プロローグ。
新人王戦決勝の序盤戦が、終わろうとしています。
教室に入会した皆さんには、こんな形の序盤を組み立てる事ができるスキルを、最初の目標のひとつにしています。
ここから少々、会員さんの保護者様向けの話になります。
上の図、青で囲ってあるエリアが王様を守るお城です。
金・金・銀の3枚が守りの要で、金矢倉囲いと言われてる堅固なお城になってます。
上の図は、攻撃陣の配置です。
飛車・角は射程距離が長いので、遠くから相手陣を睨みます。
そして、銀が一歩一歩前進して来て、相手陣の大手門までやって来ました。
理想的には、ここに桂馬がプラスされると攻撃陣に厚加わります。
この様に、攻めのチームと守りのチームを編成できるようになると、本格的な将棋の戦いを楽しむことができます。
入会時は、駒の動かし方がやっとの初心者。
やがて、駒と駒を組み合わせて、初期の手筋を指せる初級者となります。
そして、ここまで組めれば立派な、少年・少女棋士となれます。
第4回ルビットタウン将棋まつり 新人王戦決勝
先手:山田景斗
後手:下町俊文
先手となった景斗は、スラスラと棒銀戦法を使い攻めの体制を作りました。
後手となった俊文君は、冷静に守りを固めます。
ひとつのテーマとして、相手の速攻棒銀を受けられるか?
俊文君の△4二角が、矢倉の大手門2四の地点を銀と協力してガードしました。
そして、第二段階の駒組へと進む。
速攻は無理と判断した先手は、自陣の整備に入りました。
王様を金銀の中に入れる蟹囲いにして、▲3六歩として桂馬が、ジャンプできるようにしました。
対する後手は、ひたすら囲います。
気持ちは分かるが違和感あり、銀が一人ぼっちで可哀そう。
矢倉の駒組は、金⇒銀や銀⇒金と金銀を交互に動かすのが、良い手になる場合が多い。
そこは、今後の課題にしましょう。
棒銀のファーストストライクを封じられた景斗君は、二次駒組を展開して蟹囲い⇒矢倉囲いと進化させてきました。
指し手の流れが綺麗なので、これから右四間飛車とか居角左美濃急戦とかマスターしたら、矢倉をカモにできそうです。
俊文君は、矢倉の弱点である端から手を付けます。
これで、飛+角+銀+香の攻撃陣が動き出します。
しかし!!!!!
△9五同香が疑問手!
▲9七歩で、攻めが止まってしまった。
👇 クリック!
△9五同銀! この一手!
この手は、棒銀のABC。
知らないと指せない手でもあるが、だぶん俊文君は知ってたと思う。
では何故?
銀と香の交換で、駒損になるから指さなかったかもしれない。
駒損になっても、相手陣が弱くなり香車を手にして4枚の攻めが続けられる。
この大局観が身に付いてないからかな。(少し薄口醤油)
まま、今後のテーマ発見だから宝石ゲットかも。
最善は逃したものの、4枚で攻めてるので手は続いている。
「堅い・攻めている・切れない」
攻める側は、多少ミスしても致命傷にならないが、守る側は一手のミスで奈落の底に突き落とされる。
△9九銀!
取る手?逃げる手 ?
逃げるとしたら上の▲7七玉か下の▲7九玉か?
後日になって観てるのは静止画像で、実戦は動いているから動体視力で、ここまで連戦して疲れもあります。
運悪く、▲7九玉を選んでしまった。
これも全力で指した証です。
その後、少しもたつくも大量な駒得で、俊文君が勝利しました。
景斗君は、まだ1年生なのかな? 今後の成長が楽しみです。
「序盤・中盤・終盤」 それぞれに課題が残った俊文君は、宝の山にたどり着いたのかもです。
リュウジさんのYouTubeを参考にしながら、簡単料理を作ってます。
味の素と麺つゆがあれば、何も怖くない説。