かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

小児歯科でのインターンシップ

2011年08月18日 | 病院でのインターンシップ

実はすでに終了してしまったんですが、癌センターの病院実習終了後、

小児歯科の実習をしました

どんなものかというと、大学病院の小児歯科に常駐して、歯の検診や治療に来る子供たちや親に栄養指導をするというもの

もちろん患者さんたちは歯の治療をしに来るので栄養指導を受けられるとは知りません

なので治療を受けている子供さんに付き添っている親に様子をみて話しかけてみて、

栄養に関して質問がないか、日頃どんなものを食べているか、歯の磨くタイミングや

おやつにどんなものを食べているかどうかなどを質問していくんです。

もしそこで何かしら気になることがあれば、患者さんの反応にもよりますが、

アドバイスをしていきます

また、子供の成長が順調かどうか、身長と体重を測ってGrowth Chartにプロットして確認します。

親は子供がちゃんと成長しているかどうか気になるので、

無事同年代の子供たちと同様に成長しているか、またちょっと肥満気味とか、ちょっとやせ気味とかって教えてあげます。

するとがぜん、ほかの子供たちと同様になるにはどうしたらいいのかって質問を受けるので

健康的な間食を教えてあげたりします。

ここで栄養指導に必ず入れるようにしたポイントは以下のとおり

①ジュース、ソーダは飲まないこと。飲む場合は100%フルーツジュース。

 一日に4~7oz (112~168g)までしか飲まないようにすること。

 与えるときは必ず水で薄めてあげる。

②歯にくっつきやすい間食はなるべく避けて、フルーツやチーズなどの間食に切り替える。

③夏の間アイスを食べたい子供は熟した果物を切って棒をさして冷凍庫に入れておき、

 アイスとして与える。

どうでしょうか。日本ではどんな指導するのかな?

ちなみにアメリカの子供たちはジュースやソーダをたくさん飲みます。

親も飲むから仕方ないんだろうけど、100%フルーツジュースなら健康にいいと信じている大人がたくさんいるので

大変。肥満も増えるわけだ。比べるとソーダより100%フルーツジュースのほうがいいけど、

糖がたっぷり入っているのでカロリーの摂りすぎになることや、虫歯になりやすいことなどを説明します。

果物をそのまま食べるほうが満腹感もあるし、食物繊維もあるし、虫歯にもなりにくくておすすめです

子供のころの食生活が大人になった時の食生活を決めるので1歳~10歳くらいまでの食生活は本当に大切だよね。

ちなみに歯医者さんたちに実習中に栄養と歯科についてのプレゼンをしました。

「100%フルーツジュースのカルシウム強化における歯への影響」です。

2007年に発表されたこの論文によると100%フルーツジュースは酸度が強く、

歯を溶かしてしまうが、カルシウム強化された100%フルーツジュースはこれを防ぐ効果があったというものです。

実験はビーカーに歯と各種100%フルーツジュース、各種カルシウム強化100%フルーツジュースを入れ、スターラーで25時間各藩し、

歯の浸食具合を測定したもの。

この歯の浸食を防ぐ効果はフルーツジュース中に含まれる酸が通常は歯のカルシウムと結合するところを、

カルシウム強化ジュースは、このジュース中のカルシウムと酸が結合するために歯のカルシウムが溶け出さないというものです。

 

いくらジュースを飲まないでって指導してもなかなかやめられない患者さんには、

どうしても飲みたい場合はカルシウム強化された100%フルーツジュースにしてね。って

指導するのもありですね。(虫歯のことだけ考えるならば・・・)

 

それにしても子供たちかわいかった~!

ちなみにこの小児歯科では歯が生える前の生後6か月以内の赤ちゃんに、最初の検診に来るように呼びかけています。

歯茎のお手入れ、など歯が生える前から親は子供の歯について勉強したほうがいいんだって。

ちなみに物心つく前から歯医者さんにかようことで、子供は歯医者に対する恐怖心をなくすし、

定期的に検診してもらうことで虫歯を早い段階で治療することができます。

 

歯と食生活は密接に結びついているもの。指導をしていて本当に実感しました。

食生活全く問題なく、野菜もしっかり食べて間食も健康的な子供は虫歯もなく、肥満でもなく。

親も教養のありそうな素敵な人が多かった・・・。

虫歯になったらアメリカではすごい治療費がかかるので、(一本10万下らないらしい)

そんだけ歯の治療にお金をつぎ込むんであればちょっと食生活を考えた方がいいと思うんだけど・・・。

お金のない家庭に限ってそんな残念なところにお金を使わなければいけない、

悪循環を目の当たりにしてちょっと考えさせられました