磯自慢の酒がすで漬けたいなあ。
簡易的な作り方ですが、白うりを塩にして10日間。そして、細かく切って酒がすに2日ほど漬けます。
さて、そろそろ酒がすを用意しておかなくっちゃと、明日には漬けなくちゃという日に酒屋さんに買いに行くと、「ごめんね。酒がすは酒を絞る頃からしか手に入らないんだよ。9月の終わりか、10月かなあ…」と殺生なお返事が!!
えー!!なんてこと!!酒がすって年中あるもんじゃないの?!
どうしよう、どうしようとあっちに問い合わせ、こっちに問い合わせ。えらいことになってしまいました。幸い、ベストではないですが、フリージングして保存した酒がすを売ってくださるお店があって、そこの酒がすで手を打ちました。
そして今日、副市長を訪問してきました!
焼津では、まちなかの「まさかこんなところにあるわけないよね」という畑から在来作物が見つかっていること。どれもとてもおいしいこと。きっと探せばまだまだ見つかるだろうということなど、いろいろお話させていただき、副市長からはこんなところで宣伝してみたらどうだろうといった貴重なアイデアをいただきました。
…が、私は酒がす漬けのことで頭がいっぱいで。
ベストな選択をしなかっただけに、白うりの魅力を伝えられるかどうかが心配。自分ではおいしいと思うのですが、受け入れてもらえるかどうか分からず気が気ではなくて(笑)。
幸いおいしく食べていただけたようで、「秘書室の人たちも好評」とのお言葉をいただきました。
ほっとすると、大切なことを思い出しました。おじいちゃんに「宣伝してきたからね!」と報告しなければなりません。「お写真を…」とお願いすると、快く引き受けてくれました。
稲垣先生とお二人で、とってもかわいらしく撮れました!!
さて、家への帰り道、ふと疑問に思いました。白うりが採れるのが夏ですよね。で、白うりの酒がす漬けって、わりと一般的だと思うんです。今のような冷凍技術が整ってなかった時代、酒がすって、どうやって保存していたもんなんでしょうか。謎です。